社会1年 世界の地域

世界の地域 世界の生活と環境 アジア ヨーロッパ
南北アメリカ アフリカ アセアニア

 世界の地域
 [要点-六大陸と三大洋]
 
 

(陸地):(海)=3:7
六大陸:面積の大きい順に,
ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸・南アメリカ大陸・南極大陸・オーストラリア大陸

三大洋:面積の大きい順に,
太平洋,大西洋,インド洋

 大陸と海-六大陸・三大洋



地球の陸地と海の面積比は,(陸地):(海)=3:7である。
三大洋は,大きい順に,太平洋(たいへいよう),大西洋(たいせいよう),インド洋である。
太平洋の面積は全陸地の面積よりも大きい。
いっぽう陸地は,大きなかたまりと多くの島々からなっている。
大きなかたまりは大陸とよばれ,
面積の大きい順に,ユーラシア大陸・アフリカ大陸・北アメリカ大陸
・南アメリカ大陸・南極大陸・オーストラリア大陸の六大陸がある。

 陸半球・水半球
 


地球の表面を陸が多く見えるようにながめたときの半球を陸半球という。
これに対し,地球の表面を海が多く見えるようにながめたときの半球を水半球という。
ニュージーランド付近がその中心になる。

 [要点-地球儀と世界地図]
 
地球儀:方位・角・距離すべてが正しい
地図:方位・角・距離すべてを正確に平面になおすことはできない

正距方位図法
中心からの方位と距離が正しくなるように作られている。
下図で,東京から見て,メルボルンは南,サンフランシスコは北東の方向
東京から一番遠くにあるのがリオデジャネイロ
 

A:緯度と経線が直角に交わる
B:面積が正しい。
 

 図法-正距方位図法
 


上図は正距方位図法では,中心からの方位と距離が正しくなるように作られている。
方位は,中心の真上が北である。
中心の東京から見てオーストラリアのメルボルンは,真下なので南の方位にあることがわかる。
アメリカのサンフランシスコは右上なので北東の方向である。
中心の東京からの距離は,同心円上のめもり(5000km,10000kmなど)で読み取る。
ロンドンまでの距離は約10000kmであることがわかる。
また,この中で,東京から一番遠くにあるのがリオデジャネイロ(ブラジルの都市)であることがわかる。
正距方位図法は,中心からの距離と方位のみが正確である。
したがって,中心以外の地点からの距離や方位を調べるのには使えない。
また,図のはしの部分(特に南アメリカ大陸とアフリカ大陸)では,大きなゆがみが生じる。

 最短距離
 
[問題] 東京からエジプトのカイロに最短距離で行くには,飛行機でどの方向に飛べばよいか。



[解答] 正距方位図法では,2地点間の最短距離は直線で表される。
東京から飛行機でカイロまで行くとき,最短コースを通るためには,
ほぼ北西の方向に飛んでいけばよいことになる。

 いろんな図法
 








地球の表面は球面であり,方位・角・距離・面積などすべてを正確に平面になおすことはできない。
そこで,目的に合わせて,方位・角・距離・面積のうち1つか2つだけが正確な地図を使うことになる。
Aはメルカトル図法で,緯度と経線が直角に交わり,角が正しいので,
等角航路を使って航海するときの海図に適している。
しかし,北極や南極に近づくと,実際より面積が大きく表示され,形も不正確になる。
また方位も正しくない。

Bは正距方位図法で,この地図は中心にした地点から各地への距離と方位が正しい。
地図上で飛行機の飛ぶ最短経路を,すぐに知ることができる。
欠点は周辺部に行くにつれ,形や面積が不正確になる点である。

Cはモルワイデ図法で,面積が正しくなるように描かれた地図で,分布図などに適している。
しかし北極や南極に近づくと形が見にくい。
中央部から左右の端に行くほど形がゆがむ欠点もある。

 [要点-緯度と経度]
 
 
北極と南極を結び,地球を縦に仕切った線を経線という。

その基準となる経度0度の線(本初子午線)はイギリスの首都ロンドンを通っている。
本初子午線より東を東経,西を西経で表し,ともに0度から180度の間の数値をとる。
日本の標準時子午線は東経135度の経線で,兵庫県明石市を通っている。

赤道と平行な横の線を緯線といい,赤道より北の北半球は北緯で,南半球は南緯で表し,ともに0度から90度の間の数値をとる。
北極に近いスウェーデンなど高緯度の場所では夏になると夜遅くまで太陽が沈まない白夜が見られる。

 経線と緯線-地球儀と経線・緯線
 


地球儀(地球をそのままの形で縮めた模型)の線Aのように,
北極と南極を結び,地球を縦に仕切った線を経線という。
その基準となる経度0度の線(本初子午線)はイギリスの首都ロンドン郊外にある
旧グリニッジ天文台を通っている。
本初子午線より東を東経,西を西経で表す。
東経・西経ともに0度から180度の間の数値をとる。
赤道と平行な横の線Bを緯線といい,
赤道より北の北半球は北緯で,南半球は南緯で表す。
北緯・南緯ともに0度から90度の間の数値をとる。

 赤道・本初子午線
 


(1) 経度0度の線(本初子午線)はイギリスの首都ロンドン郊外にある
  旧グリニッジ天文台を通っている。
(2) 赤道は南アメリカ大陸のアマゾン川流域,アフリカ大陸のギニア湾岸,
  東南アジアのシンガポール付近を通っている。

 北緯と南緯・東経と西経
 


図のように赤道より北を北緯,南を南緯であらわす。
また,イギリスのロンドンを通る本初子午線より東を東経,西を西経で表す。
例えば,上図のX地点は南緯と東経で,Y地点は北緯と西経で表される


 ある地点の緯度と経度
 
[問題] 次の地図中のX地点の地球上の位置はどのように表わされるか。
    緯度と経度を使って答えなさい。




[解答] 南緯30度,西経90度
[解説] X地点は赤道よりも南なので,緯度は南緯30度である。
   経度はイギリスを通る0度の本初子午線より東の範囲の
   太平洋上の180度の経線まで(アジアなど)は東経で,
   本初子午線より西の範囲(南北アメリカなど)は西経で表される。
   したがって,X地点は西経90度である。

 北半球・南半球の季節
 
[問題] 図のようなとき,日本の季節は春夏秋冬のうちのどの季節ですか。



[解答] 夏


[解説] 北極が太陽のほうに傾いているとき,北半球は夏で,南半球は冬である。
   (北半球と南半球の季節は逆になる) 
   このとき,北極に近いところでは,夜遅くまで太陽が沈まず,
   夜中でもうす明るい白夜(びゃくや)の現象が見られる。

 [要点-世界の国々と地域区分]
 
(地域区分)
 
① ヨーロッパ州 ② アフリカ州 ③ オセアニア州 ④ 北アメリカ州 ⑤ 南アメリカ州 
A 東アジア B 東南アジア C 南アジア D 西アジア E 中央アジア

(世界の国名)

Aアメリカ合衆国(ワシントン) Bカナダ(オタワ) Cメキシコ(メキシコシティ)
Dキューバ(ハバナ) Eブラジル(ブラジリア) Fペルー(リマ) Gチリ(サンティアゴ)
Hアルゼンチン(ブエノスアイレス) I 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)(ピョンヤン)
J 韓国(大韓民国)(ソウル) K 中国(中華人民共和国)(ペキン) Lモンゴル(ウランバートル) Mフィリピン(マニラ) Nベトナム(ハノイ) O タイ(バンコク)
Pマレーシア(クアラルンプール) Qインドネシア(ジャカルタ) Rシンガポール
Sオーストラリア(キャンベラ) Tニュージーランド(ウェリントン) Uインド(デリー)
Vイラン(テヘラン) Wイラク(バグダッド) Xサウジアラビア(リヤド)
Yエジプト(カイロ) Zロシア連邦(モスクワ) aドイツ(ベルリン)
bイギリス(ロンドン) cフランス(パリ) dイタリア(ローマ) eスペイン(マドリード)
fポルトガル(リスボン) gナイジェリア(アブジャ) hガーナ(アクラ)
iコートジボワール(ヤムスクロ) j南アフリカ共和国(プレトリア) kケニア(ナイロビ)

 世界の国-世界の地域区分
 


世界は6つの州に区分される。
北アメリカ大陸は
北アメリカ州,南アメリカ大陸は南アメリカ州
アフリカ大陸は
アフリカ州,オーストラリア大陸と太平洋の島々はオセアニア州である。
ユーラシア大陸は,
アジア州ヨーロッパ州に分けられる。

 国家の3条件・国の数
 


 世界の国名
 


Aアメリカ合衆国(ワシントン) Bカナダ(オタワ) Cメキシコ(メキシコシティ)
Dキューバ(ハバナ) Eブラジル(ブラジリア) Fペルー(リマ) Gチリ(サンティアゴ)
Hアルゼンチン(ブエノスアイレス) I 北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)(ピョンヤン)
J 韓国(大韓民国)(ソウル) K 中国(中華人民共和国)(ペキン) 
Lモンゴル(ウランバートル) Mフィリピン(マニラ) Nベトナム(ハノイ) O タイ(バンコク)
Pマレーシア(クアラルンプール) Qインドネシア(ジャカルタ) Rシンガポール
Sオーストラリア(キャンベラ) Tニュージーランド(ウェリントン) Uインド(デリー)
Vイラン(テヘラン) Wイラク(バグダッド) Xサウジアラビア(リヤド)
Yエジプト(カイロ) Zロシア連邦(モスクワ) aドイツ(ベルリン)
bイギリス(ロンドン) cフランス(パリ) dイタリア(ローマ) eスペイン(マドリード)
fポルトガル(リスボン) gナイジェリア(アブジャ) hガーナ(アクラ)
iコートジボワール(ヤムスクロ) j南アフリカ共和国(プレトリア) kケニア(ナイロビ)

 世界の国の面積など
 




 国境線
 


国境線としては,
①山脈・河川・湖沼・海などの地形を利用したもの,
②緯線や経線を利用した人為的なものがある。

①の例としては,アンデス山脈沿いに引かれているチリとアルゼンチンの国境がある。
河川を国境線としているのはアメリカ合衆国の南部とメキシコ北部の国境などである。

②の典型例はエジプトの国境線で,経線と緯線に平行に国境線が引かれている。
アフリカ大陸には直線的な国境線が多いが,
これは,ヨーロッパ諸国が植民地として支配したときに,
経線や緯線によって支配地域を分割したなごりである。
そのほかに,アメリカ合衆国とカナダの国境線も緯線を利用して引かれている。

 内陸国と島国
 
まわりを海で囲まれ,国境線が海に引かれている国を島国という。
日本,フィリピン,ニュージーランド,キューバ, スリランカ,アイスランドなどは島国である。
イギリス,インドネシア,アイルランドなどは,
島の一部が他の国になっているが,ふつう島国という。

海に面していない国は内陸国という。
モンゴル,スイス,オーストリア,ボリビアなどがある。

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 世界の生活と環境
 [要点-世界の気候]
 
 
 
寒帯:氷雪気候と,ツンドラ気候
冷帯:(亜寒帯):冬は寒いが,夏には気温が上昇,タイガという針葉樹林が広がる
温帯:温帯湿潤気候(東アジア),地中海性気候,西岸海洋性気候
熱帯:熱帯雨林気候(赤道直下)と,サバナ気候(雨季と乾季))
乾燥帯:砂漠気候(雨が降らない)と,ステップ気候(わずかに雨が降り草原が広がる)

 世界の気候-各気候帯の特色・分布



世界の気候は,熱帯,乾燥帯,温帯,冷帯(亜寒帯),寒帯の5つに区分できる。
・熱帯は赤道を中心に広がっており,1年じゅう気温が高く季節の変化はない。
 雨量も多い。とくに赤道直下では1年じゅう雨が多いため熱帯雨林が広がっている。
 熱帯が広がっているのは,南米ブラジルのアマゾン川流域,アフリカ中央部(ギニア湾沿岸など),
 東南アジア一帯(赤道はシンガポール付近を通る)である。

・乾燥帯は雨がきわめて少なく,さばくやかわいた草原になっている。
 オアシス以外では水が得にくいため樹木は育たない。
 アフリカのサハラさばく,西アジア,内陸部にある中央アジア一帯は乾燥帯になっている。
 また,オーストラリアの内陸部,北アメリカの西部も乾燥帯になっている。

・温帯は四季の変化がはっきりしており,一般に雨が多めで暖かい。
 多くの人々が生活している。
 日本や中国などの東アジア,西ヨーロッパ,北アメリカ東岸などは温帯に属している。

・冷帯(亜寒帯)は冬の寒さが厳しいが,夏には気温が上がり,
 降水量が多いところでは,タイガという針葉樹が生育する。
 北ヨーロッパ,ロシア(シベリアなど),中国北東部,アラスカ,
 カナダなどは冷帯(亜寒帯)の気候である。

・寒帯は1年じゅう,ほとんど氷や雪が消えず,夏でも寒いため,森林はみられない。
 しかし,夏には地表の氷がとけて,コケ類などがはえるところもある。

 雨温図

[問題] 次の地図と雨温図を見て,各問いに答えよ。





(1) 地図のア~オの都市にあてはまる気候帯名を書け。
(2) 地図のア~オの都市にあてはまる雨温図を上のA~Eから選べ。

[解答](1)ア 温帯 イ 冷帯(亜寒帯) ウ 乾燥帯 エ 寒帯 オ 熱帯 (2)ア C イ D ウ B エ A オ E

[解説]


アは地中海沿岸のイタリアのローマで, 温帯(地中海性気候)である。
イはロシアのイルクーツクで冷帯(亜寒帯)である。
ウはサハラさばくの南に位置し乾燥帯である。
エはカナダ北部で寒帯である。
オは赤道周辺にあるので熱帯である。

雨温図から気候帯を判断するためには,
まず,樹木の育たない2つの気候帯(乾燥帯,寒帯)かどうか検討する。
乾燥帯は降水量がきわめて少ないために樹木が育たない。
A~Eの雨温図の降水量に着目すると,Bが乾燥帯であることがわかる。
寒帯は気温が低いために樹木が育たない。
寒帯は1年のうちでもっとも暖かい月の気温が10℃未満であることで見分ける。
A~Eの雨温図のなかで,もっとも暖かい月の気温が10℃未満であるのはAである。
残りの熱帯,温帯,冷帯(亜寒帯)は1年のうちでもっとも寒い月(最寒月)の気温で判断する。
すなわち,最寒月の気温が18℃以上であれば熱帯,-3℃~18℃であれば温帯,
-3℃未満であれば冷帯である。
A(寒帯)とB(乾燥帯)を除いたC,D,Eの中で,最寒月の気温が18℃以上であるEは熱帯である。
最寒月の気温が-3℃未満であるDは冷帯である。
最寒月の気温が-3℃~18℃であるCは温帯である。

 [要点-世界各地の人々の生活と環境]
 
 (寒帯のくらし) 
 
カナダ北部には,イヌイットとよばれる人々がいる。
夏はあざらしの皮でつくったテントを建ててカリブーの狩りをおこない,冬は雪を固めて積み上げたイグルーに住み,あざらしの狩りをおこなっていた。
移動用には犬ぞりを使ってきたが,現在ではスノーモービルを使う人も増えている。
北極に近いので,夏には,日が沈まない白夜が見られる。

 (冷帯のくらし) 
 
シベリアではタイガとよばれる針葉樹林帯が広がっており,その下には,1年じゅう凍ったまま永久凍土がある。
住居は,丸太を組み合わせたログハウス(二重窓)が多い。
中層アパートには,冬の暖房熱で永久凍土がとけるのを防ぐために高床式になっているものがある。
夏に野菜を作ったり,日光浴を楽しんだりするための小屋をダーチャという。

 (温帯のくらし) 
 
イタリアは温帯の中の地中海性気候で,1年を通して温暖である。
夏に暑くて乾燥する気候は,オリーブ,ふどう(ワインの原料),トマトなどの果樹の栽培に適する。
比較的降水量が多い冬に小麦を栽培する。
住居のかべはで作られていることが多い。

 (乾燥帯のくらし) 
 
サハラ砂漠では,水がわき出るオアシス以外では樹木は育たない。
サハラ砂漠の南のサヘルでは,草原を焼きその灰を肥料とする焼畑農業や,乾燥に強い羊などの遊牧が行われている。
近年,過剰放牧過剰耕作により大地が不毛の土地になる砂漠化が進行している。
住居の材料としては日干しれんがが使われている。

 (熱帯のくらし) 
 
フィジーは南太平洋にある熱帯の島国で,さとうきびやココやしなどがつくられている。
ココやしの実からつくるコプラ(食料油や石けんの原料)は重要な輸出品である。
また,漁業もさかんで,日本にまぐろを輸出している。
周辺の海底には美しいさんご礁がある。
また,海岸近くにはマングローブという樹林が広がっている。
豊かな自然を生かした観光業がさかんである。

 (高地のくらし) 
 
アンデス山脈の中央部にあるペルーの気候は高山気候で,年間の気温の変化は小さい
昼は暖かく夜は大変冷え込む
標高2000~3000mの所でとうもろこしを,それより高い所でじゃがいもを作っている。
4000m以上の所は寒くて作物が育たないので,リャマ(荷物の運搬)やアルパカ(毛をポンチョなどの材料として使う)放牧を行っている。
高地では木が少ないため,住宅は主に石や日干しれんがで作られている。


 世界各地のくらしと気候-寒帯のくらし(イヌイット)


 

北極海に面したカナダ北部には,イヌイットとよばれる人々が生活している。
ここは,1年じゅう雪と氷におおわれた寒帯なので農業はできず,
生活の中心は狩りであった。
夏はあざらしの皮でつくったテントを建ててカリブー(野生のとなかい)の狩りをおこない,
冬は海の氷の雪を固めて積み上げたドーム型のイグルーに住み,
あざらしの狩りをおこなっていた。
しかし,カナダ政府が1950年代からイヌイットの定住化を進めてきたこともあり,
現在では,資源開発や観光業の仕事に従事する人が多くなった。
移動用には犬ぞりを使ってきたが,現在ではスノーモービルを使う人も増えている。
北極に近いこの地域では,夏には,日が沈まない白夜が見られる。

 冷帯(亜寒帯)のくらし



冷帯(亜寒帯)は冬の寒さが厳しいが,短い夏には気温が上がる。
1年の気温差が大きいのが冷帯の特徴である。
夏が暑いので,寒帯と違って樹木や作物が育つ。
シベリア,カナダ,アラスカなどではタイガとよばれる針葉樹林帯が広がっている。
日本では北海道が冷帯(亜寒帯)の気候である。
森林の下には,1年じゅう凍ったままの永久凍土がある。

 雨温図の判断



 シベリアの住居
 
①冷帯のシベリアにはタイガという針葉樹林帯が広がり木材資源にめぐまれているため,
住居は,丸太を組み合わせたログハウスが多い。
非常に寒い冬に備えるため,窓は二重窓で,玄関のとびらは厚い木のとびらになっている。
また,都市部にある中層アパートには高床式になっているものがある。
地下に永久凍土層が広がるシベリアでは,
暖房などの熱が伝わると,凍土がとけて建物が傾くなどの被害が出る。
そこで,下図のような高床式の建物にして熱を地面に伝わりにくくして,
永久凍土がとけて建物が傾くことがないようにしている。


 

②短い夏には,都市部のアパートに住む人々は,
郊外にある家庭菜園付きのダーチャという小屋へ出かける。
ここで,日光浴を楽しんだり,夏にだけ味わえる新鮮な野菜やじゃがいもをつくったりする。
夏に収穫した野菜はつけ物にして冬に備える(冬の気候は農業に不向きなため)。
衣服の面では,寒い冬には保温性の高いとなかいなどの毛皮でできたコートなどを着用する。

 温帯のくらし-気候区分
 
地中海性気候,西岸海洋性気候,温帯湿潤気候(温暖湿潤気候)



温帯は四季の変化があり,一般に雨が多めで暖かい。
そのため,米や小麦などの生産量が多く,牧畜もさかんで,多くの人々が生活している。

温帯は,さらに,温帯湿潤気候(温暖湿潤気候),西岸海洋性気候,地中海性気候の3つに分けられる。
日本を含むアジアは温帯湿潤気候(温暖湿潤気候)である。
季節風(モンスーン)の影響を受け,夏は熱帯のように高温多雨であるが,
冬は寒さが厳しい。四季の変化がもっとも明確である。

西ヨーロッパの大西洋岸は大西洋を流れる北大西洋海流(暖流)と
その上を1年じゅう西からふく偏西風の影響を受けて,
高緯度のわりに温和な西岸海洋性気候になっている。
1年間を通して,気温や降水量の変化が小さいことが特徴である。

ヨーロッパの地中海沿岸の気候は地中海性気候である。
夏の降水量が極端に少ないのが特徴で,
夏の乾燥に耐えられるオリーブ,ぶどう,オレンジなどの栽培がさかんである。

 地中海性気候



地中海に面したイタリアは温帯の中の地中海性気候である。
イタリア中部は,冷帯に属する北海道と同じくらいの緯度にあるが,
1年を通して温暖である。
上のローマの雨温図を見ればわかるように,
夏(7月ごろ)の降水量が非常に少ない。(日本のような梅雨はない) 
夏に暑くて乾燥する気候は,オリーブ(オリーブオイルの原料),
ふどう(ワインの原料),トマトなどの果樹の栽培に適する。
比較的降水量が多い冬に小麦を栽培する。

 乾燥帯のくらし-サヘル




①アフリカ北部のサハラさばくの南のふちに広がる地域をサヘルとよぶ。
 サヘルに住む民族の中でもトゥアレグ族とよばれる人々は,
 乾燥に強い羊ややぎとともに水や草を求めて移動して生活する遊牧をおこなってきた。
 サハラさばくでは,水がわき出るオアシス以外では樹木はほとんど育たない。
 しかし,サヘルでは少ない雨を利用し,草原を焼きその灰を肥料とする焼畑農業で,
 ひえ,きび,もろこしなどの穀物を作ってきた。
 ブルキナファソでは,かんがい設備の整備によって,とうもろこしや米が主食になった。

②サヘルなどの乾燥帯では樹木が育たないため,住居の材料として木材を使うことはできない。
 泥をかためて乾燥させた日干しれんがが使われている。

 熱帯のくらし-フィジー



フィジーは南太平洋にある島国で,気温は1年じゅうおよそ25℃で熱帯にある。
人々は自給自足に近い生活を送っている。
住居は木や竹などでつくられ,屋根はやしの葉でおおわれている。
1年じゅう気温が高いため農作物の生育がはやく,
さとうきびやココやしなどがつくられている。
ココやしの実からつくるコプラ(食料油や石けんの原料)は重要な輸出品である。
また,まわりが海に囲まれているので,漁業もさかんで,
日本にまぐろを輸出している。
島の周辺には美しいさんごしょうが発達しており,
豊かな自然を生かした観光業がさかんである。
しかし,観光開発によってさんごしょうや
マングローブが破壊されるといった問題がおこっている。

 ツバル

 

ツバルの気候は年じゅう高温で雨が多い熱帯で,熱帯林が茂っている。
住居は高床式で壁がなく,屋根は木の葉を重ねてつくられている。
これは,風通しを良くして熱や湿気がこもらないようにするためである。
近年では外国から輸入製品や文化が入り,コンクリートの家も増えたりしているが,
プラスチックなど燃やせないごみが増えていることが問題となっている。

 高地のくらし-ペルーのアンデス地方
 
 

①アンデス山脈中央部のペルーは高山気候である。
 赤道に近いにもかかわらず標高が高いため,
 年間の平均気温が低く,年間の気温の変化は小さい。
 また,昼は暖かく,夜は大変冷え込む。

②アンデス山脈に住む人々は,山の急斜面を高いところまで畑にしている。
 高度が高くなるにつれて気温が下がるために,作る作物を変えている。
 標高2000~3000mの所でとうもろこしを,
 それより高い所でじゃがいも(種類は100をこえる)を作っている。
 4000m以上の所は寒くて作物が育たないので,
 リャマ(荷物の運搬)やアルパカ(毛をポンチョなどの材料として使う)の放牧を行っている。
 高地では木が少ないため,住宅は主に石や日干しれんがで作られている。

 低い土地のくらし-タイのバンコク
 


タイのバンコクは熱帯であるが,雨季(5~10月)と乾季(11~4月)がある。
バンコクはチャオプラヤ川下流の低地にあるため,
雨季には川がはんらんすることがしばしばある。
コンクリートづくりの住居に混じって木造の高床式の住居も見られる。
高床式になっているのは川の増水に備えるためである。

 世界の食事



米が主食になっているのは,
アジア(日本,中国南部,東南アジア,インド東部など)の雨が多い地域である。
炊いて食べるほかに,ベトナムのフォーのように粉にしてめんにして食べることもある。

小麦は,ヨーロッパ,北アメリカ,中国北部などで,
粉にしてパンやめん(イタリアのパスタ,インドのチャパティなど)にして食べられる。

とうもろこしはメキシコなどで粉を練ってのばしたものを焼いたトルティーヤとして食べている。

いも類は南太平洋の熱帯の島々ではヤムいも,
南アメリカではじゃがいもなどが食べられている。

 世界の住居



① 地中海沿岸は石の家が特徴的である。強い日ざしを白い壁で反射させている。
② 西アジアや北アフリカの乾燥帯では木材が手に入らないため,日干しれんがを使っている。
 外の暑い空気を防ぐために窓を小さくしている。
 また,雨がほとんど降らないため屋根は平らになっている。
③ 中央アジアのモンゴルではゲルという住居が特徴的である。
 木の骨組みに,家畜の毛で作ったフェルトのキャンバスをはってある。
 家畜のえさとなる草を求めて移動する遊牧生活に適するように,組み立て式になっている。
④ 東南アジアの赤道直下の地域では竹とやしの葉を使った高床式の家が多い。
 1年じゅう高温で,雨が多い地域にあるため床を高くして湿気を防ぎ,風通しをよくしている。
⑤ カナダやロシアのシベリアなどの針葉樹林帯では,丸太作りの家が特徴的である。
⑥ 雪と氷に閉ざされた寒帯で生活するイヌイットは,
 雪のブロックや氷でイグルーという簡易住居を作る。

 家の材料

A 木 B 土 C 石




 世界の衣服


 [要点-世界の宗教]
 
 

 (仏教) 
 
シャカが開いた宗教で,僧侶が信者に対し救済の道を説き,厳しい修行を行う。

 (キリスト教) 
 
イエスが開いた宗教で,教典は聖書である。
キリスト教は,カトリック(ヨーロッパ南部など),プロテスタント(ヨーロッパ北部など),正教会(ロシアなど)の3つに分かれている。
信者は日曜日に教会に礼拝に行く

 (イスラム教) 
 
7世紀にムハンマドがはじめた。
アラーを絶対神とし教典コーランである。
1日5回,メッカのカーバ神殿に向かって礼拝する。
寺院はモスクという。
豚肉を食べたり,酒を飲んだりすることは禁じられている
また,ラマダンという断食月がある。

 (ヒンドゥー教) 
 
インドの国民的宗教で,ガンジス川を聖なる川として,巡礼者はその川で沐浴をして身を清める。
牛を神の使いと考え,牛肉を食べない。


 宗教
 


世界の三大宗教は,キリスト教,イスラム教,仏教である。
そのほかにヒンドゥー教などがある。
仏教は紀元前6世紀ごろのインドでシャカが始め,その後,中国や東南アジアに伝わった。
しかし,インドでは仏教はおとろえ,ヒンドゥー教が中心となっている。

イスラム教は,610年にアラビア半島の商人ムハンマドが始めた宗教である。
ムハンマドはアラビア半島を統一し,さらにその後継者たちが西は北アフリカから,
西アジアや中央アジアにまでいたる巨大なイスラム帝国をつくった。
さらに,イスラム商人によって東南アジアの一部(インドネシア,マレーシアなど)に伝えられた。

キリスト教はイエスがユダヤ教をもとにはじめた宗教である。
ヨーロッパやロシアで信仰されている。
地理上の発見の後,ヨーロッパ人は南アメリカ,北アメリカに進出し,キリスト教をもちこんだ。
また,イギリスの植民地となったオセアニアにもキリスト教が広まった。

 各宗教の特徴-ヒンドゥー教
 


世界の三大宗教は,キリスト教,イスラム教,仏教である。
ヒンドゥー教やユダヤ教は特定の民族や地域で信仰されているため,三大宗教にはいらない。
インドでは,ヒンドゥー教が信仰されている。
カーストといわれる身分制度とつながりが深い。
ヒンドゥー教徒は,牛を神の使いと考え牛肉を食べない。
また,ガンジス川は聖なる川とされ,
人々が水に身をひたして沐浴(体を清め罪を流し去ること)を行う。

 仏教



世界三大宗教の1つであるは,インドでシャカが紀元前6世紀ごろに始めた。
教典は経である。
仏教が信仰されているのは,タイなど東南アジアの一部,中国,日本である。
タイでは,町をめぐって食べ物などを受け取る托鉢が,僧の修行として行われる。

 イスラム教



イスラム教は北アフリカ,西アジア,中央アジアなどで信仰されている。
イスラム教の教典はコーランで,アラー(アッラー)を唯一の神としている。
イスラム教では,豚肉を食べたり,酒を飲んだりすることは禁じられている。
信者は,金曜日に各地にあるモスクという寺院に礼拝に行く。
また,1日5回メッカに向かって礼拝をする。
さらに,イスラム暦の9月(ラマダン)になると約1か月の間,
日の出から日没までまったく飲食をしない断食を行う。

 キリスト教



キリスト教はイエスがユダヤ教をもとにはじめた宗教である。
教典は聖書である。
ヨーロッパ,ロシア,南北アメリカなどで信仰されている。
カトリック・プロテスタント・正教会の3つに大きく分けられる。
信者は日曜日に教会に礼拝に行く。

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 アジア
 [要点-アジア州]
 
aはヒマラヤ山脈,bはチベット高原,cは長江,dは黄河,eはインダス川,fはアラビア半島

季節風(モンスーン):夏と冬で風向が逆になる。
図のように海方向から吹く季節は夏で,東南アジアなどでは雨季になる。


台湾や韓国:コンピューターや半導体などのハイテク産業が盛ん,アジアNIESの一員
アジアは世界人口約6割をしめる。中国は最近まで一人っ子政策→人口の増加率が減少→2020年代にはインドの人口が中国の人口を上回ると予想されている。

中国の農業:長江流域以南で稲作,黄河流域などでは小麦や大豆などの畑作
中国人の9割が漢族(漢民族)で,それ以外の少数民族は西部で生活(農業は牧畜が中心)
中国は1980年代に経済特区を設けた→安くて豊富な労働力にひかれて外国資本が流入→沿岸部を中心に発展,沿岸部と内陸部の経済格差が拡大→「西部大開発

東南アジアの文化:中国やインドの影響を受けている。
華人という中国系も多い。
宗教も,仏教(タイなど),イスラム教(インドネシアやマレーシア),ヒンドゥー教,キリスト教(フィリピン)と入り交じっている
米の輸出が世界一のタイなどでは,年に2回米を作る二期作が行われている
プランテーション(大規模な農園):パーム油の原料となるアブラやし
日本に輸出するためのえびの養殖場の開発→熱帯雨林の減少
ASEAN(東南アジア諸国連合)の国々:工業団地を整備。
安い労働力にひかれて多くの日本企業が進出。
急激な都市化→スラムと呼ばれる劣悪な住環境などの都市問題

インド:英語,数学の教育水準の高さ→情報技術産業(IT産業)(中心都市はバンガロール)
農業の中心はガンジス川流域のヒンドスタン平野(下流域では,上流域では小麦)

西アジア:アラビア語を使うアラブ系,人口のほとんどはイスラム教徒
ペルシャ湾沿岸で石油を産出。産油国は,OPEC(石油輸出国機構)を結成
中央アジア:シルクロードの歴史遺産,レアメタル(希少金属)を産出

 アジア州-地形

①アジアの中央には8000mをこえるヒマラヤ山脈がそびえ,
その北側には「世界の屋根」ともいわれるチベット高原が広がっている。
それらの山地から,東には長江,黄河,
西にはインダス川,南にはメコン川などの大河川が流れ出ている。




②ユーラシア大陸に位置するアジア州をとりまく大洋は,太平洋とインド洋である。
海に突き出た半島としては,アラビア半島やインドシナ半島などがある。



③赤道は南アメリカ大陸のアマゾン川流域,アフリカ大陸のギニア湾,
東南アジアのシンガポール付近を通っている。



 国名


 アジアの区分



アジア州は,東アジア,東南アジア,南アジア,西アジア,
中央アジア,シベリア地方に区分される。

 季節風





アジアの東部と南部では,上の図のように,半年ごとに風向きが逆になる。
この風を季節風(モンスーン)という。
インドシナ半島やインド半島では,
夏は海からの湿った季節風がふくため雨量が多い(雨季)。
冬は,大陸から乾燥した季節風がふくため雨量が少ない(乾季)。

 雨温図







赤道はシンガポール付近を通っている。
赤道周辺は年間を通して気温が高い熱帯の気候である。
とくに,シンガポール(C)のように赤道直下にあるところでは
1年じゅう雨が多い熱帯雨林気候になる。

インドのコルカタ(D)も熱帯であるが,雨季と乾季のあるサバナ気候になっている。
西アジア(リヤド,カラチ),中央アジア(ウランバートル(A))は乾燥帯になっている。
日本や中国(シャンハイ(B))などの東アジアは温帯になっているところが多い。

次にア~エの雨温図がどの気候帯を示しているか考えよう。
エは年間降水量が極端に少ないことから乾燥帯で,Aのウランバートルのものだとわかる。

アとイは最寒月の気温が18℃以上なので熱帯と判断できる。
その中のアは年中雨が多いので赤道直下の熱帯雨林気候で,
Cのシンガポールの雨温図であると判断できる。

イは雨の降る時期(雨季)と雨の少ない時期(乾季)があるので,熱帯のサバナ気候で,
Dのコルカタの雨温図と判断できる。

雨温図ウは最寒月の気温が-3℃~18℃の間に入っているので温帯で,
Bのシャンハイのものだとわかる。

 人口
 


アジアは人口が多く,世界人口(70億人)の約6割の42億人が住んでいる。(2011年) 
アジアの中でも,農業がさかんな東アジアや南アジアの平野部の人口密度が高い。
世界の中で人口が10億人をこえるのは,
中国(13.5億人で世界1位)とインド(12.4億人で世界2位)の2国のみである。
(3位はアメリカ合衆国で3.1億人) (2011年)
インドは出生率(しゅっせいりつ)が高く,
2030年ごろに中国をぬいて世界1位になると予測されている。
(統計出典)「世界国勢図会2012/2013」P24

 中国の人口
 


1949年の建国時に5億人台であった中国の人口は増加を続け,
1970年には8億人を越え,2011年現在の人口は13.5億人になった。
人口増加を抑えるために,
中国政府は,1979年に1夫婦に子どもは1人という一人っ子政策を始めた。
この政策は一定の効果をあげ,人口増加率は低下してきている。
しかし,一人っ子は家庭の中で過保護に育てられる傾向があり,
「小皇帝)」とよばれ中国の社会問題の1つになっている。
一人っ子政策をとっている中国の人口増加率が下がっているのに対し,
インドは出生率が高く人口増加率も高いため,
2030年ごろには中国よりも人口が多くなると予測されている。

 民族
 


アジアには,多様な文化や宗教が入り交りさまざまな民族がくらしている国がある。
こうした国を多民族国家という。
例えば,中国では人口の9割以上をしめる漢族(漢民族)のほかに,
55の少数民族がくらしている。
また,マレーシアは先住のマレー人や,中国系の華人,インド系の人々からなり,
スラム教,仏教,ヒンドゥー教,キリスト教など多くの宗教が信仰されている。
なお,華人とは移住先の国籍をもつ中国系の人々で,
中国国籍をもったまま移住した華僑と区別される。

 宗教
 

 

仏教は紀元前6世紀ごろのインドでシャカが始め,
その後,中国や東南アジア(タイ,ミャンマーなど)に伝わった。
しかし,インドでは仏教はおとろえ,ヒンドゥー教が中心となっている。

イスラム教は7世紀にムハンマドが始めた宗教で,
西アジアから北アフリカにかけて広がった。
さらに,イスラム商人によって東南アジアの一部
(インドネシア,マレーシアなど)に伝えられた。

地理上の発見と宗教改革の後,スペインとポルトガルはアジアへも進出し,
宣教師がキリスト教を伝え,とくに,フィリピンで勢力をのばした。

 農業
 
①東アジアから南アジアにかけての平野部は,
季節風(モンスーン)の影響で降水量が多く,
稲作(いなさく)が行われている。
中国では長江流域やそれより南,
東南アジアではタイ,ベトナム,ミャンマーなど,
インドでは東部(ガンジス川流域)などで稲作がさかんである。



②東南アジアでは,年に2回米を収穫する二期作が行われている。
1970年代に,南アジアや東南アジアでは,
かんがい設備の整備などで米の増産が進んだ。



③東アジアから南アジアにかけての平野部は,
季節風(モンスーン)の影響で降水量が多いため稲作がさかんである。

中国北部やインド西部など降水量があまり多くない地域では
畑作(小麦,綿花など)がおこなわれている。

西アジア,中央アジア,中国西部などの乾燥地帯では,
羊などの遊牧がおこなわれている。
ただし,地下水や大きな川の水が利用できるオアシスでは,
なつめやしや小麦などを栽培している。

サウジアラビアでは,
地下水をくみあげてセンターピボット(下図)で散水する農業もおこなわれている。

 

 インドの農業



インドの農業分布は,降水量と密接な関係がある。
米は年降水量1000mm以上の地域(ガンジス川流域など)で多く生産されている。
降水量が500mm~1000mmの地域(インダス川流域など)では,
乾燥した気候に適した小麦の栽培が行われている。
デカン高原では綿花の栽培がさかんである。
アッサム地方やスリランカでは茶の栽培がさかんである。

 中国の経済成長

①中国は,日本やアメリカなどの先進国から資金と技術を導入して工業の発展をはかるため,
1979年にシェンチェンやアモイなどを経済特区に指定した。
日本やアメリカの企業にとって,
労働者の賃金が安くかつ労働力が豊富である中国へ進出する利益が大きかったので,
あいついで進出を行った。
(現在は,経済成長で豊かになった中国国内向けの工業製品を生産するために
進出する外国企業も増えている。)
 
指定された地区はいずれも沿海部である。
これは,沿海部のほうが,原料等の輸入や製品の輸出にかかる輸送費用が
安くてすむためである。(陸上輸送の費用は海上輸送費用よりはるかに高い) 
その後,沿海部を中心に工業化,経済成長が進んだ。



②中国の首都であるペキンでは,ハイテク産業(先端技術産業)や
情報技術産業(IT産業)が発達している。
ハイテク産業(先端技術産業)とは,コンピューターなどの電子機器,
ロボットのような工作機械,ニューセラミックスのような新しい素材を生産する,
高度な知識と技術にもとづく産業である。
情報技術産業(IT産業)とは,
携帯電話やコンピューターなどの機器や通信サービスなどにかかわる産業である。



 中国国内の経済問題



外資導入などの改革開放政策により,1990年代から,中国は高い経済成長を続け,
現在では「世界の工場」を自負するまでになっている。

しかし,経済成長の中心は沿海部の都市で,内陸部,とくに農村は貧しいままになっている。
沿海部都市と農村部の経済格差は拡大し続けており,農民の不満は深刻な問題になっている。
内陸部の農村と沿海部の都市では所得の格差があるため,
農村から都市へ出かせぎへ行く人が増えている。
しかし,中国では建国以来の戸籍制度で,農村から都市への移住を厳しく制限してきた。

現在でも,例えば,農民が都市へ移住した場合,
戸籍を移せないために,子どもを小学校に入れてくれない,
社会保障を受けられないなどの不利益を受ける。
また,都市の戸籍をもたないことを理由に,給料の安い働き場所しかないなどの問題がある。

また,急激な経済成長と営利第一の考え方により,
大気汚染や河川などの水質汚濁などの環境問題が深刻化している。

 インドの経済成長



インドでは,バンガロールを中心に情報技術産業(IT産業),中でもソフトウェア産業ののびが著しい。
インドはもともと数学の教育に力を入れており,
コンピューター教育もさかんで,英語が堪能な人材が多い。
当初はアメリカなどへ技術者が渡り,ソフトウェアの開発にたずさわっていたが,
現在は国内での生産が中心になっている。

アメリカとは約12時間の時差があるので,あるソフトウェアを共同で開発し,
例えば,アメリカのプログラマーが仕事を終える時間に
作業データをインターネットでインドのプログラマーに送り,
引き継いだインドのプログラマーがさらに作業を進め,
仕事の終わる時間にアメリカのプログラマーへ送り返す。
このようにして24時間体制でコンピューターソフトの開発が可能となっている。

 東南アジアの変化
 


かつて東南アジア各国はイギリス,フランス,オランダなどのヨーロッパの国の植民地であった。
ヨーロッパ人は,その地域の自然条件にあった単一の農作物(天然ゴムなど)を,
プランテーションという大農園で栽培し,ヨーロッパなどに輸出した。

その結果,天然ゴムなどの単一の商品作物の輸出がその国の経済を支えるモノカルチャー経済になった。
モノカルチャー経済は,天候や景気により価格が大きく変動するため,
輸出品の種類が少ないと毎年安定した収入を得ることができないという問題をかかえている。

天然ゴムの生産(2009年):1位 タイ(30.9%),2位 インドネシア(27.2%),
3位 マレーシア(9.1%),4位 インド(8.1%)

合成ゴムの普及によって天然ゴムの価格が下がり,
栽培する樹木を天然ゴムから油やしに変えるところがふえてきている
(油やしからとれるパーム油はマーガリンや石けんの原料になる)。
(統計修正)「世界国勢図会2012/2013」P301

 ASEAN
 


ASEAN(アセアン)(東南アジア諸国連合)は,
1967年に結成され,経済・政治等の分野の地域協力を行っている。

 アジアNIES
 


近年急速に工業が発達した国や地域をNIES(ニーズ)という。
NIESは,Newly(新興),Industrializing(工業化),Economics(経済地域)の頭文字をとったもので,
「新興工業経済地域」の略称である。
NIESにふくまれる国・地域は,韓国,台湾,ホンコン,シンガポール,メキシコ,ブラジル,
ギリシャ,ポルトガル,スペイン,ユーゴスラビアである。
このうち,アジアにある韓国,台湾,ホンコン,シンガポールをアジアNIES(アジアニーズ)とよんでいる。

 アジアの賃金
 


近年,東南アジアや中国などに,日本企業などの外国企業が進出している。
これは,日本と比べて労働者の賃金がはるかに安いためである。
家電製品,自動車,冷凍食品などをつくる日本企業が,
アジアの国々に工場を建設して日本向けの製品を生産している。
さらに,アジア各国で経済が発展すると,
これらの国々向けの製品を生産するために,日本から進出する企業も増えている。
タイやマレーシアなどの工業が発達してきた国々では,
工業団地をつくって外国の企業を積極的に受け入れる政策をとっている。

 マレーシア,タイ,インドネシアの最近の輸出品
 
下のグラフからもわかるように,
かつて,マレーシア,タイ,インドネシアなどの輸出の中心は,
鉱産資源(石油,すずなど)や農産品(天然ゴム,米など)が中心であった。
しかし,工業化が進み,現在では,機械類などの工業製品が輸出の中心になった。







 タイ,インドネシア,マレーシアの農村



タイ,インドネシア,マレーシアなどでは,
農業の機械化が進んで農村で人手が余るようになった。
都市部では工業化が進んだため,
働く場を求めて多くの若者が農村から都市へ出て行くようになった。
その結果,1次産業の人口割合が減少して2次産業や3次産業の人口割合が増加している。
都市の人口が急増し都市圏が拡大したことにより,
激しい交通渋滞やスラムとよばれる劣悪な住環境などの都市問題が起きている。

 西アジア

 


①世界の石油埋蔵量の約半分は,ペルシャ湾沿岸を中心とする一帯に集中している。
また,石油の生産量・輸出量ともにペルシャ湾沿岸の産油国が大きな割合を占めている。
日本の石油輸入の約8割はペルシャ湾沿岸の国々からである。
その中でも多いのが,サウジアラビアである。
サウジアラビアはロシアに次ぐ世界第2位の産油国(2011年)であり,
石油埋蔵量は世界1位である。
(統計修正)「日本国勢図会2012/2013」P123,314,315



②かつて,西アジアの油田を開発したのは,
メジャーとよばれるアメリカやイギリスなどの石油会社であった。
メジャーは産油国に対してわずかな利権料を支払うだけであったので,
産油国は貧しいままの状態に置かれていた。
そこで,産油国はメジャーとの石油価格の交渉を有利に進めるため,
1960年にOPEC(石油輸出国機構)を結成し,
70年代になると,石油産業の国有化や,価格引き上げをおこなうようになった。
1973年,イスラエルとアラブ諸国の間で第四次中東戦争がおこった。
アラブ諸国は,イスラエルを支持する先進国に対抗するため,
石油の輸出を制限し,その価格を大きく引き上げた。
石油価格の高騰によって,ヨーロッパ諸国や日本では物価が高騰し,
経済が混乱して世界的な不況にみまわれた。
これを石油危機という。

 中央アジア



中央アジアでは,世界的に埋蔵量が少なく貴重な希少金属(レアメタル)が産出される。
また,中央アジアには,
中国とヨーロッパを結んだ古代の交易路(シルクロード)の歴史遺産が多く,
観光客が増えている。

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 ヨーロッパ
 [要点-ヨーロッパ州]
 
 

Aのアルプス山脈から流れ出るBはライン川で,Cのドナウ川とともに複数の国をまたがって流れる国際河川である。
Dは大西洋,Eは地中海,Fは北海
Gのスカンディナビア半島西部の海岸は,氷河によって作られたフィヨルドという地形

 

暖流の北大西洋海流(図P)と偏西風(図Q)が寒さをやわらげている→高緯度のわりには温暖
アの一帯は地中海性気候(雨温図は②),イは西岸海洋性気候(雨温図は①),ウは冷帯(雨温図は③)

フランスやイタリアなど:ラテン系言語,キリスト教の信者はカトリックが多い。
ドイツやイギリスなど:ゲルマン系言語,キリスト教の信者はプロテスタントが多い。
東ヨーロッパやロシア:スラブ系言語,キリスト教の信者は正教会が多い。

 

農業:地中海式農業(a),混合農業(b),酪農(c)

1993年にヨーロッパ連合(EU)が発足し,2002年には共通通貨ユーロが導入された。
現在の加盟国数は28か国
EU内では,パスポートなしで自由に国境をこえて移動することが可能で,域内では輸入品に関税がかからない
交通網:ユーロスター(ロンドンとパリを結ぶ。ユーロトンネル),ドイツのICE
EUの課題:西ヨーロッパに比べ,後からEUに加盟した東ヨーロッパの一人あたり国民総所得(GNI)が少ないという経済格差の問題

ロシア連邦ウラル山脈をはさんでヨーロッパとアジアに広がる国で,面積は日本の約45倍で,人口は約1.4億人である。
大量の石油・天然ガスパイプラインという輸送管でヨーロッパ諸国に輸出

 地形

①アルプス山脈はスイスとイタリアの国境に位置している。
ライン川はアルプス山脈に源を発し,ドイツなど6か国を通っており,
ヨーロッパの水上交通の大動脈になっている。
ライン川のように複数の国をまたがって流れる川を国際河川という。
ドナウ川も国際河川である。




②ヨーロッパをとりまく海としては,
三大洋の1つである大西洋,ヨーロッパ州とアフリカ州に囲まれた地中海,
北海油田がある北海などがある。
半島としては,スカンディナビア半島,イベリア半島などがある。



③スカンディナビア半島西部のノルウェーの海岸部は入りくんだ地形になっている。
これは氷河によってけずられた谷の奥深くまで海水が入りこんでできた海岸線である。
このような地形をフィヨルドという。



 ヨーロッパの気候



秋田県の大潟村(おおがたむら)の上を通る北緯40度の緯線は,
ヨーロッパでは地中海の上を通っている。
上図からわかるように,フランス南部は北海道と同緯度にあり,
イギリスはさらにその北にある。
(北海道は冷帯であるが,フランスやイギリスは温帯である)

このように,ヨーロッパは緯度が高い割には,温暖であるが,
それは海流と風が原因になっている。
大西洋を南から北に流れる暖流の北大西洋海流の上を,
1年中西から吹いてくる偏西風が海流に暖められた空気を運んでくるので,
高緯度にもかかわらず暖かく,1年を通じて気温や降水量の変化が少ない。
このような気候を西岸海洋性気候という。

(温帯は,西岸海洋性気候,地中海性気候,温帯湿潤気候(温暖湿潤気候)の3つに分類される)

 地中海性気候



地中海沿岸の気候は,温帯の中の地中海性気候である。
上のローマの雨温図を見ると,夏(7月ごろ)の雨量が極端に少ないことがわかる。
夏は高温で乾燥し,冬は比較的雨が多いことが地中海性気候の特徴である。
これに対し,西岸海洋性気候は1年中平均して雨が降る。

 各国





 民族



ヨーロッパの民族は,使用している言語によって次の3つに分類される。
・ラテン系民族(ラテン系言語):フランス,イタリア,スペイン,ポルトガルなど
・ゲルマン系民族(ゲルマン系言語):イギリス,ドイツ,北欧など
・スラブ系民族(スラブ系言語):ロシア,東ヨーロッパ諸国

ベルギーやスイスは自分の国の言葉を持たず,フランス語やドイツ語などを使用している。
それらの言葉を母語(母国語)ではなく,公用語とよぶ。

 宗教
 


ヨーロッパやロシアではキリスト教が信仰されている。
キリスト教は,3つの宗派に分かれている。

ローマ教皇を頂点とする
カトリックは,
タリア,フランス,スペインなどラテン系民族の国々に広がっている。

ドイツのルターの宗教改革(16世紀)によって,
カトリックから分かれた
プロテスタントは,
ドイツ,イギリス,北欧などゲルマン系民族の国々に広がっている。

ロシア連邦,ギリシャ,東ヨーロッパなどスラブ系民族の国々などでは
正教会が中心である。

 農業
 
①アルプス山脈より南の地中海沿岸は,地中海性気候で夏の降水量が少ない。
このため,夏には乾燥に強いオリーブ・オレンジ・ぶどうなどの果樹を栽培し,
温暖で雨の多い冬には小麦を栽培する地中海式農業が行われている。
地中海式農業が行われているイタリアでは,
パスタやピザといった,小麦やオリーブオイルを使った料理が食べられている。
ワインの原料になるぶどうは,イタリア,フランス,スペインで多く生産されている。



②フランス・ドイツ・東ヨーロッパなどヨーロッパの大部分では混合農業が行われている。
混合農業は,小麦などの穀物栽培,家畜のえさになる飼料作物の栽培,
豚や牛などの家畜の飼育を組み合わせた農業である。

穀物と飼料作物を3~7年周期で交互に輪作するが,
輪作を行うのは,同じ作物を連続して栽培すると地力が落ちて収穫が減るためである。
フランスは,EU域内の最大の農業国で,小麦の生産が多く,EU各国に輸出している。



③ヨーロッパの農業は,アルプス山脈より南の地中海式農業,
アルプス山脈より北のヨーロッパの大部分で行われている混合農業,
そして,酪農の3つに分けることができる。

酪農は,冷涼で穀物栽培に適さないヨーロッパ北部のオランダ・
デンマーク・イギリスなどで行われ,乳牛などを飼育して,
生乳やバター,チーズなどの乳製品を生産する農業である。

オランダは国土の約4分の1をポルダーという干拓地がしめ,
酪農のほか花の栽培もさかんである。

なお,スイスではアルプス山脈の気候を利用して
移牧という方法でやぎや羊などの牧畜を行っている。



 EUの発足
 




①第二次世界大戦の戦場となったヨーロッパの多くの国々は国力が弱体化した。
また,ヨーロッパの国々は面積や人口規模が小さく,
アメリカなどの大国との競争に勝てないと考えた。

そこで,国境をはさんで存在する石炭や鉄鉱石を共同で使い,
国家のわくをこえて経済的に協力する動きが起こった。
1958年にヨーロッパ経済共同体(EEC),1967年にヨーロッパ共同体(EC),
さらに,1993年にヨーロッパ連合(EU)を結成した。
その目的は,政治・経済の面でアメリカ合衆国などの大国に対抗するためと,
二度とヨーロッパで戦争を起こさないようにするためである。

ヨーロッパの大半はキリスト教を中心にした同質の文化圏であるにもかかわらず,
中世以来,血なまぐさい戦争を繰り返してきた。
(例えば17世紀におこった三十年戦争では,ドイツの人口の3分の1が犠牲になったといわれている) 
20世紀には,2度にわたる世界大戦の舞台となり,おびただしい犠牲者を出した。
ヨーロッパが数々の困難をのりこえて経済的・政治的な統合をはかろうとするのは,
互いの手を縛り合って,戦争をできないようにするためであると考えられる。

EU加盟国は28か国(2014年現在)で,
上図に示すように,人口は約5.0億人でアメリカ合衆国の3.1億人をこえ,
GDP総額もアメリカ合衆国を上回っている。

②2013年1月現在のEU加盟国は28か国である。
未加盟国としてはスイス,ノルウェーなどがある。

 EUの工業

①ヨーロッパ最大の工業国はドイツである。
その代表的な工業地域の1つはルール工業地域で,
石炭,鉄鉱石,ライン川の水運にめぐまれて,
戦後,鉄鋼業などの重工業が発達した。
しかし,1970年以降,鉄鋼業などはじょじょにおとろえている。
しかし,ミュンヘンではハイテク産業(先端技術産業)が成長している。
また,ドイツでは,自動車産業も発達している。
ライン川は,アルプス山脈から流れ出て北海にそそぎ,
どの国の船も自由に航行できる国際河川である。
ライン川の河口の国はオランダで,ユーロポートは国際的な貿易港になっている。
北海油田は1960年から開発が進められ,
これによってイギリスやノルウェーは産油国になった。



②航空機産業については,アメリカ合衆国などに対抗するために,
EU各国は,国境をこえて協力し共同で生産を行っている。
航空機の開発にはばく大な費用がかかり,
ヨーロッパの既存の各社が単独では,
アメリカの航空機メーカーに対抗できなくなったためである。
EU各国が,下図のように,各部分ごとに生産を分担し,
フランスで組み立てを行っている。



 EUの統合と人々の生活
 



人やものが国境をこえて移動するときには,通常ではパスポートが必要で,
出入国の手続きが行われたり,輸入品に関税がかかったりするなど,
さまざまな制限がある。

EUでは,そのような制限を取りはらった。
すなわち,EU内では,パスポートなしに自由に国境を通過でき,
EU内では関税もかからない。
さらに,2002年には共通通貨のユーロが導入され,EUの経済統合が進められている。
(ただし,イギリスやデンマークなどユーロを導入しないで独自の通貨を使っている国もある)。

これによって,国境をこえて買い物や通勤をする人や旅行をする人が増えている。
例えば,賃金の高いルクセンブルクに通勤するフランス人が増えている。
食料品をもとめて国境をこえてフランスで買い物をするドイツ人もいる。
人々はEU内のどこでも,国内と同じように居住し,働くことができるので,
EU内での労働者の移動も多くなっている。
仕事の資格はEU内で共通である。
他国の大学で授業を受けても卒業資格を取得できる。
また,電気製品などの規格も同じなので,他国でも,そのまま使うことができる。
ただし,完全に1つの国になったわけではないので,
例えば,福祉サービスは国によって異なる。

 ユーロスター



EUによる統合がすすむ中で,人々の移動を支える交通網も整備されてきている。
イギリスの首都ロンドンとフランスの首都パリを結ぶユーロスターという
高速鉄道が運用されている。
ユーロスターは,ドーバー海峡に掘られたユーロトンネルを通っている。

 EUの課題

 

①EUによる統合が進む中で大きな課題になっているのは,
 EU加盟国の間の経済格差である。
 1人あたりの国民所得が大きいのは,
 以前からの西ヨーロッパの加盟国(イギリス,ドイツ,フランス,イタリアなど)である。
 これに対し,2004年以降に加盟した東ヨーロッパ諸国の1人あたりの国民所得は小さい。
 1人あたりの国民所得は,EU加盟国間で10倍以上の差がある。
 政治面では,各国の意見の調整に時間がかかるようになったという問題がある。

②賃金が安く製品を安く生産できる東ヨーロッパに工場を移転する
 西ヨーロッパの企業が増えている。
 これは,結果として,EU内の経済格差を解消させていくのに役立つ。

 ロシア連邦



1991年に解体したソビエト連邦の大部分をしめるのはロシア連邦である。
ロシア連邦は,ウラル山脈をはさんでヨーロッパとアジアに広がる国で,
国土面積は日本の45倍もある。
人口は約1.4億人で,その多くは首都モスクワを中心とした西部に住んでいる。

ソビエト連邦崩壊後,
経済は大混乱し物価が数百倍になるようなハイパーインフレーションがおこった。
生活物資も不足するなどロシア経済は低迷した。
これを救ったのが,2000年以降の石油価格の急上昇である。
石油や天然ガスの輸出量も増大し,ロシア経済は復活した。

現在,ロシア連邦は世界一の産油国で,天然ガスの生産高も世界一である。
ロシア連邦は大量の石油・天然ガスをパイプラインでヨーロッパ諸国に輸出している。
また,シベリアには,タイガという針葉樹の森林があり,
木材をヨーロッパ諸国に輸出している。

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 南北アメリカ
 [要点-北アメリカ州]
 
 

図1のA国はアメリカ合衆国で首都はワシントン
B国はカナダで首都はオタワ英語の他にフランス語も公用語
Cはメキシコで,スペイン語が使われている。
A,B,Cの3国で結ばれた自由貿易協定はNAFTA
ヨーロッパからの移民先住民の土地をうばいながら開拓
アフリカ大陸から黒人が奴隷として連れて来られた
近年,メキシコや西インド諸島などスペイン語を話すヒスパニックという移民が増加

 

図2のDはロッキー山脈で,その東には,グレートプレーンズ(A),プレーリー(B)が広がっている。
中央平原(C)を流れるGはミシシッピ川で,五大湖(F)とともに重要な内陸水路
Eはアパラチア山脈
Hのメキシコ湾岸から,Iのフロリダ半島などをおそう熱帯低気圧をハリケーンという

  
アメリカの農業:企業的な農業(広い農地,大型の農業機械)
遺伝子レベルで品種を改良するバイオテクノロジーもさかん
適地適作:各地域の自然環境に適した農業
図3のAは小麦,Bでは綿花,Cではとうもろこしと大豆
Cでは,フィードロットという飼育方法,Dは酪農地帯
XYは西経100度の線で年間降水量500mmの線と重なる
右図のように散水するセンターピボット方式のかんがい
XYより西の乾燥した地域では牛の放牧が行われている。

 

図4のAは鉄鉱石,Bは石炭,Cは石油の分布
Xのピッツバーグでは鉄鋼業,Yのデトロイトでは自動車工業が発展。
PQの北緯37度より南のサンベルトでは,情報技術(IT)産業などが発達。
とくに,サンフランシスコの南にあるシリコンバレーでは多くの会社が集まっている。
アメリカには世界に事務所や工場をもつ多国籍企業がある
アメリカから世界に広がった文化:マグドナルドのようなファストフード,ジャズ

 北アメリカ州-地形

①ロッキー山脈は,環太平洋造山帯に属するけわしい山脈である。
アパラチア山脈はなだらかな山脈で,付近で石炭を産出する。
中央平原を流れるミシシッピ川は重要な内陸水路になっている。



②ロッキー山脈の東にはグレートプレーンズという乾燥した大平原が広がり,
さらに東には,やや雨の多いプレーリーという大草原が広がっている。

五大湖と中央平原を流れるミシシッピ川とセントローレンス川は
重要な内陸水路になっている。
フロリダ半島は,亜熱帯や熱帯の気候である。



 人種・文化





①北アメリカにはもともとネイティブアメリカンとよばれる先住民が住んでいた。
(アメリカ大陸の先住民は,中南米ではインディオ,
北アメリカではインディアンとよばれていた。
最近では,「インディアン」というよび方が差別に結びつくということで,
ネイティブアメリカンとよばれるようになった。
エスキモーもネイティブアメリカンにふくまれる)

15世紀末にコロンブスがアメリカ大陸を発見したが,
17世紀以降,ヨーロッパ北西部やイベリア半島からやってきたイギリスなどの
ヨーロッパ系の移民は先住民の土地をうばいながら開拓を進めていった。
その際に本国の文化を持ちこんだため,
アメリカでは英語が,カナダでは英語とフランス語が,
そのほかの地域ではスペイン語が使われている。
宗教では多くの人がキリスト教を信仰している。

アフリカ系住民は,かつて,南部の綿花農場の労働力として,
アフリカ大陸から奴隷として連れてこられた黒人の子孫である。
メキシコ・プエルトリコ・キューバ出身のスペイン語系のアメリカ人を
ヒスパニックという。
1970年代から増加し,現在も人口増加率が高い。
なかには不法に国境をこえて入国する人もいる。
アメリカの労働力の不足をおぎなう反面,安い賃金でも働くため,
それまでいた人が仕事を奪われるという問題もある。
また,独自の文化とスペイン語という共通言語をもち,
グループとして生活しているため,
英語を学ばず,アメリカの文化や政治に同化しようとしない傾向が見られる。

②アメリカ合衆国のように多くの人種・民族によって構成されている国家を
多民族国家という。
かつては,さまざまな人種が1つのアメリカ人として溶け合うという意味で
「人種のるつぼ」という言葉が使われたが,
最近では,それぞれの特色をもちつつアメリカ人として統合されるという意味で
「人種のサラダボウル」とよばれるようになった。



 カナダ



カナダは,世界で2番目に国土面積が広い国である。
首都はオタワである。
カナダはイギリス系移民とフランス系移民の対立が現在も残っている。
とくに,ケベック州はフランス系の人々が多く暮らしており,
独立の動きがある。
日本は,カナダから石炭,なたね,肉類,木材,銅鉱などを輸入している。
とくに,木材の輸入はカナダからのものがもっとも多い。

 北アメリカ州



北アメリカ州に属する国の数は23か国である。
アメリカ合衆国は世界最大の工業国で,世界の政治・経済をリードしている。

メキシコは,かつてアステカ文明が栄えていたが,
スペイン人によって征服(せいふく)された。
メキシコや西インド諸島(カリブ海)の国々は,
かつてスペインの植民地であったため,
現在でもスペイン語が主要な言語になっている。

キューバはカリブ海の国で,たばこやさとうきびの栽培がさかんである。
パナマは国の中央部に北アメリカ州と南アメリカ州を結ぶ地峡があり,
太平洋と大西洋を結ぶパナマ運河がある。

 農業



①アメリカは日本の25倍という広大な国土をもち,
しかも国土面積の約41%は農地である。
(日本の場合,農地は国土の約12%にすぎない) 
この広い耕地で農業を行うのは,人口のわずか1.6%の農民であるため,
農民1人あたりの耕地面積は158haと非常に大きい。
(統計は2009年)(統計出典)「世界国勢図会2012/2013」P207

少ない人数で広い面積を経営するために,大型の農業機械を使う大規模な農業である。
農作物は自給用としてではなく,商品として売るために生産している。
このように,アメリカの農業は企業的な農業という特色をもっている。
また,気候や土壌にふさわしい作物を選び,
同種類の作物を大量に作る適地適作が行われているために,
農業の地域区分がはっきりしている。

②アメリカの穀物生産量は世界の約16.5%をしめている。
これは中国の20.5%についで世界第2位である。
(2010年:「世界国勢図会2012/2013」P208~211) 
アメリカの人口が約3.1億人(2011年),
中国の人口が13.5億人(2011年)で食糧自給率がおよそ100%であることを考えると,
アメリカでは国内の生産をはるかにこえる農産物が生産されているか分かる。
小麦(世界全体の2009年輸出量の14.7%)・とうもろこし(47.6%:2009年)・
だいず(49.7%:2009年)などを,世界各地に大量に輸出している。
(「世界国勢図会2012/2013」P233,245)
このようなことから,アメリカは世界の食料庫であるといわれている。
アメリカの農産物が不作になったり,値段が上がったりすると,
日本などのように,アメリカからの農産物にたよっている国は大きな影響を受けることになる。

③アメリカでは,降水量や気温などの自然条件にあった適地適作がおこなわれている。
アメリカでは西へ行くほど降水量が少なくなる。
西経100°の線は年間降水量500mmの線とほぼ重なる。
この線の付近にあるグレートプレーンズとプレーリーは世界的な小麦地帯になっている。
西経100°より西の年間降水量が500mmより少ない乾燥地帯は
放牧(ほうぼく)が中心である。
西経100°より東には,とうもろこし地帯,綿花地帯などが広がっている。




 センターピボット
 


センターピボットは乾燥地帯でみられる,
地下水を利用したかんがい方法である。
長さが400mのスプリンクラーが散水しながら動くので
円形の畑がかんがいされる。

 工業

①アメリカで古くからある工業地域は五大湖周辺にある。
五大湖の南にはアパラチア炭田(石炭),
西側にはメサビ鉄山(鉄鉱石)と鉱産資源に恵まれている。

19世紀後半ごろから,五大湖を利用してメサビの鉄鉱石を船で運び,
アパラチア炭田の石炭を使って,ピッツバーグで鉄鋼の生産が始まった。
さらに,デトロイトで,この鉄鋼を材料とする自動車工業が発達した。
このほか,シカゴはアメリカ第三の都市で,
畜産物の集散地になっており,農業機械,食品工業がさかんである。




②鉄鉱石はメサビ鉄山などで産出される。
石炭はアパラチア炭田などで産出される。
石油はメキシコ湾岸油田,カリフォルニア油田などで産出される。
ビンガムでは銅が産出される。



③20世紀後半,五大湖周辺や大西洋岸の工業は停滞した。
工業の中心は,北緯37°以南のサンベルトとよばれる地域に移動した。
気候が温暖で,土地が安く手に入り,
労働力が豊富で賃金が安いことがその理由である。

サンフランシスコ近郊のシリコンバレーでは,
コンピューターなどのハイテク産業(先端技術産業),
インターネットなどに関連した情報技術産業(IT産業)がさかんである。

アメリカ第2の都市であるロサンゼルスでは
石油化学と航空機産業がさかんである。
メキシコ湾岸の油田地帯のあるヒューストンでは
石油化学工業と航空宇宙産業がさかんである。



 NAFTA



NAFTA(北米自由貿易協定)(North American Free Trade Agreement)は,
アメリカ合衆国,カナダ,メキシコの3国で結ばれた自由貿易協定である。
カナダとメキシコの輸出の7~8割はアメリカ合衆国向けである。
また,アメリカ合衆国の輸出相手国は,
1位がカナダ(19.4%),2位がメキシコ(12.8%)である(2010年)。
この3つの国は貿易に関して関係が深い。
(統計出典)「世界国勢図会2012/2013」P330

 [要点-南アメリカ州]
 
   赤道の位置:図の

ブラジル(X国):流域面積が世界一のアマゾン川(図のA)が流れ,その流域にはセルバ(図のB)という熱帯雨林が広がる。

アルゼンチン(Y国):ラプラタ川流域のCにはパンパという温帯草原が広がっており,小麦の栽培や,牛などの牧畜がさかん。

図のDはアンデス山脈

南アメリカの先住民はインディオ
図のE一帯には,かつて,インカ帝国(マチュピチュという「空中都市」の遺跡で有名である)が栄えていたが,16世紀にスペイン人によって滅ぼされた。
南アメリカで,スペイン語ポルトガル語(ブラジル)が公用語として使われ,キリスト教が信仰(しんこう)されているのは,植民地時代のなごり。
アフリカ大陸から黒人が奴隷として連れてこられた。
南アメリカでは,先住民と白人の間で混血が進んが,この混血者をメスチソという。

かつて,ブラジルの最大の輸出品はコーヒー→現在では大豆の輸出が多くなっている。
さとうきびから輸出品である砂糖の他にバイオエタノールという燃料も作っている。
南アメリカは鉄鉱石,銅,石油のほか希少金属(レアメタル)などの鉱産資源も豊か。

アマゾン川流域:移動には船が使われる漁業は重要な産業で魚は貴重なタンパク源。
アマゾン川流域の伝統的な農業は,森林を焼き払ってその灰を肥料とする焼畑農業で,いも,とうもろこし,バナナなどを栽培している。
アマゾン川の流域には,世界のおよそ3分の1におよぶ熱帯雨林が広がっているが,流域の開発によりこの熱帯雨林が減少している。

  左の航空写真で白くなっている部分は,森林を切り開いてつくられた道路や農地である。
これによって地球温暖化が進むのではないかと心配されている。

 南アメリカ州-地形

①南アメリカ大陸の西部には,環太平洋造山帯に属し,
高くてけわしいアンデス山脈が走っている。
ペルーのアンデス山中には,スペインに滅ぼされたインカ帝国の遺跡が残っている。
ブラジルを流れるアマゾン川(流域面積は世界最大)の流域は,
赤道直下にあるため年中高温多雨で熱帯雨林が広がっている(熱帯雨林気候)。
近年,開発などによる熱帯雨林の減少が問題になっている。
アルゼンチンを流れるラプラタ川周辺はパンパという温帯草原が広がり,
小麦の栽培や肉牛の飼育がさかんである。



②北部にはなだらかなギアナ高地がある。
アマゾン川流域にはセルバという熱帯雨林が広がっている。
東部にはブラジル高原があり,その中にはカンポという熱帯草原が広がっており,
コーヒー豆やカカオ豆の栽培がおこなわれている。
ラプラタ川流域にはパンパという温帯草原が広がっており,
小麦の栽培や肉牛の飼育がおこなわれている。



 気候

[問] 地図のX~Zの都市の雨温図を,下のア~ウから1つずつ選べ。

 

[解答] X イ Y ア Z ウ
[解説]
Xは赤道近くにあるマナオスで熱帯である。
Yはアンデス山脈にあるラパスで高山気候である。
Zはラプラタ川下流のブエノスアイレスで温帯である。

次に,雨温図ア~ウが示す気候帯について考える。
イは最寒月の気温が18℃をこえているので熱帯で,Xの雨温図である。
ウは最寒月が-3℃~18℃の間にあるので温帯で,Zの雨温図である。
アは年間の気温の変化が少なく低いことから高山気候であると判断できる。
したがって,アはYの雨温図とわかる。



 各国
 


ブラジル:首都はブラジリア。南アメリカ州で最大の国である。
     北部にはアマゾン川が流れ,南部にはブラジル高原が広がっており,
     国土の大部分が熱帯に属する。日系人が多い。

アルゼンチン:首都はブエノスアイレスで,ラプラタ川流域のパンパという草原で
       小麦の栽培と肉牛の飼育がさかんである。

チリ:アンデス山脈の西側にあり,南北に長細い。

ボリビア:首都はラパスで,南アメリカ州の中央部にある内陸国である。

ペルー:インカ文明の遺跡であるマチュピチュがある。

コロンビア:南部を赤道が通る。国名は探検家のコロンブスにちなんでつけられた。

 歴史・文化



南アメリカの先住民はインディオで,
かつて,アンデス山脈でインカ帝国という高度な文明を築いていた。
しかし,16世紀にスペインとポルトガルが先住民の国をほろばし,
植民地として支配した。
ブラジルはポルトガルが支配したので,ポルトガル語が使われている。
それ以外の地域はスペインが支配したので,スペイン語が使われている。
また,キリスト教(カトリック)も広まった。
ヨーロッパ人以外に,アフリカ大陸からは大農園の労働者として,
黒人が奴隷として連れてこられた。
その後,先住民と白人との間で混血が進み,
メスチソとよばれる混血者が多くなっている。

 アマゾン川流域

 

①アマゾン川流域では,人々は川とともに生きている。
 道路はあまり発達していないため,移動には船が使われる。
 アマゾン川は,川幅も広く水量が豊富なので,
 大きな汽船が河口から1600kmにあるマナオスという都市にも
 さかのぼることができる。
 漁業は重要な産業で,魚は貴重なタンパク源である。
 アマゾン川流域の伝統的な農業は,
 森林を焼き払ってその灰を肥料とする焼畑農業で,
 いも,とうもろこし,バナナなどを栽培している。
 何年かたつと,肥料分が少なくなるので,
 別の場所に移動し新しく耕作を始める。



②アマゾン川流域に広がる熱帯雨林は, 
 二酸化炭素を大量に吸収するため,「地球の肺」とよばれる。
 しかし,近年,熱帯雨林を伐採してさとうきび
 (バイオエタノール(バイオ燃料)や砂糖の原料)や
 だいずの畑をつくったり,牧場にしたりしている。
 また,道路建設や鉱山開発もおこなわれている。
 このような開発によって熱帯雨林が減少することで
 森林の二酸化炭素吸収量が減少して,
 結果として二酸化炭素の量が増加し,
 地球温暖化をもたらすことが心配されている。

 工業化






ブラジルはかつて,コーヒーの輸出に頼るモノカルチャー経済であった。
しかし,近年,コーヒーだけにたよらない農業を実現するため,
だいずやさとうきびの生産を増やしている。
とくにだいずは重要な輸出品になっている。

また,アマゾン開発の一環として,
カラジャス鉄道を建設して沿線で大量にとれる鉄鉱石を輸送している。
鉄鉱石は重要な輸出品になっている。

また,外国企業を受け入れて鉄鉱石を使った鉄鋼業や,
自動車産業,航空機産業を発展させた。

さらに,コンピューター関連産業などの先端技術産業も発展している。
このような変化は,輸出品の変化にも現れている。

かつては,コーヒーが輸出額の半分以上をしめていたが,
現在では,鉄鉱石や石油などの鉱産資源,だいずや砂糖のほか,
機械類や自動車などの工業製品の輸出が増えている。

 資源

 

南アメリカは鉱産資源にめぐまれている。
鉄鉱石はブラジルで,銅はチリで採掘されている。
石油は,生産量の多い方から,ベネズエラ,ブラジル,
コロンビア,アルゼンチン,エクアドルなどで採掘されている。
また,南アメリカは,マンガンやアンチモンなど電子機器に使われる
希少金属(レアメタル)も豊富である。

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 アフリカ
 [要点-アフリカ州]
 
図のアの国はエジプト
イの国は南アフリカ共和国:かつてアパルトヘイトという人種隔離政策,1994年にマンデラという黒人大統領が誕生
図のAはナイル川,Bはサハラ砂漠,Cはギニア湾
気候帯は,熱帯(C沿岸)→乾燥帯(B)→温帯(地中海)と変化
 
16世紀以後,多くの黒人が奴隷として連れ出された
19世紀,アフリカはイギリス(アやイの国を支配)やフランス(地中海沿岸-B-C沿岸)などの植民地となった→植民地時代の言葉を公用語としている国が多い,
植民地時代に引かれた国境線をめぐる民族間の対立
キリスト教信仰されている(北アフリカではおもにイスラム教信仰されている)

植民地時代,プランテーションという大農園
ギニア湾岸(C)の国では,チョコレートの原料になるカカオの生産がさかんで,コートジボワール(ウ)は世界一の生産国で,ガーナ(エ)は日本へ多く輸出。
ナイジェリア(オ)ではカカオの生産もさかんであるが,輸出の7割を石油がしめている。
アフリカは銅,金やダイヤモンド(南アフリカ)などの鉱産資源が豊富。
近年は,コバルトなどの希少金属(レアメタル)が産出されている。
モノカルチャー経済:特定の商品作物や鉱産資源の生産や輸出にたよっている経済
アフリカ最大の工業国は南アフリカ共和国

アフリカでも都市化が進行→スラムという劣悪な住環境などの都市問題
栄養状態が悪いため,乳児死亡率が高いエイズ感染者も多い。
アフリカの課題を共有し,お互いに解決の方法を考えるためにアフリカ連合(AU)を結成
日本などの民間団体である非政府組織(NGO);環境保護や飢餓救済などの活動

アフリカ中部のステップと呼ばれる草原地帯では,野生動物を観察するサファリ観光が行われるようになった→観光資源である野生動物の保全にもつながる。
このような観光のあり方をエコツーリズムという。

 アフリカ州-地形





エジプトを流れるナイル川は長さが世界一の河川である。
その流域では,かつて,エジプト文明が栄えた。

アフリカ大陸北部に広がるサハラさばくは世界最大である。
サハラさばくの南側を東西に細長くのびる乾燥地域をサヘルという。
地球規模での気候変動に加え,人口増加にともなう家畜の過剰放牧,
ゆきすぎた焼畑や過剰耕作などにより,
緑の生育を上回るスピードで人間や家畜が緑を消費してしまうことで,
大地が不毛の土地になるさばく化が進行した。

ギニア湾の沿岸部ではかつて,ヨーロッパ人が進出し,
奴隷・金・象牙・穀物などが取り引きされた。


 赤道



赤道は南アメリカ大陸のアマゾン川流域,アフリカ大陸のギニア湾,
東南アジアのシンガポール付近を通っている。
経線の基準となる経度0度の線(本初子午線)は,
アフリカでは,ギニア湾を通っている。

 気候



①アフリカの気候帯は赤道を中心として南北に対称に分布している。
すなわち,熱帯(赤道付近)→乾燥帯(サハラさばくなど)→
温帯(地中海沿岸など)と順に規則正しく分布している。

アフリカではギニア湾付近を赤道が通っている。
赤道周辺の気候は熱帯である。
赤道直下では,強い日射であたためられた空気が上昇気流となるため,
雲が発生しやすく,年中雨が多い。

赤道付近で上昇した空気は高緯度に向かって移動し,
北回帰線(南回帰線)付近(23.4度)で下降する。
下降気流があるところでは雲は消えて雨はほとんど降らない。
そのため回帰線付近ではほとんど雨が降らないさばくになっている。

アフリカでは北回帰線付近にはサハラさばくが広がっている。
アフリカ北西部の地中海沿岸は温帯(地中海性気候)になっている。



②赤道直下は,熱帯の中でも1年中雨が多い熱帯雨林気候になっている。
その周辺の熱帯の地域は,雨季と乾季があるサバナ気候となっている。

乾燥帯には,サヘルのようにわずかに雨が降り草原が広がるステップ気候と,
雨がほとんど降らないさばく気候がある。

 雨温図

[問題] 次のA~Cのグラフは,略地図中のX,Y,Zの都市のものである。
   A~Cのグラフは,それぞれどの都市にあてはまるか。


 

[解答]A X B Y C Z
[解説]
 

Xのカイロは乾燥帯,Yは赤道直下なので熱帯,Zのケープタウンは温帯である。

雨温図でAは,年間降水量が極端に少ないことから乾燥帯(X)の気候だとわかる。
Bは最寒月の気温が18℃以上なので熱帯(Y)と判断できる。
Cは最寒月の気温が約12℃と,-3℃~18℃の間に入っているので
温帯(Z)と判断できる。

 歴史

 

アフリカでは5000年前にはエジプト文明が栄えた。
しかし,16世紀以降,ヨーロッパ人が千数百万人ともいわれる黒人を
奴隷として南アメリカや北アメリカに連れ去った。
19世紀末までに,エチオピアとリベリアを除くアフリカの全域が,
ヨーロッパ諸国(とくにイギリスとフランス)の植民地となった。

1950年代以降,これらの植民地は次々と独立したが,
現在でも植民地時代の影響が残っている。
すなわち,
①植民地時代の旧本国の言葉(英語やフランス語など)を公用語としている国が多い。
②一部の地域でキリスト教が信仰されている。
 (北アフリカではおもにイスラム教が信仰されている)
③植民地時代に引かれた国境線が民族の境界線と合わないところでは,
 複数の民族からなる国や国境線によって分断された民族が多く,
 民族間の対立の原因になっている。
 また,アフリカ大陸には直線的な国境線が多いが,
 これは,ヨーロッパ諸国が植民地として支配したときに,
 経線や緯線によって支配地域を分割したなごりである。

 産業
 
 

①植民地時代のアフリカでは,
ヨーロッパ人によってプランテーションという大農園が開かれた。
プランテーションでは,
特定の輸出用の商品作物を大量に生産しヨーロッパに輸出した。
プランテーションで栽培された農作物としては,
カカオ,コーヒー,綿花,茶などがある。

ギニア湾沿岸のガーナやコートジボワールでは,
チョコレートの原料になるカカオのプランテーション農業が行われた。
カカオの生産(2010年):1位 コートジボワール(29.4%),
2位 インドネシア(19.1%),3位 ガーナ(14.9%),4位 ナイジェリア(10.1%)
(統計出典)「世界国勢図会2012/2013」P232
ケニアでは茶のプランテーションが開かれ,現在も重要な輸出品になっている。



②アフリカは鉱産資源にめぐまれており,
植民地時代から金,ダイヤモンド,銅などの採掘が行われてきた。
独立後は,ナイジェリアなどで石油が開発された。
これらの資源は,重要な輸出品になっている。

近年では,希少金属(レアメタル)も注目されている。
アフリカ諸国の多くは,
プランテーション農業による特定の商品作物(カカオなど)や,
特定の鉱産資源(金,銅,ダイヤモンド,石油など)を輸出して
経済が成り立っている。

このような経済をモノカルチャー経済という。
モノカルチャー経済は,天候や景気により価格が大きく変動するため,
輸出品の種類が少ないと毎年安定した収入を得ることができない
という問題をかかえている。


 工業化

アフリカ諸国の多くは工業化が進んでおらず,下のグラフに示すように,
特定の農産物や鉱産資源の輸出にたよるモノカルチャー経済である。
たとえば,コートジボワールはカカオ,
ナイジェリアは石油,
ケニアは茶の輸出に頼っている。
南アフリカ共和国だけは,工業化が進んでいるため,
鉄鋼,機械類,自動車などの工業製品の輸出も多い。






 各国の特徴-南アフリカ共和国



南アフリカ共和国は,オランダやイギリスの植民地であったが,1910年に独立した。
少数の白人が有色人種を差別するアパルトヘイトという
人種隔離政策を行っていたが,1991年に撤廃した。
さらに,1994年に初の黒人大統領(マンデラ大統領)が誕生した。

 その他の国



南アフリカ共和国は,かつて,アパルトヘイトという人種隔離政策がとられていた。
金やダイヤモンドの産出が多い。アフリカ最大の工業国である。

エジプトでは,ナイル川下流域で古代エジプト文明が栄えた。イスラム教徒が多い。

ギニア湾に面しており,チョコレートの原料になるカカオの生産が多いのは,
コートジボワール(世界1位)と,ガーナ(世界3位)である。ガーナは金の輸出量も多い。

ナイジェリアとアルジェリアは石油産出国である。
ナイジェリアはギニア湾に面しており,人口はアフリカで最大である。
カカオやヤムいもの生産も多い。

アルジェリアは地中海に面しており,沿岸部では地中海式農業がさかんである。

 課題と展望



アフリカでも,都市部への人口集中がすすみ,
上下水道などのインフラの整備が追いついていない。
都市への移住者の多くは,賃金の安い単純労働の仕事をしており,
スラムとよばれる劣悪な居住地区に住んでいる。
また,人口増加によって食糧が不足して栄養状態が悪いため,
病気に対する抵抗力が弱い。
乳児死亡率が高く,エイズ感染者も多いため平均寿命が短い。

 AU
 


アフリカ諸国は,共同で諸問題の解決に取り組むため,
2002年にアフリカ連合(AU)を結成した。
また,先進工業国は食料援助やさまざまな開発援助を行っている。
もうけや利益を目的としないNGO(非政府組織)からの援助も行われている。

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 オセアニア
 [要点-アセアニア州]
 
   図1のアの国はオーストラリア,イはニュージーランド

オセアニアの島々:Xのミクロネシア,Yのポリネシア,Zのメラネシアに区分される

図1のAはであるグレートバリアリーフ(世界最大のさんご礁),Bはグレートディバイディング山脈

大陸の中央にある世界最大の一枚岩はウルル(エアーズロック)
   図2で赤道,Aの気候は熱帯で,Bは乾燥帯,Cは温帯

国土の大半が砂漠などの乾燥帯→乾燥大陸と呼ばれる

東経135度の経線はカである。

オーストラリアの先住民アボリジニ,ニュージーランドの先住民はマオリイギリスの植民地になる

オーストラリアでは,ヨーロッパ系以外の移民を制限する白豪主義という政策がとられたが,アジアとの結びつきが強まった1970年代以降,非ヨーロッパ系の移民も積極的に受け入れるようになり,現在は多様な民族が共存する多文化社会になっている

   図3のAの地域ではが飼育され,Bでは羊の飼育と小麦などの栽培が行われている。

Cの地域では牛の放牧が行われている。

  オーストラリアの鉱山では,表土を取り除き,地上で掘り取る露天掘りという採掘方法がとられている。

図4のAでは鉄鉱石,Bでは石炭,Cではボーキサイトが採掘されている。

オーストラリアの輸出品は,1960年ごろは羊毛が約4割をしめていたが,現在では,鉄鉱石や石炭などの鉱産資源が中心。

1960年代の中ごろまで,オーストラリアの最大の輸出相手国は,かつてこの国を植民地としていたイギリスであった。

近年は日本が最大の輸出相手国であったが,現在では,中国が最大の輸出相手国となっている。


 地形



オーストラリアの内陸部には,
グレートサンディーさばくやグレートビクトリアさばくが広がり,
国土の大部分が乾燥帯になっている。
このため,オーストラリアは乾燥大陸とよばれている。
人口はグレートディバイディング山脈の南東部に集中している。

 気候



上図のように,オーストラリアの大部分は乾燥帯に属している。
オーストラリアの南東部と南西部,ニュージーランドの気候は温帯である。
オーストラリア北部やパプアニューギニアは熱帯である。
(南半球にあるオーストラリアでは,
北に行くほど赤道に近づくことになり,気温が高くなる。)

 雨温図

[問題] 地図中のX~Zの都市の雨温図を,ア~ウからそれぞれ1つずつ選べ。

 

[解答]X ウ Y イ Z ア
[解説]
地図のXは熱帯,Yは乾燥帯,Zは温帯である。
雨温図ア~ウのうち,降水量が少ないイが乾燥帯を表している。
1年中気温が高いウが熱帯である(最寒月が18℃以上)。
アは温帯である (最寒月が-3℃~18℃の間)。



 緯度経度



オーストラリアは日本の真南に位置しており,経度はほぼ同じである。
明石市を通る日本の標準時子午線(東経135度)は,
オーストラリアの中央部を通る。

 国名







オーストラリアの先住民はアボリジニ,
ニュージーランドの先住民はマオリである。
18世紀にイギリス人が移住してきて,
オーストラリアやニュージーランドなどオセアニアの一帯を植民地とした。
これらの国の国旗にイギリスの国旗が描かれているのは,
それらの国がイギリスの植民地だったなごりである。


 歴史
 


オーストラリアには,18世紀後半にイギリス人が入植し,イギリスの植民地となった。
19世紀後半からは中国系の移民が増加し,イギリス系の移民との間で対立が生じた。
そのため,20世紀に入ってまもなく移民制限法を制定し,
白人以外の移民を制限する政策をとった。
このような白人優先の政策を白豪主義という。

しかし,アジアとの結びつきが強まった1978年に白豪主義を撤廃して
白人以外の移民を受け入れるようになり,
その結果,アジアからの移民が増加している。
現在のオーストラリアは様々な民族が共存し,
それぞれの文化を尊重する社会を築こうとしている。
このような社会を多文化社会という。

 農業





オーストラリアでは,小麦の栽培のほかに,
牛(牛肉用)と羊(羊毛用)の飼育がさかんである。

AとBの地域では羊が飼育されている。
羊は乾燥に強いので,乾燥した地域でも飼育することができる。
大鑽(だいさん)井(せい)盆地では掘り抜き井戸をつかって水をくみ上げて,
羊の飲み水として利用している。

やや降水量の多いCの地域では牛の放牧が行われている。

また,Dの地域では小麦の栽培と羊の放牧が行われている。
ニュージーランドでも羊の飼育がさかんで,
オーストラリアとともに羊毛の生産が多い。

 鉱業・貿易



オーストラリアは豊富な地下資源に恵まれている。
石炭は東部にあるグレートディバイディング山脈の東側で多く産出する。
鉄鉱石は西部で多く産出する。
アルミニウムの原料となるボーキサイトは北部で産出する。
鉄鉱石と石炭は産出量,輸出量ともに世界有数で,日本への輸出が多い。
その他に,石油,天然ガス,金,銅なども産出する。

オーストラリア→日本への輸出(2011年):石炭(33%) ,
鉄鉱石(22%),液化天然ガス(19%) 
(統計出典)「日本国勢図会2012/2013」P331

 輸出相手国



オーストラリアはかつてイギリスの植民地であったため,
1960年代の中ごろまでは,イギリスが最大の輸出相手国であった。
近年は日本が最大の輸出相手国であったが,
現在では,中国が最大の輸出相手国となっている。

オーストラリアの輸出相手国(2010年):1位 中国(25%),2位 日本 (19%),
3位 韓国(9%),4位 インド(7%),5位 アメリカ(4%)
(統計修正)「世界国勢図会2012/2013」P331

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