理科3年 生物

細胞分裂  生殖   遺伝  食物連鎖

 細胞分裂
  [要点-生物の成長と細胞の変化]
 
 
・細胞分裂の観察には,根の先端(上図のd)の部分を使う。(細胞分裂がさかんであるから) 
 この部分では,上図のアのように,細胞の大きさは他の部分の細胞にくらべて小さい
 細胞の数は多い

・根の先端部分をうすい塩酸につける(1つ1つの細胞をはがれやすくするため)
 →酢酸オルセイン(酢酸カーミン)で染色する。

・細胞分裂は,下図のようにA→C→D→E→B→Fの順序で起こる。
 最初に核の中にaの染色体(中に遺伝子を含んでいる)が現れる。
 分裂前と分裂後の1つの細胞内の染色体の数は同じ



・生物のからだが成長するのは,体細胞分裂によって細胞の数が増え,
 分かれた後の細胞がもとの大きさになるから


 細胞分裂の観察箇所

 

細胞分裂の観察には根の先端の部分を使う(図のエ)。
ここは細胞分裂がさかんで,
細胞分裂の様々な過程にある細胞を観察できるからである。

[問題]



上はタマネギの根の先端部分を拡大した図である。
活発な細胞分裂が観察されるのは,ア~オのどの部分か。

[解答]エ
[解説]



根で細胞分裂がさかんなのは先端部分
(最先端の少し上の成長点という部分)である。

最先端の根冠という部分は
根の先端を保護するためのものである。

成長点付近の細胞を観察すると,
細胞分裂途中のいろんな段階にある細胞を
観察することができる。

 塩酸処理
 


タマネギの根を先端から3~5mmほど切り,
試験管に入れ,
60℃ぐらいのうすい塩酸につけて,
1分間あたためたのち水洗いする。

このようにうすい塩酸で処理をするのは,
1つ1つの細胞をはなれやすくするためである。
(細胞の分裂を止めるはたらきもある)

 プレパラートの作成
 


観察のためのプレパラートを作る手順は,次の通りである。

① 塩酸処理をしたタマネギの根を
  スライドガラスにのせ,
  柄つき針で軽くつぶす。
② 染色液(酢酸カーミン液か酢酸オルセイン液)を1滴落とし,
  3分間まつ。
  染色液によって細胞内の核の部分が赤く染まる。
③ カバーガラスをかけ,その上をろ紙でおおって,
  親指でゆっくりと根を押しつぶす。
  このとき,全体的に広がるよう,
  垂直にしっかりと押すことが大切である。
  押しが弱いと細胞どうしが重なって見にくくなる。

  プレパラートを作成した後に顕微鏡で観察するとき,
  最初は100倍ぐらいの低い倍率にして,全体を観察し,
  染色された核が多く見える部分をさがしてから,
  その部分を高い倍率で観察する。

【別処理】
塩酸処理を次のような手順で行う方法もある。



① 根の先端を切り取って,スライドガラスの上にのせ,
  柄つき針で細かくくずす。
② うすい塩酸を1滴落とし,3~5分まつ。
③ ろ紙で塩酸をすいとる。
④ 染色液(酢酸カーミン液か酢酸オルセイン液)を1滴落とす。
⑤ カバーガラスをかけ,その上をろ紙でおおって,
  親指でゆっくりと根を押しつぶす。
  このとき,全体的に広がるよう,
  垂直にしっかりと押すことが大切である。
  押しが弱いと細胞どうしが重なって見にくくなる。

 細胞分裂の順序
 
[問題]
細胞分裂について,次の各問いに答えよ。
(1) 図のC~Fの細胞の中に見られるひも状のaを何というか。
(2) 下の図のA~Fを,細胞分裂の行われる順に並べ,
  記号で答えよ。



[解答]
(1) 染色体 
(2) A,D,F,C,E,B

[解説]



1個の細胞が2個の細胞に分かれることを細胞分裂という。
細胞分裂の中でも,
生物の体をつくるふつうの細胞分裂を体細胞分裂という。

細胞分裂の順序は,次の通りである。
A:もとの細胞

D:核の中に染色体が現れる。
  細胞分裂をしていないときの細胞の核には
  染色糸とよばれるものが散らばっている。

  細胞分裂が始まると,
  この染色糸がしだいに糸状になって,
  はっきり見えるようになる。

  次にこれが縮まって,太く短い形になる。
  染色体には,遺伝子という
  遺伝に関係するものが含まれており,
  1つの細胞の中の染色体の数は,
  生物によって決まっている(ヒトの染色体数は46本)。

F:染色体が中央に並び,縦に2つに割れる。
  それぞれの染色体が縦に割れて2等分されるので,
  細胞分裂の前後で染色体の数は変わらない。

C:分かれた染色体がそれぞれ両端に移動する。

E:しきりができはじめる。

B:2つの若い細胞になり,その後それぞれが大きくなる。

 細胞分裂と成長のしくみ
 





(1) 根で細胞分裂がさかんなのは
  先端部分(最先端の少し上の成長点という部分)である。

(2) 細胞分裂直後はまだ時間がたっていないので
  アのように1つ1つの細胞は小さい。
  時間がたつにつれて1つ1つの細胞が
  ア→ウ→イのように大きくなっていく。


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 生殖
 [要点-有性生殖:動物]
 
 
・Aは精巣(a)精子(c)が作られる。
 Bは卵巣(b)卵(d)が作られる。
 精子と卵はそれぞれ1個の生殖細胞である。
 
 水中に産みつけられたカエルの卵(d)に精子(c)が入り,
 卵の核と精子の核が合体して受精がおこなわれる。
 受精後の卵を受精卵という。

 
 ・受精卵から個体の体ができていく過程を発生という。
  とくに受精卵から自分でエサをとり始める前までの子(図のA~D)をという。

  胚の間はまだ消化器官ができておらず外から栄養を取り入れることはできないので,
  細胞分裂によって細胞の数は増えていくが,細胞は小さくなっていく

 動物:精子と卵・受精



生物が仲間をふやすことを生殖という。

生殖には,雌雄にもとづいてふやす有性生殖と,
雌雄にもとづかずにふやす無性生殖がある。

カエルの雌の体内に卵巣があり,
そこで卵がつくられる。

雄の体内には精巣があり,
そこで精子がつくられる。

卵も精子もそれぞれ1個の細胞である。
(精子と卵のように,子孫を残すための特別の細胞を
とくに生殖細胞という) 

雌が卵を水の中に産み出すと,雄は精子を放つ。
精子が水の中を泳いで卵にたどりつくと,
卵の核と精子の核が合体して受精が行われ,
受精卵ができる。
受精卵は1個の細胞である。

 動物:受精卵の変化

[問題]
図のA~Fはカエルの受精卵Aが
細胞分裂していくようすを示している。
次の各問いに答えよ。



(1) 受精卵Aが変化していく順に,B~Fの記号を書け。
(2) 受精した卵は,細胞分裂をくり返して,
  どのようなものに成長するか。
(3) 受精卵から個体の体ができていく過程を何というか。

[解答]
(1) C,B,D,F,E 
(2) 胚 
(3) 発生

[解説]



雄の精巣でつくられた精子の核と,
雌の卵巣でつくられた卵の核が合体して
受精がおこる。

受精した卵を受精卵という。
受精卵は細胞分裂していく。

まず1回目の分裂はたてに割れて2個の細胞になる(図のB)。
2回目の分裂はさらにたてに割れて,
2×2=4個の細胞になる(図のC)。

3回目の分裂は横に割れて,4×2=8個の細胞になる(図のD)。

細胞分裂により細胞の数がふえても,
細胞のつくりが同じなのは,図のFあたりまでである。

図のように,受精卵が親とよく似た形になるまで
成長する過程を発生という。

このように,細胞分裂をくり返して,
たくさんの細かい細胞の集まりである胚になる(図のE~I)。

A~Iの段階では,栄養分を取り入れることができないので,
細胞の数はふえていくが,
1つ1つの細胞はだんだん小さくなっていく。

 [要点-有性生殖:植物]
 
 
 被子植物では,おしべのやくで作られた花粉(A)が,
めしべの柱頭(B)につく。これを受粉という。

 Aは花粉管(C)をのばし,子房(D)の中の胚珠(E)に達する。
そして,Cの中の精細胞(F)の核がEの中の卵細胞(G)の核と合体する。
これを受精という。

 受精した卵細胞は分裂を繰り返して(H)となり,
胚珠(E)は種子(I)となる。子房(D)は果実(J)となる。
種子(I)が発芽すると,胚(H)は成長して親と同じ植物になる。

 植物の有性生殖



被子植物の生殖は次の順序で行われる。

① おしべのやくで花粉がつくられる。
② 花粉がめしべの柱頭につく。
  これを受粉という。
③ 受粉後,花粉から細長い花粉管が
  子房の中の胚珠に向かってのびる。
④ 花粉管が胚珠にとどくと,
  花粉管の中の精細胞の核が胚珠の中に入り,
  精細胞の核と卵細胞の核が合体(受精)し,
  受精卵になる。
⑤ 受精卵は,
  細胞分裂をくり返して種子の中の胚になる。
  この過程を発生という。

  胚は,発芽して,親と同じ種類の植物になる。
  胚珠は種子になり,子房は果実になる。

このように,
植物も,精細胞・卵細胞という生殖細胞をつくり,
この2つの生殖細胞が合体(受精)することで,
仲間をふやしていく有性生殖を行う。

 植物の有性生殖:花粉を使った実験



花粉はめしべの柱頭につくと,
水分や養分を吸収して,
適切な温度になると発芽する。

砂糖を混ぜた寒天溶液を固めたものは,
めしべの柱頭と似た状態になっているので,
花粉の細胞は砂糖を養分として吸収し,
花粉管を伸ばすのに必要な栄養分を得ることができる。

砂糖を混ぜた寒天溶液をつくって,
スライドガラスに1滴落とし,
これを冷やして寒天溶液を固める。
これに,ホウセンカの花粉を散布する。

これを,水を張ったペトリ皿の中に入れ,
しばらく置いておくと,
花粉管が伸びはじめる。

5分間ごとに,
ペトリ皿からスライドガラスを取り出して
顕微鏡(100~200倍)で観察する。

ペトリ皿の中に水を入れておくのは,
寒天とそれについた花粉が乾かないようにするためである。

めしべの柱頭についた花粉からのびる花粉管が
胚珠にとどくと,
花粉管の中の精細胞の核が胚珠の中に入り,
精細胞の核と卵細胞の核が合体(受精)し,受精卵になる。

受精卵は,細胞分裂をくり返して種子の中の胚になる。
この過程を発生という。

 [要点-無性生殖]
 
 ・生物が子をつくり,ふえるはたらきを生殖という。
  ミドリムシ,ゾウリムシ,ミカヅキモなどの単細胞生物は分裂によってふえるが,
  このような生殖を無性生殖という。

・多細胞生物では,雄と雌の生殖細胞によって有性生殖でなかまをふやすのが普通である。
 単細胞生物の無性生殖



Aのミカヅキモ,Bのゾウリムシなどは,
1つの細胞からなる単細胞生物である。

これに対し,多くの細胞からなる生物を
多細胞生物という。

生物が自分と同じ種類の子孫を作ることを生殖という。

単細胞生物はからだが2つに分裂して新しい個体ができる。
このような雌雄によらない生殖を無性生殖という。
無性生殖では,親とまったく同じ形質を表す遺伝子が,
そのまま子に伝わるため,
子には親とまったく同じ形質が現れる。

 多細胞生物の無性生殖
 


生物がなかまをふやすことを生殖という。
生殖には,雌雄にもとづいてふえる有性生殖と,
雌雄にもとづかない無性生殖がある。

無性生殖には,次のような種類がある。
① 分裂:親のからだがほぼ均等に分かれて,それぞれ新しい個体になる。
  ゾウリムシやアメーバなどの単細胞生物は分裂によってふえる。

② 出芽:からだの一部に突起が生じ,その突起が分かれて新しい個体ができるふえ方。
  ヒドラ,イソギンチャク,コウボキンなどは出芽によってふえる。

③ 栄養生殖:植物の根・茎・葉などの一部から,新しい個体ができるふえ方。
  ジャガイモは地下の茎から芽を出し,サツマイモは地下の根から芽を出す。
  オリヅルランは,伸びた茎の先に新しい個体ができる。

次のように人工的に栄養生殖でふやす方法もある。
さし木:植物体の一部を土にさして根を出させ,新しい植物体に成長させる。
つぎ木:台木の一部を切り開き,他の植物の茎の一部をさし込み,新しい植物の茎を成長させる。
株分け:株や根を2つ以上に引き分け,子株にしたものを植えて成長させる。

無性生殖では,子は親とまったく同じ遺伝子(いでんし)を引き継ぐので,
親の形質がそっくりそのまま子に伝わる。

これに対し,有性生殖では雌雄の遺伝子が半分ずつ引き継がれるので,
この形質は親と同じになるとは限らない。

たとえば,りんごの木は種子(有性生殖)でもふえるが,
つぎ木(無性生殖)でふやすことで,
親のすぐれた形質(おいしいりんご)を
そのまま引き継がせることができる。

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 遺伝
  [要点-遺伝]
 
・生物がもつ形や性質を形質といい,親のもつ形質が子に伝わることを遺伝という。
 形質を伝えるものは,核の中の染色体の中に含まれている遺伝子である
 (その本体はDNA(デオキシリボ核酸)という物質である)。

 エンドウを用いた実験によって遺伝のきまりを発見した人物はメンデルである。

・エンドウの種子の形には,丸形としわ形の2つがある
(このように対をなす形質を対立形質という)。

 丸形の遺伝子をA,しわ形の遺伝子をaとすると,
 純系の丸形の親の遺伝子の対はAA,純系のしわ形の親の遺伝子の対はaaとなる。

 
 
 減数分裂のとき,対になっている遺伝子は分かれて別々の生殖細胞に入る(分離の法則)。
 AAはAとA,aaはaとaに分かれる。
 受精によって,ふたたび対になるが,その組み合わせは, 上図のようにすべてAaになる。

 まるい形質(A)が優性の形質で,しわのある形質(a)が劣性の形質なので,
 Aaは丸い種子になる。

 

 次に,Aaの遺伝子をもつ種子どうしをかけあわせると,
 上図のように,AA:Aa:aa=1:2:1になり,
 丸い種子としわのある種子の比率は,3:1になる。

 
 形質・遺伝子



動物の毛の色や毛の長さ,植物の種子の形や色など,
生物のからだの特徴となる形や性質を形質という。

形質は細胞の染色体にある遺伝子(その本体はDNA)によって,
親から子へ伝えられる。

親の形質が,遺伝子によって子に伝えられることを遺伝という。

 [要点-染色体の受けつがれ方]
 
 
Aは有性生殖,Bは無性生殖の様子を表している。

Aの有性生殖では,まず,精子や卵などの生殖細胞がつくられるが,
このとき,減数分裂という特殊な細胞分裂がおこり,
1つの細胞内の染色体数は半分になる。

例えば,ヒトの細胞の染色体は46本であるが,
減数分裂によって卵や精子の染色体数は半分の23本になる。

精子と卵が合体する受精がおこると,
精子の23本の染色体と卵の23本の染色体があわさって,
23+23=46本の染色体ができる。
もし染色体が半分にならなかったら,
受精によってできる細胞の染色体は46+46=92本になってしまい,
親の細胞の染色体数と同じにならなくなる。

有性生殖では親の染色体を半分ずつ受け継ぐので,
子の形質はどちらかの親と同じだったり,どちらとも異なっていたりする。

これに対し,Bの無性生殖では,
子は親とまったく同じ染色体を引き継ぐので,形質はかならず同じになる

 
 染色体

生物の細胞の核の中にある染色体の数は,
生物の種類によって決まっている。
例えば,ヒトの細胞の染色体は46本である。

 減数分裂



精子や卵がつくられるとき,
減数分裂という特別な細胞分裂がおこり,
染色体数は半分になる。

例えば,ヒトの1個の細胞の染色体は46本であるが,
卵や精子は半分の23本である。

受精によって精子と卵の核が合体し,
染色体数は23+23=46本で,
親の通常の細胞の染色体数と同じになる。

もし染色体が半分にならなかったら,
受精によってできる細胞の染色体は
46+46=92本になってしまい,
親の細胞の染色体数と同じにならなくなる。

 有性生殖と無性生殖



Aは無性生殖,Bは有性生殖の様子を表している。

Bの有性生殖では,
まず,精子や卵などの生殖細胞がつくられるが,
このとき,減数分裂がおこり,染色体数は半分になる。

例えば,ヒトの細胞の染色体は46本であるが,
減数分裂によって卵や精子の染色体数は半分の23本になる。

精子と卵が合体する受精がおこると,
精子の23本の染色体と卵の23本の染色体があわさって,
23+23=46本の染色体ができる。

このように,有性生殖では親の染色体を半分ずつ受け継ぐので,
子の形質はどちらかの親と同じだったり,
どちらとも異なっていたりする。

これに対し,Aの無性生殖では,
子は親とまったく同じ染色体を引き継ぐので,
形質はかならず同じになる。

 分離の法則・優性の法則



エンドウを使った実験で遺伝の法則を発見したのは
オーストリアのメンデルである。

生物の形質のうち,親から子へと遺伝するものを遺伝形質という。
エンドウの遺伝形質には,
種子の形,子葉の色などさまざまなものがある。

例えば,種子の形には「まるい」「しわ」のように,
互いに対立する形質がある(このような対になる形質を対立形質と呼ぶ)。

ここでは,エンドウの種子の形を決める遺伝子のうち,
「まるい」形質をもたらす遺伝子をA,
「しわ」の形質をもたらす遺伝子をaとする。

遺伝子は染色体の中にあるが,
染色体は2つで1組になっているので,
遺伝子も2つが組になっている。

すなわち,AA,Aa,aaの3通りがある。
代々まるい種子をつくる純系の親(P)の遺伝子はAAである。
代々しわのある種子をつくる純系の親(Q)の遺伝子はaaである。

生殖細胞(精細胞や卵細胞)ができるときの
特別な分裂を減数分裂という。

減数分裂のとき,対になった染色体が2つに分かれるので,
対になった遺伝子も2つに分かれる。
これを分離の法則という。

親(P)の花粉を親(Q)のめしべに受粉させる場合を考える。
親(P)の遺伝子はAAなので,
AAが2つにわかれて,精細胞にAが1個ずつ入る。

同様に,親(Q)の遺伝子はaaなので,
aaが2つにわかれて,卵細胞にaが1個ずつ入る。

Aの遺伝子をもつ精細胞とaの遺伝子をもつ卵細胞が合体して
受精卵ができるので,
受精卵の遺伝子はAaになる。

受精後にできる種子の遺伝子はAaになるが,
Aが優性の形質,aが劣性の形質であるため
Aaの遺伝子をもつ種子は優性の形質だけがあらわれて,
まるい種子になる。

これを優性の法則という。

 遺伝の規則性①
 


まるい種子をつくる遺伝子をA,
しわのある種子をつくる遺伝子をaとすると,
代々まるい種子をつくる親の遺伝子はAA,
代々しわのある種子をつくる親の遺伝子はaaと
表すことができる。

AAのエンドウから減数分裂によってできる
生殖細胞の遺伝子はAとAである。

また,aaのエンドウから減数分裂によってできる
生殖細胞の遺伝子はaとaである。

したがって,AAのエンドウとaaのエンドウを
かけあわせてできる種子Pの遺伝子は,
上図のように,Aa,Aa,Aa,Aaになる。

エンドウの場合,まるい形質(遺伝子A)が優性の形質で,
しわのある形質(遺伝子a)が劣性の形質なので,
Aaの遺伝子の組み合わせをもつエンドウでは優性の形質が現れ,
すべてまるい種子ができる。

 遺伝の規則性②
 
[問題]
ヒトの血液型にはA型・B型・AB型・O型の4種類がある。
AとBが優性の形質である。
A型のヒトの遺伝子の組み合わせは「AA」・「AO」,
B型のヒトの遺伝子の組み合わせは「BB」・「BO」,
AB型のヒトの遺伝子の組み合わせは「AB」,
O型のヒトの遺伝子の組み合わせは「OO」で表される。

「AO」の父と「BO」の母から生まれると考えられる
子どもの血液型を全て答えよ。

[解答]AB型,A型,B型,O型
[解説]



上から,「AO」の父と「BO」の母から生まれると
考えられる子どもの血液型の遺伝子は,
AB,AO,BO,OOの4通りなので,
血液型はAB型,A型,B型,O型の4通りである。

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 食物連鎖
 [要点-生態系]
 
 
 ある地域に生息するすべての生物と,それらの生物をとりまく環境を,
ひとまとまりとしてとらえたものを生態系という。

生物界の食べる・食べられるという関係を食物連鎖という。
多くの動物は,複数の種類の生物を食べており,
何種類もの生物と食物連鎖の関係にあり,
その関係が網の目のようにつながっている。
これを食物網という。

食物連鎖の始まりは上図のCの植物で,
光合成によって無機物から有機物を作り出すので生産者と呼ばれる。

これに対し,図のBの草食動物やAの肉食動物消費者という。
個体数は,A<B<C,大きさは,A>B>Cという関係がある。
Bが増加すると一時的にAは増加し,Cは減少する

植物や動物の死がいや動物の排出物といった有機物を,
完全に無機物に分解する過程にかかわっている,
ミミズなどの土壌生物,カビやキノコなどの菌類
乳酸菌や大腸菌などの細菌類分解者という。

 生産者・消費者・食物連鎖

下の図は,生物の活動で出入りするエネルギーの様子を表したものです。

  

地球上のほとんどすべての生物の
活動のエネルギーの源をたどれば,
太陽の光のエネルギーにいきつく。

もちろん,直接,太陽の光のエネルギーを
使うことはできない。

太陽の光のエネルギーを生物が使える形(有機物)に
変換するのは緑色植物の光合成のはたらきである。

緑色植物は,葉緑体において,水と二酸化炭素を原料とし,
太陽の光のエネルギーを使って
有機物であるデンプンをつくりだしている。

この反応を式で表すと,
(水)+(二酸化炭素)+(光のエネルギー)→(デンプン)+(酸素) である。

光のエネルギーはデンプンの原子間の結合の中に取り込まれ,
化学エネルギーとしてたくわえられる。
この光合成によって化学エネルギーに変換される
太陽の光エネルギーは,
地球が太陽から受け取るエネルギーのわずか0.02%にすぎないが,
これで,地球上のほとんどすべての生物の活動に必要な
エネルギーをまかなっている。

光合成によってつくられたデンプンは,
植物が根から吸収した窒素化合物と結びついて
タンパク質になり,
生物の体をつくる材料としても使われる。
また,脂肪などにもつくりかえられる。

このような,デンプン・タンパク質・脂肪などの有機物は
化学エネルギーをもっている。

有機物の化学エネルギーは細胞の呼吸によって取り出される。
細胞の呼吸を式で表すと,
(有機物)+(酸素)→(水)+(二酸化炭素)+(エネルギー) となる。



 地上における食物連鎖

地上の動物は,植物と異なり
自分自身では栄養分をつくり出すことができず,
他の生物から栄養分をえているので,
消費者に分類される。



 水中における食物連鎖



水中の生物の間にも,
食べる・食べられるという食物連鎖がある。

(A)植物プランクトン(アオミドロ・クンショウモ・ラン藻など)は,
 葉緑体で光合成を行い,有機物をつくり出すので
 生産者とよばれる。

(B)動物プランクトン(ミジンコやツボワムシなど)は,
 植物プランクトンを食べる草食動物である。

(C)小型の魚は草食動物である動物プランクトンを食べる
 小型肉食動物である。

(D)大型の魚は(C)を食べる大型肉食動物である。

食物連鎖で,
食べる側の生物と食べられる側の生物の数量の関係は,
(食べられる生物)>(食べる生物) で,
A>B>C>D という数量の関係が成り立つ。

 つり合いの変化①

[問題]



図は,ある地域で生活する生物の個体数を調べ,
数量関係をピラミッドの形で表したものである。
Cが急に増加したときどのようなことがおこるかについて,
次の各問いに答えなさい。

(1) 短期的には,Bはどうなりますか。
(2) 短期的には,Dはどうなりますか。
(3) 通常の場合,長期的にはこのピラミッドの形は
  どうなりますか。

[解答]
(1) 増加する 
(2) 減少する 
(3) もとの形にもどる。

[解説]



Cが増えると,
BはえさとなるCが増えるので一時的に増加する。

Dは自分を食べるCが増加するので,
食べられて減少する。

しかし,少し時間がたつと,
えさとなるDが減少するためにCは減少してしまう。

Cが減少すると,
一時的に増加したBは減少してしまう。

通常の場合であれば,
時間がたつともとのつり合いがとれた状態に戻る。

 つり合いの変化②

[問題]
次の図はある地方のカンジキウサギと
オオヤマネコの年代による
おおよその個体数の変化を示している。



(1) カンジキウサギを示しているのはA,Bのどちらか。
(2) Bが大量に発生するとAの数は一時的にどうなりますか。
(3) (2)の一時的な変化の後Bの数はどうなるか。

[解答]
(1) A 
(2) 減少する(激減する) 
(3) 減少する(激減する)

[解説]
(1) グラフを見ると,1860年以降は,だいたいにおいて,
  Aの個体数がBより多いことがわかる。
  ウサギは草食動物で,
  ヤマネコはウサギを食べる肉食動物である。

  食べられる生物は食べる生物より個体数が多いので
  Aのほうがウサギを表していると判断できる。

(2) グラフから,1850年ごろ,
  Bのヤマネコが大量に発生して,
  Aのウサギは食べつくされて,
  激減していることが分かる。

  えさであるウサギが激減したことによって,
  やがて,Bのヤマネコも激減したことがわかる。

 土の中の動物
 


土の中では,植物の落ち葉や枯れ枝を
ダンゴムシ,ミミズ,トビムシ,草食性のダニが食べる。

トビムシや草食性のダニは小型の肉食性のカニムシやダニに食われ,
さらに大型の肉食性のムカデやクモに食われ,
いちばん大型の肉食性のモグラやトカゲに食われる,
という食物連鎖が見られる。

 [要点-炭素の循環]
 
 
 
aの植物は生産者と呼ばれ,
Aの二酸化炭素を取り入れ,アの光合成のはたらきによって
炭素の複雑な化合物であるデンプンなどの有機物をつくる。

bとcは消費者である。
食物連鎖で有機物中の炭素は植物(a)→草食動物(b)→肉食動物(c)と移動する
この炭素はイ,ウ,エの呼吸によってふたたび空気中に排出される。

dは分解者でオの呼吸によって有機物を完全に無機物に変える

 物質の循環①:光合成と呼吸
 


生産者とよばれる植物は,
二酸化炭素(図のQ)と水を原料とし,
太陽の光のエネルギーをつかって光合成を行い,
エネルギーを有機物の中に閉じこめる。

光合成の反応を式で表すと,
(二酸化炭素)+(水)+(光のエネルギー)
→(有機物)+(酸素) である。

光合成のとき副産物としてつくられた酸素は
大気中に放出される(図のP)。

植物は,呼吸のはたらきで,
この有機物を酸素を使って分解し,
有機物内にたくわえられたエネルギーを取り出している。

草食動物Aは植物を食べて,
植物内の有機物を取り入れ,
大気中の酸素を使ってこれを分解し,
エネルギーを取り出している。

呼吸は光合成と反対の反応で,式で表すと,
(有機物)+(酸素)
→(エネルギー)+(二酸化炭素)+(水) となる。

二酸化炭素は大気中に排出される。
図のCは菌類(カビ・キノコ)と細菌類などで,
分解者とよばれる。

分解者は,かれ葉・動物の死がい・ふんなどの有機物を,
呼吸のはたらきで,酸素を使って
二酸化炭素や水などの無機物に完全に分解してしまう。

 物質の循環②:炭素の循環
 




図で,生物A→生物B→生物Cという流れが示されていることから,
生物Aは生産者である緑色植物であると判断できる。

緑色植物Aは,無機物である二酸化炭素(物質X)と水を原料に,
太陽の光のエネルギーを使って光合成を行い,
有機物であるデンプンをつくり出している。

すなわち,二酸化炭素CO2の中の炭素原子Cと酸素原子O,
水H2Oの中の水素原子Hと酸素原子Oを組み合わせて,
炭素C・水素H・酸素O原子からなる
複雑な分子であるデンプン(有機物)をつくりだしている。

この原子の組みかえ(光合成)にはエネルギーが必要であるが,
そのエネルギー源は太陽の光のエネルギーで,
太陽の光エネルギーは,
有機物の炭素原子などの結合のエネルギー(化学エネルギー)に
姿を変えて蓄積される。

また,光合成によって,
空気中の二酸化炭素の中の炭素原子Cは,
有機物を構成する原子となる。

緑色植物は,自ら作りだした有機物の一部を,
「(有機物)+(酸素)→(二酸化炭素)+(水)+(エネルギー)」
という呼吸のはたらきで分解して,
たくわえられたエネルギーを取り出している。

呼吸によって,有機物中の炭素原子は,
二酸化炭素に姿を変えて大気中に放出される。

草食動物は,
緑色植物を食べることで有機物を取り込み(有機物の流れe),
呼吸のはたらきで有機物を分解してエネルギーを取り出す。

呼吸によって生じた二酸化炭素は大気中に排出される(c)。
肉食動物は,草食動物を食べることで有機物を取り込み(有機物の流れf),
呼吸のはたらきで有機物を分解してエネルギーを取り出す。

呼吸によって生じた二酸化炭素は大気中に排出される(d)。
草食動物や肉食動物は,
植物がつくりだした有機物を消費するので消費者とよばれるが,
取り入れた有機物のすべてを完全に分解するのではない。

ふんや死がいという形で,有機物を使い残す。
植物も枯れ草などの形で有機物を残す。

これらの有機物を完全に無機物に分解するのは,
分解者とよばれる菌類と細菌類などである。

菌類・細菌類は,枯れ草・ふん・死がいなどの有機物を
取り込み(有機物の流れg,h,i),
これを酸素を使って分解し,
完全に無機物(水・二酸化炭素など)に分解してしまう。

二酸化炭素は大気中に排出される(j)。

 物質の循環③:窒素の循環
 
[問題]



上の図は,自然界における物質の循環を模式的に示したものである。

(1) 物質Aは何か。
(2) 物質Bは何か。
(3) 生産者が有機物をつくるときのエネルギーは何か。
(4) 物質Cは何か。
(5) 菌類や細菌類は生産者に対して何とよばれるか。
(6) 物質Cは生産者が何を作るのに必要か。

[解答]
(1) 二酸化炭素 
(2) 酸素 
(3) 光(太陽の光) 
(4) 窒素化合物 
(5) 分解者 
(6) タンパク質

[解説]



(1)(2)(3)
 物質Aは植物と動物がともに排出する物質なので,
 呼吸によって空気中に出される二酸化炭素であると判断できる。

 物質Bは植物が排出し,
 植物と動物がともに吸収する物質であるので
 酸素であると判断できる。

 植物は光合成によって有機物と酸素を作り出すが,
 そのときのエネルギー源は(太陽の)光のエネルギーである。

(4)(5)
 菌類・細菌類は植物や動物の死がいや排出物などの
 有機物を完全に分解して無機物に戻す働きをする。

(6)
 かれ草・ふん・死がいの中の有機の窒素化合物(タンパク質など)は,
 分解者によって無機の窒素化合物Cに変えられる。
 また,マメ科の植物の根にいる根粒菌は
 大気中の窒素から窒素化合物を作り出す。

 植物はこの無機の窒素化合物Cを根から吸収して,
 光合成によってつくりだしたデンプンなどの有機物と
 この窒素化合物から,タンパク質を合成して,
 自らのからだをつくる材料としている。

 タンパク質(有機の窒素化合物)は,食物連鎖により,
 緑色植物→草食動物→肉食動物と移動し,
 動物の体をつくる材料として使われる。

 もし,分解者がいなかったら,
 かれ草・死がい・ふんなどの形で有機の窒素化合物が増えていき,
 土中の無機の窒素化合物が減少し,
 植物は成長に必要なタンパク質をつくることができなくなってしまう。
 
 分解者のおかげで,窒素は,
 無機の窒素化合物→有機の窒素化合物→無機の窒素化合物→・・・と
 循環できるのである。

 [要点-自然環境の調査と保全]
 
(1)
マツの気孔を観察すれば大気汚染の状態を調べることができる。
交通量の多い道路わきのマツの気孔はよごれているものが多い
水質の状態は,水生生物を採集して調べることで知ることができる。
水質調査の指標になる生物としては,サワガニ(きれいな水),
ヤマトシジミ(少しきたない水),タニシ(きたない水),
アメリカザリガニ(大変きたない水)
などがある。
また,土壌(どじょう)生物を調べることで,土壌開発の進みぐあいを知ることができる。
ダニやクモが多い土壌は開発が進んでいる

(2)
もともとその地域に生息していた生物を在来生物という。
これに対し,もともとその地域には生息せず,
人間によってほかの地域から持ち込まれた生物を外来生物という。
外来生物が持ち込まれたことで,生態系のバランスが乱れ,
もとの状態に戻れなくなることがある。

(3)
化石燃料の大量消費や森林の伐採によって大気中の二酸化炭素の濃度が高くなっている。
二酸化炭素は,地表から反射される赤外線を吸収して熱に変える性質がある(温室効果)ために,
地球の平均気温が上昇する地球温暖化が起こっている。

 人間の活動と自然環境
 


大気中の二酸化炭素の増加は,
化石燃料の大量消費や森林面積の減少などが原因である。

石油や石炭などの化石燃料は
動植物のからだが化石化してできたものなので,
炭素原子を主成分としており,
燃やすと二酸化炭素が発生する。

また,近年,木材を得たり耕地面積を増やしたりする目的で
熱帯雨林の大規模な伐採が行われ,
森林面積が減少しつつあるが,
これは光合成による二酸化炭素の吸収量を
減少させる結果をもたらしている。

二酸化炭素は,地表から反射される赤外線を吸収して熱に変え,
地球の気温を上昇させるはたらきをしている。

このようなはたらきを温室効果という。
このまま,二酸化炭素の増加が続けば,
21世紀末には地球の平均気温は約3℃上昇し,
北極や南極の氷がとけることで,
海面が現在より65cm上昇すると予測されている。

 オゾン層
 
酸素O2に紫外線が当たるとオゾンO3ができる。

酸素に紫外線が当たってできたオゾンは,
紫外線を吸収するという性質をもっている。

オゾン層は地上から約50km上空にあり,
地球上にふりそそぐ有害な紫外線のほとんどをカットしている。

冷蔵庫やクーラーの冷却剤として使われてきたフロンガスは,
オゾンと反応してオゾンを分解する性質をもっている。

近年,フロンガスの増加によって
オゾン層が減少するという問題がおこった。
オゾン層が破壊されると,地上にふりそそぐ紫外線が強くなり,
皮膚ガンが増えたり,生物の遺伝子に悪影響が出たりするおそれがある。

そこで,現在では,フロンガスの使用が禁止されるようになった。

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