理科3年 物理

 運動   力  仕事 エネルギー

 運動
  [要点-物体の運動・速さ]
 
 

(速さと運動の向き)
Aは速さも向きも変化しない。
Bは速さだけが変化する。
Cは向きだけが変化する。
Dは速さも向きも変化する。

(速さの計算)

  (単位:km/h,m/s など)

たとえば,30mを3秒で走るときの速さは, (m/s)である。
時速に直すと36km/hである。
速さには,以上のような平均の速さとスピードメーターが示す瞬間の速さがある。

 速さ-速さの意味・計算式



運動している物体の速いおそいを表す量を速さという。
速さは単位時間(1秒間,1時間)に移動する距離で表す。

例えば,自動車が3時間で120km走ったとき,
1時間あたりでは,120(km)÷3(時間)=40(km)進むことになる。

このときの速さは,時速40km(または40km/h)と表す。

また,5秒間に30m進む物体は1秒間では,
30(m)÷5(秒)=6(m)進むが,
このときの速さは秒速6m(または6m/s)と表す。

これらの例でわかるように,
速さは,移動した距離をかかった時間で割って算出される。
速さの単位は,m/s,km/hなどが使われる。

 平均の速さと瞬間の速さ
 
[問題]
 次の各問いに答えよ。
(1) ごくわずかな時間に走った距離を
  その時間で割って求めた速さを何というか。
(2) (1)に対して,途中の速さの変化を考えずに,
  移動した全体の距離をそれにかかった時間で割って
  求めた速さを何というか。
(3) 自動車のスピードメーターが示す値は,
  問い(1),(2)のどちらか。

[解答]
(1) 瞬間の速さ 
(2) 平均の速さ
(3) (1)

[解説]



ごく短い時間に移動した距離をもとに
求めた速さを瞬間の速さという。

自動車のスピードメーターが示す値は
瞬間の速さである。

これに対し,途中の速さの変化を考えないで,
一定の速さで走ったとみなした速さを平均の速さという。

例えば,A町からB町までの180kmを高速道路と
一般道路を使って3時間で走ったとする。
速さの変化を考えないで,
一定の速さで走ったとみなした平均の速さ(km/h)は,
180(km)÷3(時間)=60(km/h)であるが,

例えば,
高速道路ではスピードメーターは100km/h(瞬間の速さ),
一般道路ではスピードメーターは45 km/h(瞬間の速さ),
信号で止まっているときはスピードメーターは0 km/h(瞬間の速さ)
を示す。

 速さの換算
 
[問題]
速さは「1秒」「1時間」という単位時間あたりに
どれだけ物体が移動したかを表している。
同じ速さであっても,
時間の単位を変えると移動する距離が変わることになる。

(1) 90kmを1時間で走ったときの速さは,何km/hか。
(2) (1)の速さは,何m/sか。

[解答]
(1) 90km/h 
(2) 25m/s

[解説]
(1) (速さkm/h)=(km)÷(時間)=90(km)÷1(時間)=90(km/h)
(2) 1時間=60分=3600秒,90km=90000mなので,
  (速さm/s)=(m)÷(秒)=90000(m)÷3600(秒)=25(m/s)

 速さと進んだ距離
 
[問題]
20km/hの車は,3時間で何km移動するか。

[解答]
60km

[解説]



(進んだ距離)=(速さ)×(時間)=20(km/h)×3(時間)=60(km)

  [要点-物体の運動・速さ]
 
  

(記録タイマーと速さの計算)
Pは記録タイマーである。Pの1打点の時間は,1(秒)÷50(打点)=0.02(秒)であるので,
テープAのDE間の時間は, 0.02×5=0.1(秒)で,DE間の平均の速さは4(cm)÷0.1(s)=40(cm/s)である。

速くなるほど打点の間隔は広くなる
Aは速さが一定の運動で,Bはだんだん速くなる運動で,Cはだんだんおそくなる運動である。

(テープを切ってはりつける)
このタイマーが5打点打つ時間は0.1秒なので,①の速さは1.2(cm)÷0.1(s)=12(cm/s)である。
同様にして②は26cm/s,である。グラフの縦軸は速さを表し,横軸は時間を表すことがわかる。

①~⑥間は速さがだんだん速くなり,⑥~⑧は速さが一定になっている。
速さが一定でまっすぐ進む運動を等速直線運動という。

 記録タイマー
 


記録タイマーは一定の時間間隔ごとに
紙テープに点を打つ器具である。

紙テープに打点された記録から
物体の運動の距離と時間を知ることができる。

東日本では交流の周波数が50Hzなので,
記録タイマーは1秒間に50回打点を行う。

このとき,1打点を打つのにかかる時間は,
1÷50=0.02(秒)である。

西日本では交流の周波数が60Hz
(1秒間に60回電流の向きが変わる)なので,
記録タイマーは1秒間に60回打点を行う。

  [要点-力のはたらく運動・はたらかない運動]
 
 

(力が働かないか,つりあっているときの運動)
力が働いていない場合,または,働く力がつりあっている場合
(一定の速さで落下する雨粒は,(重力)=(空気抵抗による力)),物体は等速直線運動を行う。
速さのグラフは上図のようになる。
進んだ距離と時間は比例するので,距離-時間のグラフは上図のようになる。

   

(力が働くときの運動)
球がA点にあるとき重力のために斜面の下方向の力が働く。
このためAB間ではだんだん速くなり,速さのグラフは上図のようになる。

斜面の傾きを大きくすると速さの増える割合は大きくなる
進んだ距離のグラフは上図イのようになる。

BC間では力が働いていないので等速直線運動を行う。
CD間では重力のために斜面の下向きで進行方向と反対の力が働くため
速さはだんだんおそくなる

 いろんな運動-力がはたらく運動:斜面
 


上図に示すように,斜面の傾斜が大きくなると,
台車に働く斜面方向の力の大きさは大きくなって,
台車の速さが増加する割合も大きくなる。

例えば台車の重さが2倍になると,
斜面にそって下向きに働く力は2倍になるが,
台車の質量が2倍なので速さの増加の割合は同じになる。

 力がはたらく運動:落下運動
 
おもりの質量を2倍にすると,
おもりに働く重力は2倍になるが,
質量も2倍なので,
落下距離はもとと同じになる。

すなわち,落下運動の場合,
一定時間に落下する距離は
物質の質量が違っても同じになる。

 力がはたらく運動:摩擦力など
 
木片に進行方向とは逆向きの摩擦力が働くので,
木片はだんだんおそくなり,やがて止まる。



 力がはたらかない運動
 
等速直線運動では,
時間が2,3,4・・・倍になると,
進んだ距離も2,3,4・・・倍になり,
時間と距離は比例する。

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  力 
 [要点-力の合成分解・力のつりあい]
 
(2力のつりあい)
物体に働く2力がつり合うための条件は,
①大きさが等しく,②同一線上で,②向きが逆であることである



上図のAは3つの条件を満たしているのでつり合っている。
Bは①と③は満たすが②を満たしていないのでつり合っていない。
Cは②と③は満たすが①を満たしていないのでつり合っていない。

(力の合成・分解)

 
図1で,OXが2N,OYが6Nのとき,その合力は右方向で力の大きさは4Nになる。
図2で,OA,OBの合力は,OAとOBを2辺とする平行四辺形を作図して求めた力OCになる。
図3で,PQをPRとPS方向に分解するためには,Qを通ってPR,PSのそれぞれに平行な補助線QS,QRを引いて求める。
このときの分力はPRとPSになる。

(3力のつりあい)

 
物体にかかる重力の大きさOAがわかっているとき,
糸が引く力と斜面が物体を斜面と垂直方向におす力を求めることができる。
まず, OAを斜面と斜面に垂直な2方向に分解し,分力OPとOQを求める。
糸が引く力は, OB=OPとなる力OBである。
また, 斜面が物体を斜面と垂直方向におす力は,
OC=OQとなる力OCである。

 

上図のようにA,Bが荷物を支える場合,
a>bのとき,(Aの力)<(Bの力)となる。
a=b=60°のとき,(Aの力)=(Bの力)=(Cの力) となる。
 2力のつり合い-2力のつり合いの3条件

2力がつり合うためには,
①2力が一直線上にあり,
②向きが反対,
③大きさが等しい
の3つの条件をすべて満たさなければならない。



 2力のつり合い①:糸でつるしたおもり

[問題]



図のように80gのおもりが糸で
天井からつり下げられて静止している。

100gの物体に働く重力の大きさを1Nとして,
以下の問いに答えなさい。
(1) 2つの力はそれぞれどのような力か。
  それぞれについて説明しなさい。

[解答]
(1) ひもがおもりを引く力。
  重力がおもりを引く力。

[解説]



おもりに働く力は,
重力がおもりを下向きに引く力と,
糸がおもりを上向きに引く力の2力である。

おもりは静止しているのでこの2力はつり合っている。

100gの物体に働く重力が1Nなので,
この80gのおもりに働く重力は0.8Nである。
したがって糸がおもりを引く力も0.8Nである。

1Nを1cmとするので,
作図のときの力の線の長さはともに0.8cmにする。

なお,力の作用点は,
重力の場合はおもりの中心位置で,
糸がおもりを引く力については,
おもりと糸が接している点である。

 2力のつり合い②:机の上の物体

[問題]



図は,机の上に置いてある物体にはたらく重力を
表したものである。
力のつり合いについて,
次の各問いに答えよ。
ただし,方眼1めもりを2Nとする。

(1) この物体にはたらく重力の大きさは何Nか。
(2) この物体には,重力とつり合う力がはたらいている。
  この力はどのような力か。
(3) (2)の力の大きさを求めよ。

[解答]
(1) 12N 
(2) 机が物体をおす垂直抗力(弾性力) 
(3) 12N

[解説]
(1) 方眼1めもりが2Nなので,6めもりは12Nを示す。
(2)(3) この物体にはたらく力は,
  重力が物体を引く力と
  机が物体をおす垂直抗力 (または弾性力)
  の2つである。

  物体は静止しているので,
  この2力はつり合っている。
  したがって,机が物体をおす力は12Nである。



 力の合成・分解-力の合成

[問題]
2つの力F1,F2を合成した力Fを解答用紙に矢印で表せ。



[解答]


[解説]



一直線上にない2力の合成は,上図のように,
OAとOBを2辺とする平行四辺形の作図で求める。

例えば,
②では,点Aを通ってOBに平行な直線と,
点Bを通ってOAに平行な直線を引き,
その交点をCとする。

このとき,OCが2つの力の合力となる。

 力の分解

[問題]
下の図の①~③について,点線方向の2つの分力を作図せよ。



[解答]



[解説]



力の分解を行うときも
平行四辺形を使って作図を行う。

すなわち,
上図のOAを対角線とし,
2辺をOX方向,
OY方向とする平行四辺形をつくる。

具体的には,
Aを通りOXに平行な補助線を引き,
OYとの交点をPとする。

同様に,
Aを通りOYに平行な補助線を引き,
OXとの交点をQとする。

2つの分力は,OP,OQである。

 斜面上の物体
 
[問題]



上図は,摩擦のない斜面上の物体に
はたらく力を示している。

(1) 物体にはたらく重力Wの分力はA~Cのうちのどれか。すべて選んで記号で答えよ。
(2) 斜面の角度が大きくなると,大きさが大きくなる力はどれか。A~Cから1つ選んで記号で答えよ。
(3) 図のCで示される力を何というか。

[解答]
(1) A,B 
(2) A 
(3) 垂直抗力

[解説]

 

 

摩擦のない斜面上の物体にはたらく力は,
重力(W)と斜面から受ける垂直抗力(C)の2つである。

ここでは,重力(W)の大きさが
上図1のように与えられたときの
垂直抗力を作図で求めることにする。

重力OWを斜面方向と斜面と
垂直の方向の2つの分力に分ける。

図1のように,
Wを通る斜面方向の補助線と,
斜面と垂直の方向の補助線を引き,
OWを対角線とする平行四辺形をつくり,
2つの分力OAとOBを求める。

この物体は斜面方向に動き,
OBの方向には動かないので,
斜面から受ける垂直抗力はOBとつり合う。

したがって,垂直抗力は,
図2のPCのようにOBと一直線上で反対方向にあり,
大きさは同じになる。

次に,
斜面の傾斜を大きくした場合について考える。

図3は問題の斜面を表したもので,
Wの分力Aは斜面方向下向きに働く力,
分力Bは斜面と垂直に斜面を押す力を表している。

図4のように斜面の傾きを大きくしたとき,
Wの大きさは変化しない。

しかし,図3と図4を比較すればわかるように,
斜面方向の分力A’はAより大きくなり,
斜面と垂直方向の分力B’はBよりも小さくなる。

  [要点-慣性の法則,作用・反作用の法則]
 
(慣性の法則)
物体に力がはたらいていない場合や力がはたらいていてもつり合っている場合,
静止していた物体はいつまでも静止し,運動していた物体はそのままの速さで等速直線運動を続ける
これを慣性の法則といい,イギリスのニュートンが発見した。



上図の電車が急発進した場合,乗客は静止し続けようとするためbの方向に倒れそうになる
逆に急停車した場合,aの方向へ倒れそうになる

(作用・反作用の法則)



BがAをaの力で押す。これを作用という。
このときBもまたAから反作用の力bを受ける。
この2つの力a,bの大きさは等しい
その結果,Aは左に,Bは右に動く
これを作用・反作用の法則という。

 慣性・作用反作用-慣性の法則

[問題]



図は,電車と電車内に立っている人を示している。
次の各問いに答えなさい。

(1) 停車していた電車が,矢印の向きに急発進したとき,
  この人はa,bどちらの向きに倒れそうになりますか。
  記号で答えなさい。
(2) 一定の速さで矢印の向きに走行していた電車が
  急ブレーキをかけたとき,
  この人はどちら向きの力を受けますか。
  a,bの記号で答えなさい。
(3) (1)や(2)のようになるのは,
  何という法則によって説明できますか。
(4) (3)の法則の内容を簡単に説明しなさい。

[解答]
(1) b 
(2) a 
(3) 慣性の法則 
(4) 物体は外から力を加えないかぎり,静止しているときはいつまでも静止し,
  運動しているときはいつまでも等速直線運動を続けようとする。

[解説]



(1) 停車していた電車が,矢印の向きに急発進したとき,
  電車に乗っている人はそのまま静止続けようとするので,
  bの方向へ倒れそうになる。

  電車内を基準にすると,
  電車内の人には右向きの力が働くように見える。

(2) 一定の速さで矢印の向きに走行していた電車が
  急ブレーキをかけたとき,
  電車に乗っている人はそのままの速さで運動しようとするので,
  aの方向へ倒れそうになる。

  電車内を基準にすると,
  電車内の人には左向きの力が働くように見える。

(3)(4) (1)(2)のようになることは,
  「物体は外から力を加えないかぎり,静止しているときはいつまでも静止し,
  運動しているときは、いつまでも等速直線運動を続けようとする」
  という慣性の法則によって説明できる。

 作用・反作用の法則
 
[問題]



上の図で,B君がA君の背中を押すとどのようになるか。
次のア~エから一つ選び記号で答えよ。

ア B君だけが,後ろへ動く。
イ A君だけが,前の方へ動く。
ウ A君は前の方へ,B君は後ろの方へ動く。
エ A君もB君も前へ動く。

[解答]


[解説]



A君はB君から押されて左向きの力を受けるので,
左向き(前向き)に動く。

B君はA君を押しているが,
作用反作用の法則により,
B君は同じ大きさの力で右向きに押し返される。

したがって,B君は右向き(後ろ向き)に動く。

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 仕事
 [要点-仕事]
 
 ・(仕事J)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)で,
 5kgの物体を3mもちあげるとき,(仕事)=50(N)×3(m)=150(J)となる。
・道具を使っても仕事の大きさは変わらない。これを仕事の原理という。

 

・動滑車1個を使って,5kgの物体を3mもちあげるとき,
 ひもを引く力は物体にかかる重力50Nの半分になるが,
 ひもを引く距離は3mの2倍になるので,(仕事)=25(N)×6(m)=150(J) となる。


・下図のような斜面で物体を引く力Fを求める。

 

Aを垂直方向に3m持ち上げる仕事は,350(N)×3(m)=1050(J)である。
斜面にそってFの力で持ち上げるときの仕事は,F(N)×7(m)=7F(J)である。

仕事の原理より,7F=1050が成り立つので,F=1050÷7=150(N)である。

・1秒間にする仕事の大きさを仕事率(単位はW)という。
 5kgの物体を3mもちあげるのに10秒かかったときの仕事率は,
 (仕事率)=50(N)×3(m)÷10秒=15(W) である。
 仕事



物体に力を加えて移動させたときの作業量を仕事という。

ある物体に1Nの力を加えて
1m移動させたときの仕事を1J(ジュール)と定義している。

例えば,
質量100gの物体に働く重力の大きさは1Nであるので,
この物体をしずかに持ち上げるためには1Nの力が必要である。

この物体を1m持ち上げたときにした仕事は1Jである。

200gの物体を3m持ち上げるとき,
力の大きさは2倍の2N,移動距離は3倍になるので,
仕事の大きさは2×3=6倍になる。
すなわち,(仕事)=2(N)×3(m)=6(J)になる。

(仕事)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
で計算できる。

[問題]
次の仕事を求めよ。
ただし,100gの物体を引き上げるのに必要な力を1Nとする。

(1) 質量2kgの荷物を3m持ち上げたときの仕事。
(2) 質量500gの箱を80cm持ち上げたときの仕事。
(3) 質量500gの箱を0.3Nの力で水平方向に
  80cm引いて動かしたときの仕事。
(4) 質量100kgのブロックを15Nの力で
  水平方向に10m引いて動かしたときの仕事。

[解答]
(1) 60J 
(2) 4J 
(3) 0.24J 
(4) 150J

[解説]
(1) 質量100gの物体に働く重力の大きさは約1Nなので,
  2kg=2000gの物体に働く重力の大きさは,
  2000÷100=20(N)である。

  (仕事J)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
  =20(N)×3(m)=60(J)

(2) 質量500gの物体に働く重力の大きさは,
  500÷100=5(N)。
  80cm=0.8m

  (仕事J)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
  =5(N)×0.8(m)=4(J)

(3) (1)や(2)のような持ち上げる仕事ではないので,
  (力の大きさ)=500÷100=5(N)ではない。
  水平方向に0.3Nの力で引いているので,
  (力の大きさ)=0.3(N)である。

  (仕事J)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
  =0.3(N)×0.8(m)=0.24(J)

(4) 15Nの力で10m引いたので,
  (仕事J)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
  =15(N)×10(m)=150(J)

 仕事率



例えば
質量1kgの物体を2m持ち上げるのに5秒かかったとする。

1kg=1000gの物体にかかる重力の大きさは10Nなので,
持ち上げるのに必要な力は10Nである。

このとき,
(仕事)=(力の大きさN)×(力の向きに動いた距離m)
=10(N)×2(m)=20(J)

したがって,
1秒間あたりの仕事量は,
20(J)÷5(秒)=4(J/秒)である。

1秒間あたりの仕事量を仕事率といい,
1秒間あたり1Jの仕事をするとき,
仕事率は1W(ワット)であるという。

したがって,このときの仕事率は4Wである。

[問題]
20kgの物体を,高さ10mの屋上まで上げようと思う。
この物体を人がロープで引き上げたら,3分かかった。
しかし,モーターを使って引き上げたら,
30秒で引き上げることができた。

100gの物体を引き上げるのに必要な力を1Nとして,
次の各問いに答えよ。

(1) 人とモーターのした仕事はそれぞれいくらか。
(2) 人の仕事率はいくらか。四捨五入で小数第1位まで求めよ。
(3) モーターの仕事率はいくらか。四捨五入で小数第1位まで求めよ。

[解答]
(1)人:2000J モーター:2000J 
(2) 11.1W 
(3) 66.7W

[解説]
(1) 20kg=20000gの物体にかかる重力の大きさは
  20000÷100=200(N)であるので,
  この物体を引き上げるのに必要な力は200Nである。

  10m引き上げるときの仕事は,
  人が引き上げる場合も,
  モーターを使って引き上げる場合も同じで,
  (仕事J)=(力の大きさN)×(力の方向に移動した距離m)
  =200(N)×10(m)=2000(J)である。

(2)(3) 仕事率とは,1秒間にする仕事で,
  1秒間に1Jの仕事をするときの仕事率は1W(ワット)である。
  すなわち,(仕事率W)=(仕事J)÷(秒) である。
  人の場合,引き上げるのに3分=180秒かかっているので,
  (仕事率W)=(仕事J)÷(秒)=2000(J)÷180(秒)
  =約11.1(W) である。

  モーターの場合,
  引き上げるのに30秒かかっているので,
  (仕事率W)=(仕事J)÷(秒)=2000(J)÷30(秒)
  =約66.7(W) である。

 摩擦力と仕事

[問題]



上の図は,800gの木片を
一定の速さで50cm引いたときのようすを
表したものである。

このとき,ばねはかりの読みはつねに1.8Nを示した。
これについて,下の各問いに答えよ。

(1) 木片が受ける摩擦力はいくらか。
(2) 仕事はいくらか。

[解答]
(1) 1.8N 
(2) 0.9J

[解説]



木片に水平方向に働く力は,
糸が木片を引く力と摩擦力の2つである。

木片が等速で動くときこの2力は
つり合っているので,摩擦力は1.8Nである。

(手がした仕事J)
=(木片を引く力N)×(距離m)
=1.8(N)×0.5(m)
=0.9(J) 

このほか,
木片には8Nの重力と床から
上向きに受ける同じ大きさの抗力があるが,
木片の進行方向とは垂直で,
垂直方向には移動していないので,
重力のする仕事は0である。

 仕事の原理:斜面

[問題]



次の各問いに答えなさい。
(1) 上図の斜面の長さ(Xm)を求めなさい。
(2) 図は斜面上の台車を引き上げている様子を表している。
  台車の質量が4kgのとき,
  人がひもを引く力はいくらか答えなさい。
  ただし,100gの物体にはたらく重力を1Nとし,
  ひもの重さや斜面との摩擦は考えないものとする。
(3) 図の人が斜面の一番下から一番上まで
  (2)の台車を引き上げたときにした仕事の大きさを答えなさい。

[解答]
(1) 20m 
(2) 20N 
(3) 400J

[解説]



(1) 上図で,△ABCは30°60°90°の直角三角形なので,
  AB:AC=2:1となる。(中3数学三平方の定理で習う)

  AC=ED=10mなので,
  AB=10×2=20(m)となる。

(2) 台車の質量が4kg=4000gなので,
  台車にかかる重力の大きさは,
  PQ=4000÷100=40(N)である。

  上図で,△PQRと△ABCは相似なので,
  PQ:PR=AB:AC が成り立つ。

  B=20(m),AC=10(m),PQ=40(N)を代入すると,
  40:PR=20:10,40:PR=2:1 
  よって,PR=20(N)

  人がひもを引く力はPRの大きさと同じなので20Nになる。

(3) (仕事J)=(力の大きさN)×(力の方向に移動した距離m)
  =20(N)×20(m)
  =400(J)

 仕事の原理:動滑車①

[問題]



上の図のように,3kgの物体をゆっくり2m引き上げた。
滑車やひもの重さ,摩擦はないものとして,
次の各問いに答えよ。
ただし,100gの物体にはたらく重力をlNとする。

(1) 物体を2m引き上げるために,人はひもを何m引くか。
(2) 物体をゆっくり引き上げているとき,
  天井のP点に加わっている力の大きさは何Nか。
(3) 物体を2m引き上げる間に,人がした仕事の量は何Jか。

[解答]
(1) 4m 
(2) 15N 
(3) 60J

[解説]
3kg=3000gの物体にかかる重力は,
3000÷100=30(N)である。

動滑車を使っているので,
引き上げるのに必要な力は
直接手で持ち上げる場合の半分の15Nになる。

そのかわりに,引くひもの長さは2倍の4mになる。
したがって,
(仕事J)
=(力の大きさN)×(力の方向に移動した距離m)
=15(N)×4(m)
=60(J)となる。

 仕事の原理:動滑車②
 
[問題]
次の図①,②の組み合わせ滑車で,
それぞれの質量の物体を1m引き上げるのに
必要な力Fとひもを引く長さを求めよ。

ただし,滑車の重さ,
ひもの摩擦などは考えないものとする。
また,100gの物体を引き上げるのに
必要な力を1Nとする。



[解答]
①力:100N 長さ:4m 
②力:150N 長さ:4m

[解説]



① 上図で,Pは定滑車で力の方向を変えるだけなので,
 ひもをF(N)の力で引くと,
 動滑車Qは右側のひもから上向きにF(N)の力で引かれる。
 また,動滑車Qは天井から左側のひもを通して
 F(N)の力で引かれる。

 したがって,動滑車Qにはたらく上向きの力の合計は,
 2F(N)になる。

 動滑車Qは動滑車Rから下向きの力を受けるが,
 上向きの力と下向きの力はつり合っているので,
 下向きの力は2F(N)になる。

 次に,動滑車Rにはたらく力を考える。
 作用反作用の法則より,
 動滑車Rは動滑車Qから上向きに2F(N)の力で引かれる。
 動滑車Rは天井からも2F(N)の力で引かれるので,
 合計4F(N)の上向きの力を受ける。

 質量が40kg=40000gの物体にはたらく重力の大きさは
 400Nであるので,
 動滑車Rは物体から下向きに400Nの力を受ける。

 動滑車Rにはたらく上向きの力4F(N)と,
 下向きの力400Nはつり合うので,
 4F=400 が成り立つ。
 したがって,F=400÷4=100(N)

 次に,物体を1m引き上げるのに必要な,
 ひもを引く長さ (m)を求める。

 ひもを100Nの力で (m)引くので手がする仕事は,
 (仕事J)
 =(力の大きさN)×(力の方向に移動した距離m)
 =100(N)× (m)
 = (J)

 ところで,この40kgの物体を
 直接1m持ち上げるために必要な仕事は,
 (仕事J)
 =400(N)×1(m)
 =400(J)

 仕事の原理より,
 100x=400 よって,
 x=400÷100=4(m)



② 上図で,RとSは定滑車で力の方向を変えるだけなので,
 ひもをF(N)の力で引くと,
 動滑車PとQはそれぞれ4点a,b,c,dで
 上向きにF(N)の力で引かれる。

 動滑車PとQを一体のものと考えると,
 この部分にはたらく上向きの力の合計は
 F(N)×4=4F(N)になる。

 質量が60kg=60000gの物体にはたらく重力の大きさは
 600Nであるので,
 動滑車PとQを一体のものとした部分には
 下向きに600Nの力がかかる。

 この下向きの力と上向きの力はつり合っているので,
 4F=600 よって,
 F=600÷4=150(N)

 ひもを150Nの力で (m)引くので手がする仕事は,
 (仕事J)
 =(力の大きさN)×(力の方向に移動した距離m)
 =150(N)× (m)
 = (J)

 ところで,この60kgの物体を
 直接1m持ち上げるために必要な仕事は,
 (仕事J)
 =600(N)×1(m)
 =600(J)

 仕事の原理より,
  150x=600 よって,
  x=600÷150=4(m)

 仕事の原理:てこ
 
[問題]



次の各問いに答えよ。
ただし,100gの物体にかかる重力の大きさを1Nとする。

(1) 図のように,18kgの物体を0.4m持ち上げた。
  このとき,てこを下にさげた距離は何mか。
(2) てこに加えた力は何Nか。
(3) てこを使って物体を持ち上げたときの仕事は何Jか。
(4) 図のように道具を使っても,
  使わなくても仕事の大きさは変わらないことを何というか。

[解答]
(1) 0.8m 
(2) 90N 
(3) 72J 
(4) 仕事の原理

[解説]
てこのうでの長さの比は,1:2なので,
物体を0.4mもちあげるためには,
2倍の距離0.8m押し下げなければならない。

そのかわりに,てこを下に押す力は半分ですむ。

質量18kg=18000gの物体にかかる重力の大きさは,
18000÷100=180(N)なので,
力の大きさは90Nになる。

(手のした仕事J)
=(加える力N)×(押した距離m)
=90(N)×0.8(m)
=72(J)

 仕事の原理:輪軸
 
[問題]




上の図で,
物体を1m引き上げるのに必要な力Fと
ひもを引く長さを求めよ。
ただし,ひもの摩擦などは考えないものとする。

また,100gの物体を引き上げるのに必要な力を1Nとする。

[解答]
力:200N 長さ:2.5m

[解説]
50kg=50000gの物体にかかる重力の大きさは,
50000÷100=500(N)である。

2つの輪の半径の比が20:50=2:5になっているので,
てこの場合と同様に,手がひもを引く力は 倍になる。

したがって,F=500(N)× 2/5=200(N)

この輪軸で,力が 2/5 になるので,
ひもを引く長さは 5/2 倍になる。
したがって,(ひもを引く長さ)=1(m)× 5/2=2.5(m)

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 エネルギー
 [要点-位置エネルギーと運動エネルギー]
 
 高いところにある物体がもっているエネルギーを位置エネルギーという。
質量が大きいほど高さが高いほどこのエネルギーは大きい。

動いている物体がもっているエネルギーを運動エネルギーという。
質量が大きいほど速さが速いほどこのエネルギーは大きい。

この2つのエネルギーをあわせて力学的エネルギーという。

 位置エネルギー

[問題]



上図の地面を位置エネルギーの基準面とするとき,
次の各問いに答えよ。
ただし,100gの物体にはたらく重力の大きさを1Nとする。

(1) 右図の物体Aのもつ位置エネルギーの大きさは何Jか。
(2) 物体Aを3倍の重さのものに取りかえ,
  高さを2倍にすると,位置エネルギーは何倍になるか。
(3) 右図の物体Bの地面からの高さを (m)とする。
  物体Bのもつ位置エネルギーが
  物体Aのもつ位置エネルギーと等しいとき の値を求めよ。

[解答]
(1) 600J 
(2) 6倍 
(3) =6

[解説]
(1) 質量6kg=6000gの物体にはたらく重力の大きさは,
  6000÷100=60(N)なので,
  (物体Aの位置エネルギーJ)
  =(物体Aにかかる重力N)×(基準面からの高さm)
  =60(N)×10(m)=600(J)

(2) (位置エネルギーJ)
  =(物体にかかる重力N)×(基準面からの高さm)の式より,
  重力の大きさが3倍で高さが2倍になると,
  位置エネルギーは3×2=6(倍)になる。

(3) 質量10kg=10000gの物体にはたらく重力の大きさは,
  10000÷100=100(N)なので,
  (物体Bの位置エネルギーJ)
  =100(N)× (m)
  =100 (J)

  (物体Bの位置エネルギーJ)
  =(物体Aの位置エネルギーJ)なので,
  100x=600 よって,
  x =600÷100=6(m)

 運動エネルギー

 

運動している物体は,
他の物体に衝突したとき,
その物体を動かす能力があるので,
エネルギーをもっている。

このように,
運動している物体がもっているエネルギーを
運動エネルギーという。

物体の質量が2,3,4・・・倍になると,
運動エネルギーは2,3,4・・・倍になる。(比例の関係) 

また,物体の速さが2,3,4・・・倍になると,
運動エネルギーは22,32,42・・・倍になる。
(運動エネルギーは速さの2乗に比例する) 

例えば,時速80kmで走っている自動車は,
時速40kmで走っているときとくらべて,
速さが2倍なので,
運動エネルギーは22=4倍になる。ス

ピードを出しているときに起こした事故の致死率が,
スピードを出していないときにくらべて非常に大きいのは,
運動エネルギーが速さの2乗に比例するからである。

 [要点-力学的エネルギーの保存]
 
 空気抵抗や摩擦がなければ,
(力学的エネルギー)=(運動エネルギー)+(位置エネルギー)が成り立つ。



上図で,ふりこがA→B→Cと動くとき高さが低くなるのでその分だけ位置エネルギーは小さくなる
力学的エネルギーは一定であるので,
減少した位置エネルギーの分だけ運動エネルギーが増加し,速さが速くなっていく。
Cに来たとき,運動エネルギーと速さは最大になる
C→D→Eと動くときは,位置エネルギーが増加し,運動エネルギーは減少する


上図のジェットコースターで,Aから小球を転がすとき,
空気抵抗や摩擦がなければ,位置エネルギーはAとFで最大になる。
運動エネルギーはCのとき最大になる。

摩擦や空気抵抗がある場合,BとDで位置エネルギーは同じだが,
運動エネルギーはDのときが小さい

また,小球はFまでは到達できない

 力学的エネルギーの保存①:斜面

[問題]
下図のように,なめらかなレール上の点Aに
小球をしずかに置いて手を離すと,
小球はレールに沿ってころがっていった。

点Bがレールの終点であるとすると,
レールから飛び出た小球はア~ウのどの軌道を描くか。
ただし,摩擦や空気抵抗はないものとする。



[解答]ア
[解説]



摩擦や空気抵抗はないので,
(力学的エネルギー)
=(位置エネルギー)+(運動エネルギー) は一定で,
減少したり増加したりすることはない・・・①。

まず,ウのようになることがあるか考える。
ウの頂点PはA点より高い位置にあるので,
P点の位置エネルギーはA点の位置エネルギーより大きい。

また,P点は運動エネルギーももつので,
(A点の力学的エネルギー)<(P点の力学的エネルギー)
となってしまう。
これは,①に反する。
よって,ウのようになることはありえない。

次に,イについて考える。
Q点はA点と同じ高さなので,
(Q点の位置エネルギー)=(A点の位置エネルギー)となる。

ところで,Q点で小球は横方向に運動しているので,
(Q点の運動エネルギー)>0
したがって,
(A点の力学的エネルギー)<(Q点の力学的エネルギー)となる。
これも,①に反するので,イのようになることもない。

B点をはなれた小球は斜面にそって右上の方向に飛び出し,
点Qより低い位置で最高点に達して,その後,落下していく。

 力学的エネルギーの保存②:ふりこ

[問題]



振り子を用いて,エネルギーについて調べた。
各問いに答えよ。
(1) 位置エネルギーが最も大きいのは図のア~オのどれか。
(2) 運動エネルギーが最も大きいのは図のア~オのどれか。
(3) ア~オについて,
  位置エネルギーと運動エネルギーの和(合計)について
  どのようなことがいえるか。

[解答]
(1) ア,オ 
(2) ウ 
(3) 和は一定である。

[解説]



(1) 位置エネルギーは高さが高いほど大きくなる。
  したがって,高さが最も高いアとオの位置エネルギーが最も大きい。

(2)(3) この問題の場合,アから振れ始めて,
  アと同じ高さのオまで振り子が到達しているので,
  摩擦等はないことを前提にしているものと判断できる。

  位置エネルギーと運動エネルギーの和を
  力学的エネルギーというが,
  摩擦等がない場合,力学的エネルギーは一定である。

  したがって,位置エネルギーが最小になるウで
  運動エネルギーは最大になる。

 力学的エネルギーの保存③:計算問題

[問題]



小球を摩擦がない斜面の最高点のA点において
静かに手をはなすと,
小球はB点からC点まで転がった。

小球がA点,B点,C点でもっている位置エネルギーは,
それぞれ10J,5J,0Jであった。
摩擦や空気抵抗はないものとして
次の各問いに答えよ。

(1) A点,B点,C点での運動エネルギーはそれぞれ何Jか。
(2) A点,B点,C点で一定に保たれている
  エネルギーの名前を答えよ。
(3) (2)のエネルギーの大きさを答えよ。

[解答]
(1) A 0J B 5J C 10J 
(2) 力学的エネルギー 
(3) 10J

[解説]
摩擦等がない場合,
位置エネルギーと運動エネルギーの和である
力学的エネルギーはつねに一定である。
このことを力学的エネルギーの保存という。

A点での球の速さは0なので,
運動エネルギーは0Jである。

したがって,
力学的エネルギーは10+0=10Jである。

B点の位置エネルギーが5Jなので,
運動エネルギーは5Jである。

C点の位置エネルギーは0Jなので,
運動エネルギーは10Jである。

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