| 財政 |
| [要点-財政] |
①国の経済活動を財政といいます。 国の1年間の収入は歳入、支出は歳出です。 政府は1年間の収入や支出の計画である予算を作成し、国会が審議・議決します。 国の歳入の4割以上をしめるのは、国の借金である公債金です。 ②税収の不足を補うために発行されるのが公債で、 国の公債は国債、地方公共団体の公債は地方債です。 租税収入では、消費税、所得税、法人税が多く、 歳出では、社会保障関係費、国債費が多い。 ③税金には、国税と地方税があります。 税の負担者と納入者が同じ税は直接税、税の負担者と納入者が違う税は間接税です。 所得が多くなるにつれて税率も高くなる課税の方法を累進課税といいます。 ④政府は、道路、港湾、学校などの社会資本を供給し、教育や医療などの公共サービスを提供します。 また、累進課税や社会保障、雇用対策を行うことで所得の再分配を行っています。 さらに、財政政策によって景気を安定させる働きを行っています。 ⑤政府・家計・企業の間でお金・もの・サービスが交換されていく経済のしくみを国民経済といいます。 |
| 財政-財政とは |
【財政】国や地方公共団体が税金などをもとに行う経済活動。 【歳入】国や地方公共団体の、一会計年度(4月~翌年3月)における財政上の収入のこと。 【歳出】国や地方公共団体の、一会計年度(4月~翌年3月)における財政上の支出のこと。 【予算】財政におツる一会計年度(4月~翌年3月)の歳入・歳出の計画。 ![]() ①政府のおこなう経済活動を財政といいます。 国の1年間の収入を歳入、支出を歳出といいます。 ②歳入の中心は税金(租税)であるが、最近は借金である国債の割合が異常に高くなります。 ③税金等で集めた資金を使って、政府は公共サービスを提供したり、 社会資本を充実させます。 ④国は毎年12月までに1年間の歳入と歳出の計画を立てて予算を作成し、 翌年の1月の通常国会に予算案を提出します。 ⑤国会で審議されて承認された後、4月からの新年度から予算が実行されます。 |
| 財政の3つのはたらき |
【財政】国や地方公共団体が税金などをもとに行う経済活動。 【社会資本】おもに国や地方公共団体によって提供される、社会全体にとって基本的に必要となる施設。 【公共サービス】国や地方公共団体によって提供される公共性の高いサービス。 ![]() (1)公共サービスとは: 公共サービスは、社会全体の利益を目的として政府や自治体が提供するサービスのことを指します。 これらのサービスは、私たちの日常生活を支えるために、税金などを原資として運営されています。 (2)主な公共サービスの種類: ①公共交通機関: バスや電車など。 地域社会の移動を便利にするために運営されています。 ②教育: 小学校、中学校、高校などの学校教育を提供。 教育を通じて、将来の社会の担い手を育成します。 ③医療・保健: 国民健康保険制度や公立病院などによる医療サービス。 国民の健康を守るためのものです。 ④福祉: 高齢者や障がい者、低所得者の支援を行うサービス。 生活のしやすさを保障するための制度です。 ⑤治安維持: 警察や消防など、安全で安心な社会環境を維持するためのサービス。 インフラ整備: 道路や上下水道の管理、電力供給の補助など、生活の基盤となる設備を整えています。 (3)公共サービスの目的: 公共サービスは社会全体の公正と平等を推進するために存在します。 例えば、全ての子どもが等しく教育を受けられるようにすることや、 どこに住んでいても病院を利用できることが目指されています。 (4)財源: 公共サービスの主な財源は税金です。 私たちの生活を支えるために必要な費用を国や自治体が徴収し、 それを公共のために使っています。 |
| 国民経済と政府 |
【国民経済】一国内で営まれる経済活動の全体。 ![]() (1)政府・家計・企業の間でお金・もの・サービスが交換されていく経済のしくみを国民経済といいます。 ①政府と家計: 政府や地方公共団体は、家計から徴収した税金を使って、 公共施設や公共サービス(教育・消防・ゴミ処理・上下水道など)を提供します。 公務員の家計の場合は、家計は労働を提供して、政府から賃金を受け取ります。 ②政府と企業: 政府や地方公共団体は、企業から徴収した税金を使って、 公共施設や公共サービス(道路・港湾など)を提供します。 企業は政府に商品やサービスを納入し代金を受け取ります。 ③家計と企業: 家計は企業に労働を提供し、賃金を受け取ります。 また、家計は企業から商品やサービスを購入して、その代金を支払います。 |
| 租税-累進課税・逆進課税 |
【税金(租税)】国や地方公共団体が、家計や企業から徴収するお金。 【累進課税】所得が多くなればなるほど税率が高くなるように設定されている課税制度。 【所得税】個人の所得に対してかけられる税金。 ![]() ①所得が多くなるにつれてを税率を高くする課税の方法を累進課税といい、 所得税と相続税ではこの課税方法がとられています。 ②累進課税は、税はそれぞれの支払い能力に応じて負担すべきだという考えかたです。 ③累進課税制度は、高額所得者からより多くの税を徴収し、 社会保障制度などを通じて低額所得者に分配する働きをもちます。 これを所得の再分配といいます。 |
| 直接税と間接税 |
【直接税】税金を納める義務のある納税者と、実際に負担する担税者が一致する税金。 【間接税】税金を納める義務のある納税者と、実際に負担する担税者が一致しない税金。 【所得税】個人の所得に対してかけられる税金。 【消費税】購入する商品・サービスにかけられる税金。 ![]() (1)直接税: ①定義: 直接税は、納税者自身が国や地方自治体に直接支払う税金です。 ②特徴: 税負担が誰に帰属するかが明確です。 所得や資産に応じて納める額が変わるため、負担が個々の経済力に応じています。 ③例: 所得税: 個人の所得に対して課せられる税金です。収入が増えると税額も増えます。 住民税: 地方自治体が個人に対して課す税金で、地域サービスの財源となります。 法人税: 企業の利益に対して課せられる税金です。 (2)間接税: ①定義: 間接税は、取引や消費に伴って、購入者が負担する形で間接的に納める税金です。 ②特徴: 納税者と実際の税金負担者が異なる場合があります。 消費や取引の際に税金が含まれているため、見た目には負担を感じにくいことがあります。 ③例: 消費税: 商品やサービスを購入するときにかかる税金です。 価格に含まれているため、購入者が間接的に税金を負担します。 関税: 輸入品に課せられる税金で、輸入価格に上乗せされます。 |
| 税の分類 |
| 【国税】国に納める税金。 【地方税】地方公共団体に納める税金。 ①税は、国に納める国税と地方公共団体に納める地方税に分類できます。 税の分類を表にまとめると、次のようになります。 ![]() |
| 歳入と歳出-歳入 |
| 【歳入】国や地方公共団体の、一会計年度(4月~翌年3月)における財政上の収入のこと。 【歳出】国や地方公共団体の、一会計年度(4月~翌年3月)における財政上の支出のこと。 【累進課税】所得が多くなればなるほど税率が高くなるように設定されている課税制度。 【公債金】国が税収の不足を補うために発行する、債券により借りられた金額のこと。 ![]() (1)歳入: ①定義: 歳入は、国や地方自治体が1年間に得る収入のことを指します。財源とも呼ばれます。 ②主な構成要素: 税収: 所得税、住民税、法人税、消費税などの税金が主要な歳入です。 公債金: 国債や地方債の発行によって調達する借金で、一般的に歳入の一部を補う形で利用されます。 その他の収入: 手数料、国有財産の売却益、政府資産からの収入などが含まれます。 (2)歳出: ①定義: 歳出は、国や地方自治体が1年間に使う支出のことを指します。経費や支出とも呼ばれます。 ②主な構成要素: 社会保障費: 年金、医療保険、介護保険など、国民の生活を支えるための支出です。 教育費・科学技術: 学校教育や研究開発のための費用です。 公共事業費: 道路、橋、インフラ整備などの費用です。 防衛費: 国の安全保障のための費用です。 公債費: 過去の国債や地方債の利子や返済にあてる費用です。 (3)財政のバランス: ①歳入と歳出のバランス: 収入(歳入)が支出(歳出)を上回る場合は「黒字」、 逆に支出が収入を上回る場合は「赤字」になります。 ②赤字を補うために借金(公債)が発行されることがありますが、 持続的な財政運営をするためには、通常は歳入と歳出のバランスをとることが求められます。 |
| 国債 |
| 【国債】国の発行する債券のこと。 【地方債】地方公共団体の発行する債券のこと。 ![]() (1)国債: ①定義: 国債は、国(日本政府)が資金を調達するために発行する債券です。 ②目的: 主に歳出が歳入を上回るときに、その不足を補うために発行されます。 ③種類: 普通国債: 財政の一般的な支出をカバーするために発行される国債です。 建設国債: 道路や学校などの公的な施設の建設資金にあてるために発行されます。 ④返済: 国債は将来的な税収で返済されることが多く、一定期間後に元本と利子を投資家に支払います。 注意点: 国債の発行が増えすぎると、国の借金が増え、将来的な財政負担になる可能性があります。 (2)地方債: ①定義: 地方債は、地方自治体が資金を調達するために発行する債券です。 ②目的: 地方の公共事業や施設の整備、地域の活性化などに必要な資金を調達するために発行されます。 ③種類: 一般地方債: 地方自治体が独自で発行し、自由に使える資金を調達するためのものです。 特定地方債: 特定の事業や目的にあてるために発行されるものです。 ④返済: 地方債も将来的に自治体の収入(主に税収)を用いて元本と利子を返済します。 注意点: 過度な地方債の発行は、地方財政の悪化を招く可能性があるため、 慎重な財政運営が求められます。 国債と地方債は、国や地方が資金を効率的に活用し、 必要な公共サービスやインフラを提供するために重要な役割を果たします。 |
| 歳出 |
| 【歳出】国や地方公共団体の、一会計年度(4月~翌年3月)における財政上の支出のこと。 【地方交付税交付金】国家予算の枠内で集めたものから各地方自治体に給付しているお金。 ![]() ①国の歳出の上位3つは社会保障関係費、 国債費、地方財政費(地方交付税交付金など)です。 ②このうち、戦後大幅に増加したのは、社会保障関係費と地方財政費です。 ③社会保障関係費は、医療費、年金、公的扶助などのための費用です。 地方財政費は税収の少ない地方自治体に対して支出される地方交付税交付金などです。 ④国債費は、国の国民に対する借金である国債の返済や利子にあてるための経費で、 国の財政支出にしめる国債費の割合は約23%と非常に高い水準にあります。 ⑤このほか、公共事業関係費は道路・橋の整備等のための支出で、 文教及び科学振興費は義務教育にかかる費用などがあります。 |
| [要点-景気変動と金融政策・財政政策] |
①好景気のときは、消費が拡大して商品の売れ行きがよくなるので、企業は生産を拡大します。 需要が供給を上回るため物価が上がるインフレーションが起こります。 ②不景気になると、売れ行きが悪くなるので、企業は生産を縮小します。 物価が下がるデフレーションがおこります。 ③好景気と不景気が交互にくり返されることを景気変動といいます。 ④不景気になると、政府は減税を行い、公共事業への支出を増やすなどの財政政策を行って、 経済を活性化させようとします。 また、不景気のとき日本銀行は、金融市場で国債などを買うことで通貨量を増やし、 市場の金利を下げるような公開市場操作を行います。 これを金融政策といいます。 |
| 景気と財政政策 |
| 【景気変動】資本主義経済において、景気と不景気が交互にくり返されること。 【財政政策】景気の安定を目的として、国や地方公共団体が行う経済政策。 ![]() (1)景気変動:好景気と不景気が交互にくり返されること。 ①不況: 商品の売れ行きが悪くなり、企業は生産量を減らします。 企業は在庫を減らし、設備投資もおさえて不況を耐えぬこうとします。 しかし、企業の中には業績が極端に悪化して資金繰りがつかなくなり、倒産するところも出てきます。 倒産やリストラによって失業者が増大し、そのことによって全体の消費がさらに落ち込みます。 ②回復: 生産調整・在庫整理がある程度進むと、(供給)<(需要)となるので、 企業は生産を少しずつ増やすようになります。 企業の生産活動が回復していくにつれて、全体の賃金も少しずつ増加するので消費が回復し、 そのことによって商品の売れ行きが回復していきます。 ③好況: 商品の売れ行きが良くなり、工場では生産を増加させます。 賃金の増加によって、消費がさらに拡大します。 企業は、さらなる売り上げ増を見込んで在庫を増やしたり設備投資をさかんに行いますが、 そのことによって経済全体がさらに活発化します。 ④後退: 設備投資によって企業の生産能力が増大しますが、 需要の伸びが供給の伸びに追いつかないため、(供給)>(需要)となり、 企業収益が悪化し景気が悪くなり始めます。 |
| インフレーションとデフレーション |
【インフレーション】物価が持続的に上昇し、貨幣価値が下がり続ける現象。 【デフレーション】物価が持続的に下落し、貨幣価値が上がり続ける現象。 【スタグフレーション】景気が停滞している中で、物価が上昇し続ける現象のこと。 ![]() (1)インフレーション: ①定義: インフレーションは、物価が全体的に継続して上昇する現象を指します。 お金の価値が下がり、同じ金額で買えるものの量が減少します。 ②原因: 需要の増加: 商品やサービスに対する需要が供給を上回ると、価格が上昇します。 生産コストの上昇: 原材料費や人件費が上がると、生産者は価格を引き上げることになります。 通貨供給量の増加: 中央銀行が市場に大量の通貨を供給すると、お金の価値が下がり物価が上昇します。 ③影響: 購買力の減少: 消費者は同じ金額で以前ほど多くの商品を購入できなくなります。 借り手に有利: 借金の実質的な返済額が軽くなることがあります。 不確実性の増加: 価格の先行きが不透明になり、企業や消費者の将来計画が立てづらくなります。 (2)デフレーション: ①定義: デフレーションは、物価が全体的に継続して下落する現象を指します。 お金の価値が上がり、同じ金額で買えるものの量が増加します。 ②原因: 需要の減少: 商品やサービスに対する需要が減少することで、価格が下がります。 過剰供給: 市場に供給される商品が需要を上回ると、価格競争が起きて価格が下がります。 ③影響: 購買力の増加: 消費者は同じ金額でより多くの商品を購入できるようになります。 先延ばしの経済行動: 素人消費者や投資家は、より安くなることを期待して支出や投資を控えることが増え、 経済活動が停滞する可能性があります。 実質的な債務の増加: 負債の実質的な返済負担が増加し、借り手には不利になります。 |
| 財政政策 |
【財政政策】景気の安定を目的として、国や地方公共団体が行う経済政策。 【公共事業】国や地方公共団体が公共の利益のために行う事業。 【公共投資】国や地方公共団体が行う、公共事業のための支出。 【増税】家計や企業から徴収する税金を増やすこと。 【減税】家計や企業から徴収する税金を減らすこと。 ![]() (1)財政: ①社会資本や公共サービスの提供、 ②所得の再分配、 ③景気変動の調整 という3つのはたらきがあります。 (2)財政政策: ①財政政策の目的: 経済成長の促進: 政府は支出を増やすことで、需要を喚起し、経済成長を促します。 失業の抑制: 景気が悪化した時には、公共事業などを通じて雇用を創出し、失業を抑える努力をします。 インフレの抑制: 経済が過熱しすぎてインフレが進む場合には、税金を上げるなどして消費を抑制します。 所得の再分配: 社会保障制度などを通じて、所得格差を是正し、全体的な国民の生活水準を向上させます。 (3)財政政策の手段: ①政府支出の調整: 公共事業: 道路や学校、病院の建設などに投資し、経済活動を活性化します。 社会保障: 年金や失業手当、医療補助などに使われ、所得の再分配を図ります。 ②税制の調整: 減税: 経済を刺激するために、所得税や法人税を引き下げ、消費や投資を促進します。 増税: インフレを抑えるためや財政赤字を解消するために税率を引き上げます。 ③国債の発行: 足りない財源を補うために国債を発行し、将来的に返済する形で現在の支出を賄います。 (4)財政政策の効果と課題: ①効果: 適切な財政政策は、景気を安定させ、失業率の低下や消費の拡大に寄与することがあります。 特に不況時には、政府支出の拡大により経済活動を活性化できます。 ②課題: 財政政策を長期間にわたり乱用すると、国の債務が増大し、 将来的な財政の柔軟性を損なうリスクがあります。 また、一時的な景気刺激策が終了すると、効果が薄れる「財政の崖」問題も発生することがあります。 |
| 財政政策と金融政策 |
【財政政策】景気の安定を目的として、国や地方公共団体が行う経済政策。 【金融政策】日本銀行が、金融面から物価の安定や経済の安定のために行う政策。 ![]() (1)財政政策: 財政政策とは、政府が経済を安定させたり成長させたりするために 税金の徴収や公共支出を通じて行う政策です。 ①主な目的: 景気の安定化: 景気が悪化しているときには公共事業を増やして雇用を創出し、景気を刺激します。 逆に、景気が過熱しているときには増税や公共事業の縮小で経済を冷やします。 社会保障の充実: 税金を使って、年金や医療などの社会保障制度を充実させ、国民の生活を安定させます。 貧富の差の是正: 進行税制などを通じて所得再分配を行い、貧富の差を縮小しようとします。 (2)金融政策: 金融政策は、中央銀行(日本では日本銀行)が行う政策で、 通貨供給量を調整することで経済を安定させることを目的としています。 ①主な方法: 金利の調整: 低金利政策を行うことで、企業や個人が借金をしやすくなり、 設備投資や消費が増えることで景気が刺激されます。 逆に高金利政策は過熱した景気を抑える効果があります。 公開市場操作: 中央銀行が国債や他の証券を売買することで、金融市場の資金量を調整します。 資金を増やすと金利が下がり、景気刺激につながります。 準備預金率の変更: 銀行が中央銀行に預ける預金の割合(準備預金率)を変更することで、 銀行が貸し出しできるお金の量を調整します。 準備率を下げると貸し出しが増え、経済が活性化します。 |
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