社会地理 九州地方

 九州地方
 [要点-九州地方]
【九州山地】九州地方の中央部を走るけわしい山地。
【筑紫山地】九州地方の北部を走る、なだらかな山地。
【筑紫平野】九州地方北部の筑後川流域に広がる平野。
【宮崎平野】宮崎県中部の日向灘に面した平野。
【シラス台地】鹿児島県から宮崎県南部にかけて広がる火山灰台地。
【カルデラ】火山の爆発や火口周辺の陥没などによってできた大きな円形のくぼ地。

 
A  阿蘇山は溶岩が吹き出したあとにできた、くぼんだカルデラという地形が特徴である。
B  火山の噴出物が積み重なったシラスという地層が広がっている。
水持ちが悪く稲作には適さない → 畑作や畜産(牛、豚、にわとり)が盛ん。
九州は火山が多い → 水がしみこみやすい地層 → 豪雨のとき土砂くずれ → 砂防ダムや植林。
火山活動の恵みは温泉や地熱発電などである。
C  宮崎平野は野菜(きゅうり、ピーマン)の促成栽培が盛ん。
D  筑紫平野では稲作と麦などの二毛作。
九州の山がちな地域では棚田が見られる。
E  黒潮(日本海流)とFの対馬海流は九州を温暖にしている。
F  沖縄では、アメリカ軍の軍事基地が2割の面積を占めている。
亜熱帯の気候で、さんご礁が発達。
さとうきびやパイナップルを栽培。観光業などの第三次産業が盛ん。
G  屋久島では、自然を体験し、学ぶとともに、対象となる地域の自然環境の保全に責任をもつエコツーリズムという観光を目指している。

 
a  福岡市は地方中枢都市。
都心部の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象 → 屋上緑化。
過去に洪水の被害 → 地下に貯水施設、防災マップ。
2011年に博多駅と鹿児島を結ぶ九州新幹線が開通した。
九州では高速バスが発達。
b  北九州工業地域:明治時代に、筑豊炭田と中国の鉄鉱石を使って官営八幡製鉄所が作られた。
エネルギー革命(石炭 → 石油)で生産が減少。
旧製鉄所跡地にエコタウン。国から環境モデル都市に指定された。
持続可能な社会を目指す。
福岡県の苅田町や宮若市では自動車工業。
空港や高速道路ぞいにはICの工場が立地。
c  水俣市:メチル水銀が原因で水俣病→現在では、環境モデル都市。
 地形
【シラス台地】鹿児島県から宮崎県南部にかけて広がる火山灰台地。
【カルデラ】火山の爆発や火口周辺の陥没などによってできた大きな円形のくぼ地。
【阿蘇山】熊本県北東部に位置する、世界最大級のカルデラもつ火山。
【桜島】鹿児島湾北部にある火山。
【雲仙岳】長崎県島原半島に位置する火山群。

 

①山地と火山:
北部には筑紫山地が広がり、中央部から南にかけては険しい九州山地があります。
阿蘇山は世界最大規模のカルデラを持つ火山で、中央部に位置しています。
カルデラは大きな凹地で、阿蘇山の場合は東西18km、南北24kmもある大カルデラです。
九州山地の北には阿蘇山、南には霧島山や桜島、
さらに長崎県の島原半島には雲仙岳といった活火山が分布しています。

②平野:
九州で一番広い平野は佐賀県から福岡県にまたがる筑紫平野です。
この平野は有明海の沿岸にあり、干潟と干拓で有名です。
さらに、宮崎平野や熊本平野も広がっています。

③気候:
九州は日本の中でも南に位置し、黒潮(日本海流)と対馬海流の暖流が流れているため、
温暖な気候です。
南九州の宮崎や鹿児島は降水量が特に多い地域となっています。

  A 関門海峡
B 筑紫山地
C 筑後川
D 筑紫平野
E 阿蘇山
F 有明海
G 雲仙岳
H 九州山地
I 宮崎平野
J 桜島(御岳)
K 屋久島
L 沖縄島
M 黒潮(日本海流)
N 対馬海流
 自然災害
【砂防ダム】土石流など上流から流れ出る有害な土砂を受け止め、
貯まった土砂を少しずつ流すことにより下流に流れる土砂の量を調節する施設。

  

①不透過型砂防堰堤:
土砂の流れを調節します。
川底の削られを防ぎ、水の流れを遅くします。
また、勾配がゆるくなることで水の流れも遅くなります。
これにより、土砂が貯まり、山くずれを防止します。

②透過型砂防堰堤:
土石流をとらえます。
普段は水と土砂が同じように下流に流れていきますが、
大雨で土石流が発生した際に、岩や流木を含む土砂を堰堤に引っかけて止めます。
 気候
①例題:
[問題] 地図中の①~③の都市の雨温図をア~ウからそれぞれ選べ。

 

  

[解答]① イ ② ア ③ ウ

[解説]
 

(1)日本の大部分は温帯に属しているが、
北海道は冷帯、沖縄など南西諸島は亜熱帯(熱帯に近い温帯)に属している。

(2)地図の①は福岡市、②は宮崎市、③は沖縄県の那覇市であるので、
①と②は温帯、③は亜熱帯である。

(3)ケッペンの気候区分によれば、
最寒月の気温が18℃以上なら熱帯、
-3℃~18℃なら
温帯、
-3℃未満なら
冷帯か寒帯である。

(4)しかし、亜熱帯は熱帯に近い温帯であるので、この区分法は使えない。
そこで、便宜上の区分法として、年間の平均気温に着目する。
すなわち、平均気温が20℃台なら南西諸島の亜熱帯の気候、10℃台なら温帯という基準で判断する。

(5)ア~ウの雨温図の平均気温に注目すると、
平均気温が10℃台のアとイは温帯で、平均気温が20℃台のウは亜熱帯であると判断できる。
したがって、ウは③の那覇市の雨温図であることがわかる。

(6)アとイは①の福岡か②の宮崎であるが、宮崎は台風などの影響で年間の降水量が多い。
したがって、アは②の宮崎の雨温図であると判断できる。
 農業-二毛作
【二毛作】同じ耕地で一年の間に2種類の異なる作物を栽培すること。
【棚田】山の斜面や谷間の傾斜地に階段状につくられた水田のこと。

 

①地形と自然:
九州には北に筑紫山地、中央部から南にかけては険しい九州山地と2つの山地があります。
阿蘇山は世界最大規模のカルデラを持つ火山で、中央部全体が陥没してできた大カルデラです。
有明海は干潟と干拓で有名で、筑紫平野や熊本平野が広がっています。

②気候:
九州は温暖な気候で、南九州の宮崎や鹿児島は降水量が特に多い地域です。
鹿児島県から沖縄に至る島々は亜熱帯のような気候で、冬でも温暖です。

③農業:
筑紫平野は九州一の米の産地で、米作りがさかんです。
さらに、麦や畳表の原料となるい草を裏作として栽培する「二毛作」が行われています2。
宮崎平野では野菜の促成栽培が盛んで、キュウリなどが生産されています。
鹿児島県はサツマイモや茶の栽培がさかんで、畜産も盛んです。

④工業:
かつては北九州工業地帯が鉄鋼業の中心でしたが、現在はIC工場や自動車工業が発展しています。
九州は「シリコンアイランド」とも呼ばれ、IC工場が多く立地しています。
 シラス台地
 【シラス台地】
シラス台地は、鹿児島県鹿屋市を筆頭に、南九州に広く分布している広大な台地です。
この台地は火山噴出物から形成されており、特に火砕流台地として知られています。

 

①シラスの由来:
「シラス」という言葉は「白い砂」を意味します。
この白い砂は、火山の噴火によって降り積もった火砕流や火山灰などの堆積物です。
鹿児島県では白砂を「シラス」と呼ぶ風習があり、
ここで形成された台地が「シラス台地」と呼ばれるようになりました。

②成り立ち:
約2万9000年前、鹿児島湾北部で巨大な噴火が起こり、
姶良カルデラと呼ばれるへこんだ地形が形成されました。
この噴火により火砕流が広範囲にわたって台地を形成し、
やがて川の水が土を削り、現在のシラス台地になっていったとされています。

③農業と特産品:
シラス台地は水分を保持しにくい性質を持っていますが、乾燥に強い作物の栽培が盛んです。
主な農作物には「サツマイモ」「大豆」「菜種」があり、
特にサツマイモの生産量は鹿児島が全国でトップです。
また、畜産も盛んで、「鹿児島黒牛」や「かごしま黒豚」などが育てられています。
 促成栽培
【促成栽培】露地での栽培(露地栽培)よりも成長・収穫・出荷を早くする栽培法。
【施設園芸農業】ガラス室やビニールハウスを利用して
野菜などの園芸作物(野菜類・花き・果樹)を栽培すること。

 

①促成栽培の特徴:
ビニールハウスの利用: 促成栽培では、ビニールハウスを使用して温度や湿度を管理します。
これにより、植物の成長を早めることができます。
(1)暖かい気候:
九州地方は日本の中でも温暖な気候が特徴です。
この気候を活かして、ビニールハウス内での栽培が効率よく行われます。
(2)早期出荷:
促成栽培により、他の地域よりも早く野菜や果物を市場に出荷できます。
これにより、高値で販売することができます。

②九州での促成栽培の具体例:
(1)トマト:
宮崎県や熊本県ではトマトの促成栽培が盛んです。
ビニールハウス内で温度管理を行い、通常よりも早い時期に収穫します。
(2)ピーマン:
宮崎県では、ピーマンの促成栽培も行われています。
ビニールハウスを使用し、収穫時期を早めています。
(3)いちご:
福岡県や熊本県では、いちごの促成栽培が有名です。
冬から春にかけての時期に市場に出回るいちごは、促成栽培によって育てられたものです。

③促成栽培の利点:
(1)収益性の向上:
早く収穫できるため、他の地域よりも高い価格で販売することができます。
(2)安定供給:
一年中、野菜や果物を安定して供給することができます。
 工業
【北九州工業地域】北九州市に広がる工業地域。
【筑豊炭田】福岡県北部にある炭田。
【シリコンアイランド】IC(集積回路)関連の工場が多い九州をさすことば。

①北九州工業地帯:
福岡県北九州市を中心とする工業地帯で、日本有数の重工業地域です。
鉄鋼業や造船業、化学工業が発展しています。

②八幡製鉄所:
日本初の本格的な製鉄所で、北九州市にあります。鉄鋼業の発展に大きく寄与しました。


③大分工業地帯:
大分県大分市を中心とする工業地帯で、石油化学や鉄鋼業が盛んです。

④大分コンビナート:
石油化学工場が集まっており、石油製品や化学製品の製造が行われています。

⑤熊本の半導体産業:
熊本県では、半導体産業が発展しています。
特に、熊本市やその周辺では、半導体の製造工場が多く立地しています。

⑥熊本市:
半導体メーカーの工場が集まっており、先端技術の開発が行われています。

⑦自動車産業:
九州地方では、自動車産業も盛んです。
福岡県の苅田町には、自動車工場が立地しています。

⑧トヨタ九州苅田工場:
自動車の組み立てを行っており、多くの車両が生産されています。

⑨九州地方の工業の利点:
(1)交通の利便性:
九州は港湾や空港が充実しており、国内外への輸送が容易です。
特に、北九州港や大分港、福岡空港は重要な輸送拠点となっています。
(2)豊富な資源:
九州地方は、石炭や天然ガスなどの地下資源が豊富で、工業発展の基盤となっています。 

 環境モデル都市
【環境モデル都市】環境保護に関する高い目標をかかげ、
その実現に向けて積極的に取り組む、政府によって選定された自治体。

 

①北九州市(福岡県):
環境未来都市として、さまざまな環境保護活動を行っています。
エコタウン事業: 廃棄物のリサイクルや再利用を推進するための施設が集まる地域です。
スマートコミュニティ: エネルギーの効率的な利用を目指し、
太陽光発電や蓄電システムを導入しています。

②大分市(大分県):
環境モデル都市に指定されており、地球温暖化対策に力を入れています。
(1)再生可能エネルギーの導入: 太陽光発電や風力発電など、
再生可能エネルギーの普及を推進しています。
(2)エコビレッジ: 環境に優しい生活を実践するためのコミュニティが形成されています。

③熊本市(熊本県):
水の都として知られ、地下水の保護や節水活動に取り組んでいます。
(1)グリーン都市: 緑化活動を推進し、都市の緑地面積を増やす努力をしています。
(2)省エネルギー: 省エネルギー型の住宅や建物の普及を目指しています。
 水俣病
【公害】人間の生活や生産活動によって自然環境や生活環境が悪化し、
人々の健康に悪影響をおよぼすこと。



①水俣病の概要:
(1)発生時期: 1950年代後半に初めて発見されました。
(2)原因物質: 水俣病の原因は、工場から水俣湾に排出されたメチル水銀という有害な化学物質です。
(3)原因企業: 主にチッソ株式会社が経営する化学工場からの排水が原因とされています。

②症状:
メチル水銀が体内に蓄積すると、以下のような症状が現れます。
(1)手足のしびれや痛み
(2)言語障害や聴覚障害
(3)視力の低下
(4)筋肉の痙攣や運動失調
(5)重症の場合、意識障害や死に至ることもあります。

③被害の広がり:
(1)人々への影響: 水俣湾で採れた魚や貝類を食べた人々がメチル水銀に汚染され、
多くの住民が水俣病を発症しました。
(2)環境への影響: 水俣湾やその周辺の海洋生態系にも深刻な被害が及びました。
魚介類の多くがメチル水銀に汚染されました。

④水俣病の発見とその後:
(1)発見: 1956年、水俣市の医師が原因不明の神経症状を呈する患者を報告し、
これが水俣病の発見のきっかけとなりました。
(2)公害病としての認定: 1968年に日本政府は水俣病を公害病として公式に認定しました。

⑤対策と取り組み:
(1)被害者救済: 被害者に対する補償や治療が行われました。
政府と企業が責任を認め、賠償金を支払うこととなりました。
(2)環境浄化: 汚染された水俣湾の環境浄化が行われ、工場の排水管理も厳しくなりました。
(3)教育と啓発: 水俣病の教訓を次世代に伝えるための教育や啓発活動が行われています。
水俣病資料館などが設立され、被害の歴史や対策について学ぶことができます。
 福岡市
 

①九州の中心都市:
日本では地方ごとに、九州地方の福岡市、中国・四国地方の広島市、
東北地方の仙台市、北海道地方の札幌市などのような中心都市があります。
これらは、地方中枢都市とよばれ、国の出先機関や大企業の支社が集まり、
交通のかなめにもなっています。

②博多駅:
鹿児島市まで全線開通した九州新幹線をはじめとした鉄道で、九州地方の各地と結ばれています。
また、福岡空港から国内やアジアの各地へ、数多くの航空路線が開設されています。
 ヒートアイランド現象
【ヒートアイランド現象】
都市部の気温が周囲の郊外や農村部よりも高くなる現象です。
 

①発生場所:
特に大都市で顕著に見られます。
東京、大阪、名古屋などの大都市が代表的な例です。

②ヒートアイランド現象の原因:
(1)建物や舗装道路:
アスファルトやコンクリート: これらの素材は熱を吸収しやすく、日中に蓄えた熱を夜間に放出します。
ビル群: 高層ビルが密集していると、風通しが悪くなり、熱がこもりやすくなります。
自動車や工場:
排熱: 自動車や工場からの排熱が都市の温度を上昇させます。
エアコン: エアコンの室外機からも熱が放出され、気温が上がります。

(2)少ない緑地:
緑地の減少: 都市化により、緑地や公園が減少し、自然の冷却効果が失われます。
蒸散作用の減少: 植物は蒸散作用により周囲の温度を下げますが、緑地が少ないとこの効果が減少します。

③ヒートアイランド現象の影響:
(1)健康への影響:
熱中症: 高温による熱中症のリスクが増加します。
呼吸器疾患: 大気汚染が悪化し、呼吸器疾患のリスクが増えます。
エネルギー消費の増加:
エアコンの使用増加: 気温が高いため、エアコンの使用が増え、電力消費が増加します。
 沖縄

 

①沖縄の地理:
(1)位置: 日本の最南端に位置し、九州から南西に約600kmのところにあります。
(2)島々: 沖縄県は、沖縄本島をはじめとする約160の島々から成り立っています。
主要な島としては、沖縄本島、石垣島、宮古島などがあります。
(3)面積: 約2,281平方キロメートルで、日本全体の約0.6%を占めます。

②沖縄の気候:
(1)亜熱帯気候: 沖縄は亜熱帯気候に属し、年間を通して温暖な気候が特徴です。
(2)降水量: 梅雨(5月から6月)や台風シーズン(夏から秋)には降水量が多くなります。
(3)気温: 冬でも平均気温が15度以上と暖かく、夏は30度を超えることも多いです。
 沖縄の産業
 

①沖縄の産業:
(1)観光業: 沖縄は美しいビーチやリゾート地が多く、観光業が主要な産業です。
毎年多くの観光客が訪れます。
(2)農業: パイナップル、サトウキビ、マンゴーなどの熱帯果物が栽培されています。
また、泡盛という特産の蒸留酒も有名です。
(3)漁業: サンゴ礁に囲まれた海域では、多様な魚介類が獲れるため、漁業も盛んです。

②沖縄の文化:
(1)琉球文化: 沖縄はかつて琉球王国として独自の文化を発展させてきました。
琉球舞踊や三線(さんしん)という伝統楽器がその代表例です。
(2)祭り: エイサーやシーサーなど、沖縄独自の祭りや伝統行事が数多くあります。
(3)料理: 沖縄料理は、ゴーヤーチャンプルー、ラフテー、ソーキそばなど、独特の味わいが特徴です。

③沖縄の歴史:
(1)琉球王国: 15世紀から19世紀にかけて、琉球王国が存在し、
中国や東南アジア、日本との交易が盛んでした。
(2)第二次世界大戦: 沖縄は、第二次世界大戦の激戦地となり、多くの被害を受けました。
戦後、アメリカに統治され、1972年に日本に返還されました。

④沖縄の自然:
(1)美しい海: 沖縄の海は透明度が高く、ダイビングやシュノーケリングが人気です。
(2)サンゴ礁: 沖縄の海には豊かなサンゴ礁が広がり、多様な海洋生物が生息しています。
(3)やんばる: 沖縄本島北部のやんばる地域は、亜熱帯の森が広がり、
固有種を含む豊かな生態系があります。
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