| イオン |
| [要点-原子・イオン] |
| ①イオン: イオンは、原子や分子が電荷を持った状態を指します。 原子が電子を失ったり得たりして、電気的なバランスが崩れた結果、イオンが形成されます。 具体的には、陽イオン(プラスの電荷を持つ)と陰イオン(マイナスの電荷を持つ)があります。 ![]() (1)陽イオン: 原子が電子を失ってできるイオンです。 電子を1つ失うと、1価の陽イオンとなります。 例えば、アルミニウムイオンは3価の陽イオンで、3つ分のプラスの電気を帯びています。 (2)陰イオン: 原子が電子を得てできるイオンです。 電子を1つ得ると、1価の陰イオンとなります。 例えば、銅イオンは2価の陰イオンで、2つ分のマイナスの電気を帯びています。 (3)イオンを表す化学式: イオンは元素記号に価数(電荷の値)を付けて表します。 例えば、銅原子の元素記号は「Cu」で、銅イオンは「Cu²⁺」と表されます。 右上の「²⁺」は価数を示しています。 |
| 原子 |
| ①原子: 原子は物質を構成する最小の粒子で、原子核と電子から成り立っています ②原子核: +(プラス)の電気を帯びた陽子と、陽子とおなじぐらいの大きさで、 +でも-でもない中性子からなります。 陽子は原子核の中心にあり、電子は原子核の周りを飛び回っています。 原子核の質量は電子に比べて圧倒的に大きいです(電子は原子核の1840分の1) ![]() ③イオン: 電子を失ったり得たりして電気を帯びたものです。 (1)陽イオン: 原子が電子を失った場合、陽子の数(+)が電子の数(-)より多くなります。 このとき、原子は+の電気を帯びます。 例えば、電子を1つ失うと「1価の陽イオン」になります。 (2)陰イオン: 原子が電子を得た場合、陽子の数(+)が電子の数(-)より少なくなります。 このとき、原子は-の電気を帯びます。 例えば、電子を1つ得ると「1価の陰イオン」になります。 |
| イオンのイオン式 |
| ①イオン式: イオンも化学式で表します。 原子が失う電子の数や受けとる電子の数をイオン価といい、 元素記号と電気の種類、イオン価の数を組みあわせて表します。 ![]() (1)イオンは元素記号に手を加えて表現されます。 例えば、銅原子の元素記号はCuですが、銅イオンはCu2+と表されます。 右上の「2」は価数を表し、その後ろに「+」がついているので陽イオンであることを示します。 |
| [要点-電離] |
①電離:![]() (1)物質が水に溶けて陽イオンと陰イオンに分かれる現象を指します。 具体的には、物質が水に溶けると、その結びつきがなくなり、 陽イオンと陰イオンがバラバラになります。 このように水に溶けて電離する物質を電解質といいます。 (2)一方で、水に溶けても電離しない物質は非電解質と呼ばれます。 例えば、砂糖やエタノールは非電解質です。 電解質の水溶液は電流を通す性質がありますが、非電解質の水溶液は電気を通しません。 電離式は、物質が電離する前と電離した後の式を表します。 例: 塩化ナトリウム(NaCl)の電離式は次のようになります。 NaCl→Na++Cl− また、塩化銅(CuCl2)の電離式は次のようになります。 CuCl2→Cu2++2Cl− 電離式を書く際には、左辺と右辺で各元素の個数が同じであることに注意してください。 |
| [要点-塩化銅や塩酸の電気分解] |
| ①電気分解: 水溶液に電流を通すことで物質が分解される現象です。 具体的には、陽極と陰極の電極に電流を流すことで、それぞれで異なる反応が起こります。 ![]() ②電気分解の基本原理: 電気分解は、水溶液に電流を通すことで物質が分解される現象です。 電流の正体は電子であり、電源装置や電池によって電子が動かされます。 陽極と陰極で電子が得られたり失われたりする「電子が関与した反応」が起こります。 ③陽極での反応: (1)液中に塩化物イオン(Cl-)がある場合: 塩化物イオンは電子を失い、塩素原子(Cl)となります。 結果として、塩素の気体(Cl₂)が発生します。 (2)液中に水酸化物イオン(OH-)がある場合: 水酸化物イオンは電子を失い、酸素の気体(O₂)が発生します。 (3)液中にCl-もOH-がない場合: これらのイオンは反応に関与せず、無視して良いです。 ④陰極での反応: 陰極では「イオン化傾向」が重要です。 (1)イオン化傾向が大きいイオン(Hより)がある場合: 陰極から電子を得て、水素原子(H₂)が発生します。 (2)イオン化傾向が小さいイオン(Hより)がある場合: そのイオンが原子にもどります。 例えば、銀イオン(Ag⁺)は銀原子(Ag)になります。 (3)電気分解は、電極が白金や炭素の場合に行われます。 |
| 塩酸の電気分解① |
| ①塩酸の電気分解: 分解:1つの物質が2つ以上の物質に変化する化学変化です。 電気分解:電気を通すことで行う分解で、電気エネルギーを化学エネルギーに変換しています。 塩酸:水に塩化水素(塩酸の溶質)を溶かした水溶液です。 塩化水素は次のように電離します。 HCl→H++Cl− ②塩酸の電気分解の反応式: 2HCl→H2+Cl2 ![]() ③塩酸の電気分解の仕組み: (1)陽極・陰極: 電源の+極からつながっている電極が陽極。 電源の-極からつながっている電極が陰極。 電極には他の物質と反応しにくい炭素や白金を用いることが多いです。 |
| 塩酸の電気分解② |
| ①例題: [問題] ![]() 上図は塩酸の電気分解のしくみをイオンで説明している。 次の各問いに答えよ。 (1) ○+は陽イオンを表している。このイオンをイオン式で表せ。 (2) 陽極でイオンが原子に変化する式をイオン式、原子記号と電子記号 (3) 塩酸の電気分解でしばらく電圧を加え続けると、流れる電流の強さが弱くなる。 その理由を答えよ。 [解答] (1) H+ (2) Cl- → Cl+ (3) 水溶液中のイオンの数が減少するため。 [解説] ![]() (1)塩酸(HCl)は電解質なので、水溶液中ではHCl → H++Cl-のように電離している。 (2)このうち、Cl-(塩化物イオン)は、右側の陽極(+極)にひかれて移動する。 (3)Cl-はCl(塩素原子)に電子 この電子 陽極(+極) → 電源→陰極(-極)と移動する。 (4)電子を奪われたCl-(塩化物イオン)はCl(塩素原子)となり、 さらに、塩素原子2個が結び付いて塩素分子(Cl2)となる。 (2Cl- → Cl2+ (5)陽極で発生するプールの消毒剤のような刺激臭のある黄緑色の気体は、この塩素(Cl2)である。 (6)これに対し、H+(水素イオン)は、左側の陰極(-極)に引かれて移動する。 (7)電極の中の電子 水素イオンは水素原子になる。 さらに、水素原子2個が結び付いて水素分子(H2)となる。 (2H++ (8)水素は無色無臭の気体で、火を近づけるとポンという音を立てて燃える。 (9)実験を続けていくと、水溶液中のイオン(Cl-、H+)が減少して、 Cl- → (陽極) 流れる電流の強さが弱くなる。 |
| 塩化銅水溶液の電気分解① |
| ①塩化銅水溶液の電気分解: (1)電気分解は、電気を通すことで物質を分解する現象です。 塩化銅水溶液は、水に塩化銅を溶かした青色の液体です。 塩化銅は電離して銅イオン(Cu²⁺)と塩化物イオン(Cl⁻)に分解します。 (2)電気分解の仕組み: 陽極:電源の+極からつながっている電極。 ここでは塩化物イオン(Cl⁻)が電子を失い、塩素ガス(Cl₂)が発生します。 陰極:電源の-極からつながっている電極。 ここでは銅イオン(Cu²⁺)が電子を受け取り、銅の固体が生成します。 ②塩化銅水溶液に電流を流して電気分解: ![]() ③化学反応式: 塩化銅 → 銅 + 塩素 式で書くと:CuCl₂ → Cu + Cl₂ (1)注意点: 塩化銅水溶液の色は銅イオン(Cu²⁺)によるもので、 銅原子は赤色ですが銅イオンは青色を示します。 電気分解を続けると、水溶液の青色はうすくなります。 |
| 塩化銅の電気分解② |
| ①例題: [問題] ![]() ビーカーに塩化銅水溶液を入れて電気分解をしたところ、 一方の電極からは気体が発生し、もう一方の電極には銅が付着した。 図は電気分解の様子をモデルで表したものである。 次の各問いに答えよ。 (1) 塩化銅が電離している様子をイオンの記号を使って式で表せ。 (2) 図の■、●は何を表しているか。 次の[ ]からそれぞれ1つずつ選べ。 [ 塩素イオン 銅イオン 銅原子 塩素原子 水分子 塩化銅分子 塩化銅イオン 塩化物イオン ] [解答] (1) CuCl2 → Cu2++2Cl- (2)■:銅イオン ●:塩化物イオン [解説] ![]() ![]() (1)上の図1のように電源に電極をつないだとき、 右側の電極のAにある電子 右の電極 → 電源 → 左の電極 → Bへと移動する(電気の+と-は引きつけあう)。 (2)その結果、右の電極は+、左の電極は-の電気を帯びる。 しかし、一定量の電子 (3)図2のように、電極を塩化銅水溶液にいれると、様子は一変する。 塩化銅(CuCl2)は電解質なので、水溶液中では、CuCl2 → Cu2++2Cl-のように電離している。 (4)このうち、Cl-(塩化物イオン)は、右側の陽極(+極)にひかれて移動する。 (5)Cl-はCl(塩素原子)に電子 この電子 (6)電子をうばわれたCl-(塩化物イオン)はCl(塩素原子)となり、 塩素原子2個が結び付いて塩素分子(Cl2)となる。 (7)陽極で発生する刺激臭のある黄緑色の気体は、この塩素(Cl2)である。 (8)次に、水溶液中のCu2+(銅イオン)は、左側の陰極(-極)に引かれて移動する。 (9)電極の中の電子 (Cu2++ (10)その結果、陰極には赤色の銅が付着する。 以上の反応を化学反応式で表すと、CuCl2 → Cu+Cl2となる。 (11)水溶液中に、Cl-(塩化物イオン)とCu2+(銅イオン)が残っている限り、 反応が続き、電子は陽極(+極) → 電源 → 陰極(-極)と流れ続ける。 (12)すなわち、電解質の物質がある限り、電流は流れ続ける。 (電流の流れは電子の流れとは反対方向で表す。) (13)やがて、水溶液の中のイオンが少なくなっていくと、電流は流れにくくなっていき、 塩素の発生量が減少し、水溶液の青色はうすくなっていく。 (塩化銅水溶液が青色をしているのはCu2+(銅イオン)のためである)。 |