理科3年 化学

 エネルギー
 いろいろなエネルギー
①エネルギーの種類:
【A 光 B 位置 C 運動 D 電気】

 

(1)光エネルギー: 光がもつエネルギーです。
例えば、太陽光発電や車のヘッドライトが光エネルギーを利用しています。
(2)音エネルギー: 音がもつエネルギーです。大きな音を出すと、振動が伝わります。
(3)熱エネルギー: 熱がもつエネルギーで、蒸気機関車などで利用されています。
(4)電気エネルギー: 電気がもつエネルギーで、
ミニ四駆のような電池駆動のおもちゃに使われています。
(5)化学エネルギー: 化学反応によって取り出すエネルギーで、
ガソリン車や食べ物のエネルギーも含まれます1。
(6)弾性エネルギー: バネやゴムなど変形した物体がもつエネルギーです。
(7)核エネルギー: 原子核がもつエネルギーで、原子力発電で利用されています。
(8)運動エネルギー: 運動している物体がもつエネルギーで、速度と質量に依存します。
(9)位置エネルギー: 高い位置にある物体がもつエネルギーで、位置と質量に依存します。

これらのエネルギーは相互に変換され、エネルギー保存の法則に従って総量は一定です。
 熱の伝わり方
①伝導(熱伝導):
温度が異なるものが接しているときに、高温の部分から低温の部分へ熱が伝わる現象です。
具体的な例として、お風呂に入って体が温まることや、やかんに触れてヤケドすること、
氷に触れて冷たさを感じることが挙げられます。
伝導は接している部分が明確で、温度が高い方から低い方へ移動している場合に起こります。

②対流:
温度が異なる気体や液体が流動し、熱が運ばれる現象です。
対流は気体や液体の話なので、接している部分が曖昧なところがポイントです。
例として、あたためられた大地と冷えた大地の間で風が吹くことや、
お湯を温めるとお湯がゆっくりと移動することがあります。

③放射:
高温の物質が光や赤外線などを出し、それが当たった物質に熱が移動する現象です。
太陽からの光や赤外線で大地が温まることや、
熱せられたやかんが触れなくても温かいことが放射の例です。
放射の正体は、肉眼では見えない赤外線という光です。

 
 エネルギーの保存と損失
①エネルギー保存の法則:
「孤立系のエネルギーの総量は変化しない」という物理学の保存則の一つです。

(1)エネルギーの総量は一定:
ある仕切られた領域内でのエネルギーの総和は、時間が経っても変化しません。
これはエネルギーがどの形態に変換されても成り立ちます。

(2)力学的エネルギー保存則:
保存力(例:バネの弾性力)だけが仕事をする場合、
物体の運動エネルギーと位置エネルギーの総和は一定になります。

(3)熱力学第一法則:
熱力学においてもエネルギー保存の法則が成り立ちます。
エネルギーは熱や仕事によって変換されますが、その総量は変わりません。
 エネルギーの変換効率
①エネルギー変換の基本:
エネルギーは常に保存されますが、変換過程で一部が別の形態のエネルギー(たとえば熱)
として失われることがあります。
変換効率は、得られるエネルギーと投入されるエネルギーの比率で表されます。


②エネルギーの変換効率:
初めに投入されたエネルギー量と変換された利用可能なエネルギー量との比。
例えば、最初に与えられた光エネルギーが100Jで、モーターの運動エネルギーが20Jであれば、
エネルギーの変換効率は、20(J)÷100(J)×100=20(%)です。
 コージェネレーションシステム
①コージェネレーションシステム:
発電の過程で生じる余剰な熱エネルギーを再利用して、
電気と熱を同時に供給するシステムです。
「コージェネレーション」という言葉は、「Co-generation」(共同発生)から来ています。

 

②仕組み:
通常の発電システムでは、発電時に生じる熱の多くが捨てられてしまいます。
しかし、コージェネレーションシステムでは、その廃熱を利用して、熱エネルギーとして利用します。

③発電:
化石燃料やバイオマス燃料、天然ガスなどを使用して、発電します。
この際、発電装置(例えば、エンジンやガスタービン)が稼働します。

④熱利用:
発電過程で生じた熱を、暖房や温水供給、工業プロセスに利用します。

⑤メリット:
エネルギー効率の向上: 通常の発電システムでは、
投入されたエネルギーの30〜40%しか電力に変換されず、残りは熱として失われます。
一方、コージェネレーションシステムでは、総合効率が70〜90%になることがあり、
エネルギーの無駄が少ないです。

⑥CO2排出削減:
エネルギーを効率的に利用することで、燃料の使用量が減り、
それに伴って二酸化炭素(CO2)の排出量も削減できます。

⑦安定したエネルギー供給:
自社で電力と熱を生成するため、外部からのエネルギー供給に依存しにくく、
安定したエネルギー供給が可能です。
 原子力発電
①原子力発電の仕組み:
原子力発電は、核分裂反応を利用して発電します。
核分裂とは、重い原子核が分裂して軽い原子核に分かれる際にエネルギーが放出される反応です。

②核分裂反応:
(1)燃料: ウラン-235などの重い原子核を含む核燃料を使用します。
(2)中性子の衝突: ウラン-235の原子核に中性子が衝突すると、
原子核が分裂し、2つ以上の軽い原子核とエネルギーが放出されます。
(3)連鎖反応: 核分裂で放出された中性子が他のウラン原子核に衝突し、
さらに核分裂を引き起こします。これが連鎖反応と呼ばれる現象です。

③熱エネルギーの利用:
(1)発熱: 核分裂で生じたエネルギーは熱として放出されます。
(2)蒸気発生: この熱エネルギーを使って水を加熱し、高温・高圧の蒸気を発生させます。
タービン回転: 発生した蒸気はタービンを回転させ、
タービンの回転運動を発電機に伝えて電気を作ります。

④原子炉:
(1)構造: 原子炉には核燃料、制御棒、冷却材が含まれます。
(2)制御棒: 連鎖反応の進行を制御するために、中性子を吸収する物質でできた棒です。
反応を調整して、安全に運転します。
(3)冷却材: 核分裂で発生した熱を効率よく取り出すための物質です。水や液体金属が使われます。

⑤原子力発電のメリットとデメリット:
(1)メリット:
高いエネルギー密度: 少量の核燃料から大量のエネルギーを得られるため、効率が高いです。
安定した電力供給: 原子力発電所は天候や季節の影響を受けず、安定して電力を供給できます。
CO2排出が少ない: 化石燃料を使用しないため、二酸化炭素(CO2)の排出が少なく、
地球温暖化対策に貢献します。

(2)デメリット:
放射性廃棄物: 核分裂の副産物として放射性廃棄物が発生し、
その処理と管理が難しく長期間にわたります。
事故のリスク: 原子力発電所で事故が発生した場合、
大規模な放射能漏れや周辺地域への影響が懸念されます。
チェルノブイリや福島第一原子力発電所の事故が例です。
建設と運転のコスト: 原子力発電所の建設には高い初期コストがかかり、
安全な運転のための維持管理も重要です。
 放射線の性質
①放射線:
原子核の変化によって放出される高エネルギーの粒子や電磁波のことです。
放射線を放出する物質を「放射性物質」と呼びます。

放射線には以下の3つの主要な種類があります。
(1)アルファ線(α線):
粒子の種類: ヘリウム原子核(2個の陽子と2個の中性子からなる)です。
透過力: 透過力は弱く、紙や皮膚で遮ることができます。
電離作用: 周囲の物質に電離作用を与えやすく、化学反応を引き起こします。

(2)ベータ線(β線):
粒子の種類: 電子または陽電子です。
透過力: 透過力は中程度で、薄い金属板や数ミリのプラスチックで遮ることができます。
電離作用: 電離作用はアルファ線ほどではありませんが、依然として化学反応を引き起こします。

(3)ガンマ線(γ線):
粒子の種類: 高エネルギーの電磁波です。
透過力: 透過力が非常に強く、鉛やコンクリートの厚い層でなければ遮れません。
電離作用: 電離作用は弱いですが、深く物質に入り込みます。

【A アルファ線 B ベータ線 C ガンマ線】

  
 物質資源・新素材
①新素材:
 

(1)カーボンナノチューブ(CNT):
概要: 炭素原子がシート状に並び、それが円筒形になった構造を持つ素材。
特長: 非常に強く、軽く、電気や熱の伝導性が高いです。
利用例: エレクトロニクス、複合材料、エネルギー貯蔵デバイス(バッテリー)など。

(2)グラフェン:
概要: 炭素原子が蜂の巣状に並んだ一層のシート。
特長: 極めて高い強度と柔軟性、優れた電気伝導性、熱伝導性。
利用例: トランジスタ、タッチパネル、バッテリーなど。

(3)形状記憶合金:
概要: 元の形状に戻る特性を持つ合金。加熱や冷却で変形を元に戻せます。
特長: 変形しても元の形状に復帰する性質。
利用例: メガネのフレーム、温度調節デバイス、医療用ステント。

(4)超伝導体:
概要: ある温度以下で電気抵抗がゼロになる材料。
特長: 非常に高い電流を流せる、高い磁場に耐えられる。
利用例: MRI(磁気共鳴画像法)、電力ケーブル、超高速リニアモーターカー。

(5)ゲル:
概要: 柔軟で水分を多く含むが、特定の刺激で硬くなったり、形を変えたりします。
特長: 形状の変化や柔軟性を持ち、応答性が高い。
利用例: 医療用パッチ、触覚センサー、環境に適応する材料。

(6)複合材料:
概要: 異なる材料を組み合わせて新しい特性を持つ材料。
特長: 軽量で強度が高く、特定の目的に応じた性能を持つ。
利用例: 航空機の機体、スポーツ用品、自動車部品。
 循環型社会の構築
①循環型社会の実現方法:
循環型社会を実現するためには、様々な取り組みが必要です。
以下にその具体的な方法を示します。

(1)資源の有効利用:
効率的な製品設計: 長持ちし、修理がしやすい設計をすることで、製品の寿命を延ばします。
省エネ製品の開発: 使用時にエネルギーを節約できる製品を開発します。

(2)廃棄物の削減:
分別回収: 廃棄物を種類ごとに分別して回収し、リサイクルしやすくします。
生分解性材料: 自然に分解される素材を使い、廃棄物を減らします。

(3)リサイクルの促進:
材料の再生利用: 使用済み製品から素材を回収し、再利用します。
例えば、ペットボトルを再利用して新しいペットボトルや繊維に加工します。
エネルギー回収: 廃棄物を燃やしてエネルギーを取り出す方法(熱回収)もリサイクルの一環です。

(4)持続可能な消費:
環境に優しい製品の選択: リサイクル可能な製品や、省エネルギー製品を選ぶ消費行動が求められます。
フードロスの削減: 食品廃棄物を減らすため、必要な量だけを購入し、残さず消費する習慣をつけます。

(5)教育と意識啓発:
環境教育: 学校や地域で循環型社会の重要性について教育します。
啓発活動: リサイクルやエコ活動についての情報提供を行い、個人の意識を高めます。