社会3年 公民(現代社会)

 現代社会
 現代社会の特色-グローバル化

【グローバル・スタンダード】特定の国や地域、企業などに限らず、
世界中どこでも通用する共通したルー ルや基準。
【グローバル化】国際社会において、経済や文化などが国境をこえて一体化すること。

 

①交通や通信技術の発達により、人、商品、お金、情報などが国境を越えて容易に移動できるようになり、
世界の一体化が進んでいる。
これをグローバル化といいます。
 国際分業
 
【国際分業】各国が他国より有利に生産できる商品を生産して輸出し、
そうでない商品は他国から輸入すること。
【水平的分業】先進国同士が製品を交換し合う国際分業のこと。
【垂直的分業】先進国が発展途上国から輸入した原材料をもとに製品を生産すること。

 

①グローバル化によって商品を簡単に輸出入できるようになると、
国内で生産された商品と輸入商品との間、あるいは異なる国から輸入した商品同士で、
どちらが安くて品質の良いものを提供できるかについての国際競争が行われるようになります。

②また、それぞれの国が国際競争力のある産業に力を入れ、
競争力のないものは輸入するという国際分業が進行します。
 多文化社会
 
【多文化社会】さまざまな国や民族の文化が共存する社会。
【共生社会】これまで必ずしも十分に社会参加できるような環境になかった障害者等が、
積極的に参加・貢献していくことができる社会。

 

(1)多文化社会:
多文化社会とは、異なる文化や民族、言語、宗教を持つ人々が共存している社会のことを指します。
グローバル化の進展により、多くの国が多文化社会となっており、日本も例外ではありません。

①多様な価値観の共存:
多文化社会では、異なる背景を持つ人々の価値観やライフスタイルが共存しています。
この多様性は創造性や新しいアイデアを生み出す源泉とされます。
②チャレンジ:
誤解や偏見、差別などの問題も生じやすく、これをどう解決していくかが課題となります。

(2)共生社会:
共生社会は、多文化社会を背景にして、すべての人々が互いの違いを認め合い、
平等に参加できる社会を目指す考え方です。

①相互理解:
異なる文化や価値観を理解し、尊重し合うことが求められます。
②協働:
多様な背景の人々が共に協力し、社会課題の解決に取り組むことが重要です。
③包摂:
全ての人が社会の一員として受け入れられ、活躍できる環境づくりを目指します。

(3)具体的な取り組み:
①教育:
多文化理解を促進する教育プログラムや異文化交流が実施されています。
②政策:
政策レベルでは、外国人労働者の受け入れや、国際交流を促進する施策が行われています。
③コミュニティ活動:
地域レベルでの交流イベントや、ボランティアを通じての協力関係の構築などがあります。

これらの多文化社会と共生社会の教えが長く持続するためには、
一人一人が自分の役割を理解し、積極的に関わることが欠かせません。
 情報化-情報社会
 
【情報社会】マスメディアやインターネットなどが身近にあり、
それらがもたらす情報が生活に大きな役割を果たしている社会。
【インターネット】世界中のコンピューターを結ぶ通信網。

 

①1990年代に入ってから、情報通信網とコンピューターの発達によって
インターネットという世界的情報のネットワークが急速に普及しました。

②情報通信技術の発達によって情報化が進展したが、このような社会を情報社会といいます。

③情報を得るために使われる、新聞、テレビ、ラジオ、インターネット、
携帯電話などをまとめてメディアといいます。
 オンライン・ショッピング
 
【オンライン・ショッピング】インターネットを通して買い物をすること。
【電子マネー】現金をデータ化して、決済をすること。
【インターネット・バンキング】インターネットを利用した銀行などの金融取引のサービスのこと。

 

①情報化の進展にともない生活が便利になりました。
例えば、電気製品を買うときに、インターネットを使って
各社の製品の価格・性能・評判などを簡単に調べることができます。

②インターネットを使った買い物をオンライン・ショッピングといいます。

③また、現金を持ち歩かなくても商品を購入できる電子マネーも使われるようになりました。
 インターネット利用の注意点
 
【デジタル・ディバイド(情報格差)】情報通信技術の利用が進むにつれて生じる格差のこと。
【情報リテラシー】必要な情報を選び、活用する能力のこと。
【情報モラル(倫理)】人間が情報をもちいた社会形成に必要とされる一般的な行動の規範のこと。

 

①インターネットの利点は、検索によって必要な情報をさまざまなホームページから入手し、
また、知ってもらいたい情報を簡単に発信できることです。

②しかし、インターネットには大量の情報があふれているので、
自分が必要な情報は何かということをはっきりさせたうえで、情報を取捨選択する必要があります。

③また、個人情報が知らないうちに流失してプライバシーが侵害されたり、
コンピューターを使った犯罪の被害を受けたりすることもあります。

④個人情報の流出やコンピューターを使った犯罪に気をつけることが大切です。

⑤コンピューターを使う能力差によって、必要な情報が得られる層と
得られない層に分かれるデジタル・ディバイドという問題も起こっています。
 少子高齢化
 
【少子高齢化】ある国や地域において、少子化と高齢化が同時に進行すること。
【出生率】1年間に生まれた子どもの数の、人口に対する割合。

(1)少子高齢化:
少子高齢化とは、出生率の低下により子どもの数が減少し、
同時に平均寿命の延びや医療の進歩によって高齢者の割合が増加する現象を指します。

①少子化:
日本では子どもの数が減少傾向にあり、
これは女性一人が生涯に産む子どもの平均数(合計特殊出生率)が低下していることに起因しています。
この傾向は、結婚年齢の上昇やライフスタイルの多様化、経済的な不安などによって加速されています。

②高齢化:
日本の高齢者(65歳以上)の人口比率は増加しており、
これは医療技術の進歩や生活水準の向上によって人々がより長く健康に暮らせるようになった結果です。

(2)少子高齢化の影響:
①労働力不足:
働き手となる若年層の減少により、労働力不足が深刻化しています。
これは経済成長に対する大きな制約となり得ます。

②社会保障費の増加:
高齢者の割合が増えることで、年金や医療、介護に対する社会保障費が増大しています。
これにより、国家財政への負担が増しています。

③地域社会の変化:
特に地方では、人口減少による過疎化が進み、
地域コミュニティの維持が困難になっている地域もあります。

(3)出生率について:
①合計特殊出生率:
一般に、合計特殊出生率が2.1を下回ると、人口が自然に減少するとされますが、
日本の合計特殊出生率は長らくこの水準を下回っています。

②出生率低下の理由:
結婚や出産年齢の上昇、経済的な理由、育児支援の不足、
女性の社会進出などが影響要因とされています。

(4)対策と取り組み:
日本政府や自治体、企業は少子高齢化に対応するためのさまざまな施策を講じています。
①育児支援:
保育サービスの充実や子育て支援金の支給など、
家族が子どもを育てやすい環境作りが進められています。

②働き方改革:
働く時間を柔軟にする制度や、
男女共に育児休暇を取りやすくするための取り組みが推進されています。

③高齢者支援:
高齢者が働き続けられる環境の整備や、地域での健康維持活動の推進など、
健康で豊かな老後を支える施策が行われています。
 少子高齢社会
 
【少子高齢社会】総人口に占める子どもの割合が小さくなり、
高齢者(65歳以上の人)の占める割合が大きくなる社会のこと。
【合計特殊出生率】1人の女性が一生に産む子どもの数の平均。

 

(1)少子高齢化の背景:
①少子化の原因:
結婚や出産の年齢が上昇している。
女性の社会進出とそれに伴う出生率の低下。
経済的な負担や将来の不安から、子供を持つことを控える傾向。

②高齢化の原因:
医療技術の進歩や生活水準の向上により、平均寿命が延びている。
戦後のベビーブーム世代が高齢者層に達している。

(2)社会への影響:
①経済的影響:
労働人口の減少により、生産性や経済成長が低下する可能性。
高齢者の増加により、年金や医療などの社会保障費が増大。

②社会的影響:
介護や医療の需要が増加し、これらに対応するための人材が不足することが懸念される。
地域社会の活力低下や過疎化が進行する例もある。

③文化的影響:
家族構造が変化し、核家族化や独居高齢者が増える。
子供の数が減少することで、学校や子供向け施設の数が縮小することもある。

(3)対策:
政府や自治体では、少子高齢化に対して様々な対策が講じられています。
①子育て支援:
育児休暇制度の充実、保育施設の整備、教育費の補助。
②高齢者支援:
介護サービスの充実、地域コミュニティの活性化。
③労働環境の改善:
働き方改革によるワークライフバランスの推進、女性や高齢者の就労支援。

 
 現代社会における文化-文化の3つの領域
 
【芸術】音楽や絵画、演劇、文学など、美の追求や感情の表現をし、他者に伝えようとする創作活動。
【科学】さまざまな技術を生み出すための研究や知識、学問のこと。

 

①代表的な文化の領域としては、科学・宗教・芸術の3つがあります。

科学:さまざまな技術を発展させ、人々の生活の向上に役立ってきました。

宗教:悩みや不安の解消を願い、生きる意味を求めて神や仏を信仰する。

芸術:うるおいや安らぎを与える音楽、美術、小説など。
 伝統文化
 
【伝統文化】歴史の中ではぐくまれ、人々の間で価値あるものとして古くから継承されてきた文化。
【年中行事】七夕や七五三など、毎年同じ時期に行われる昔から続く行事。

 

①長い歴史の中で培われてきた文化が伝統文化です。

②伝統文化の中には、能や歌舞伎、茶道や華道など一部の専門家によって受けつがれてきた文化と、
庶民によって受けつがれてきた衣食住、年中行事、冠婚葬祭などの生活文化があります。
 文化財保護法
 
【文化財】文化財保護法に定められているものにあてはまるもののこと。
伝統文化を保護するために、国は文化財保護法などの法律を制定した。
 

(1)文化財には:
①建築物や絵画のような有形文化財、
②芸能や工芸技術のような無形文化財、
③衣食住や信仰、年中行事、民俗芸能のような民俗文化財、
④城跡や庭園のような記念物などが含まれます。
 独特な文化
 
【琉球文化】沖縄県と鹿児島県の一部の先住民の琉球民族の文化。
【アイヌ文化】アイヌが13世紀ころから現在までに至る歴史の中で生み出してきた文化。

 

(1)アイヌ文化:
背景と特徴
①居住地:
主に北海道、特に道東や道北地域を中心に暮らしていた先住民族です。
②生活様式:
狩猟や漁労、採集を中心にした生活をしていました。
③文化:
独自の言語(アイヌ語)や神話、伝統的な儀式が特徴です。
アイヌの人々は自然との共生を重視し、多くの民族儀式を行ってきました。
④衣服や工芸:
アイヌの衣服としては「アットゥシ」という樹皮を使った織物が有名で、
刺繍や彫刻も発展していました。

(2)現代における状況:
①文化の復興と認知:
現在、日本政府やアイヌの地域社会などによって、
アイヌ文化の復興とその認知が進められています。
2008年にはアイヌ民族を「先住民族」と認定する国会決議が採択されました。
②民族共生象徴空間「ウポポイ」:
2020年に北海道白老町に開設され、
アイヌ文化の展示や体験を通じて、その理解促進に寄与しています。

(3)琉球文化:
背景と特徴
①居住地:
沖縄県を中心に、かつては琉球王国として独立した時代を持つ文化です。
②歴史:
琉球王国は15世紀から19世紀にかけて存在し、
中国や日本、東南アジアとの交易を通じて影響を受け、多様な文化が融合しました。
③音楽と舞踊:
三線(さんしん)という楽器を使った音楽や、琉球舞踊が有名です。
④建築:
首里城に代表される独特の建築や、石造りの集落、赤瓦の屋根も琉球文化の象徴です。
現代における状況
⑤文化の継承と教育:
沖縄では琉球文化の保存と継承が行われており、
祭りや伝統芸能を通じて地域社会に受け継がれています。
 多様な文化
 
 

①日本は南北に長く、気候が大きく異なっているので、
地域によって気候や風土に応じた多様な文化が存在します。

②住居を例にとると、白川郷や五箇山では雪の荷重を減らすために
屋根を急勾配にした合掌造りがあります。

③沖縄では台風と強い日差しに備えるため、
風に強く熱をさえぎる赤がわらの屋根を持つ民家が一般的でした。
 現代社会の見方や考え方-社会集団

【社会集団】人が集まっている集団のこと。

 

①私たちは、家族・地域社会・学校・会社など、いろいろな社会集団の中で生活しています。

②この中で、最初に出会う最も身近な社会集団は家族です。
家族や地域社会は生まれながらに所属している社会集団です。

③これに対し、学校・部活動・塾・会社などは目的をもって所属している社会集団です。
 社会的存在としての人間

【社会的存在】社会の一員として社会集団と関わって生きていく人間のありかたのこと。



①人間は社会の一員としてでなくては生きていくことはできません。
そのため、人間は社会的存在であるといわています。
 対立と合意・効率と公正

【対立】社会の中で、おたがいの意見や主張がぶつかること。
【合意】対立がおきたとき、おたがいに納得する解決手段をつくり、その手段を実行すること。
【公率】ルール(きまり)をつくるとき、それぞれの人が最大の利益を得られ、
かつ時間やものをむだなく使うやり方を選ぼうとする考え方。
【公正】ルール(きまり)をつくるとき、個人を尊重すること。

 

①社会集団の中で考え方や求めるもの違いから対立が生じた場合、
話し合いで合意をめざすことが必要です。

②みんなが納得できる解決策を考えるにあたっては、効率と公正の2つが重要になります。

③効率とは、みんなの時間やお金、物、労力を無駄なく使うようになっているかということです。

④公正とは、手続きの公正さと機会や結果の公正さです。
 きまり・契約

【ルール(きまり)】さまざまな人が暮らす社会の中で、おたがいの利害を調整し、
共存していくために定められる約束事。
【権利】法律によって認められている権限や自由。
【義務】従うべきとされること、当然しなければならないこと。

 

①社会集団内や集団間における対立を調整し、
トラブルを解決したり、未然に防いだりするためには、
最初に決まりを作っておくことが必要です。

②決まりを作るときには、だれにどのような権利があり、
またどのような
義務や責任があるかを明らかにすることが重要です。

③決まりを守ることで、社会集団の秩序が保たれます。
 決定のしかた

【全員一致】参加者全員の意思が一致すること。
【多数決】多数派の意見を採用する方法のこと。

 

(1)決まりを作る場合:
①全員で話し合って決定する方法。
②複数の代表者が話し合って決める方法。

(2)採決の仕方:
全員一致で決める方法と、多数決で決める方法があります。

①全員一致:
一人でも反対する人がいるとトラブルがうまく解決できない場合に利用されます。
②多数決:
一定の結論を出さなければならないときなどに利用されます。
多数決で決定をする場合は、少数意見を尊重することが大切です。
 核家族

【家族】おもに結婚や血縁をもとにして夫婦、親子、きょうだいなどで構成されている社会集団。
【核家族世帯】夫婦のみ、もしくは夫婦と未婚の子ども、
または父母のうち一方と未婚の子どもからなる家族形態のこと。

 

(1)核家族:
①家族構成の一形態を指します。
核家族は、一般的に夫婦とその未婚の子どもだけで構成される家族形態をさします。
これは、祖父母やその他の親族と同居しない世帯です。

(2)核家族という概念:
特に都市部での生活や現代社会のライフスタイルの変化と関連しています。
①核家族のメリット:
家庭内の意思決定が比較的簡単でプライバシーが保たれやすいことが挙げられます。
②デメリット:
子育てや家事の負担が夫婦に集中しやすく、
社会的なサポートが少ない場合、困難を感じることがあります。

(3)公民の学習:
①核家族を理解することを通じて、日本や世界の家族構成の多様性や、
生活様式の変化が社会に与える影響について考えることが重要です。

②また、核家族以外にも拡大家族や単身世帯などの家族形態も存在することを学び、
家族のあり方がどのように多様で、社会に影響を及ぼしているかを学ぶことが求められます。
 婚姻

【婚姻】一組の男女が夫婦となること。

①日本国憲法第24条は次のように定めています。

②「婚姻は両性の合意のみにもとづいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、
相互の協力により、維持されなければならない。」(1項)

③「配偶者の選択、財産権、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、
法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。」(2項)
 親等

 

①家族については、民法の親族・相続編で規定されています。

②親等は1世代を1親等として数えます。
「自分」からみて父母は1世代上なので1親等、祖父母は2世代上なので2親等、
自分の子どもは1世代下なので1親等です。

③兄弟などとの親等を計算するときは、共通の祖先(兄弟の場合は父母)にさかのぼって数えます。
すなわち、「自分」-父母で1親等、父母-弟で1親等なので、合計1+1=2親等です。

③また、父の妹である「女」(すなわち、おば)の場合も同様に、共通の祖先にさかのぼって数えます。
「自分」と「女」の共通の祖先は「祖父=祖母」です。
「自分」から「祖父=祖母」までは2親等、「女」から「祖父=祖母」までは1親等なので、
合計で3親等です。
 相続

【相続】人が死亡したとき、その財産や借金などを他の者(相続人)が受けつぐこと。

 

①遺産の相続については民法の相続編で定めています。

②遺言がない場合は、
配偶者(結婚している相手を配偶者という)が2分の1、残りの2分の1を子どもが均分相続します。

③この問題の例では、1800万円の半分の900万円は母が相続します。
残りの900万円を子ども3人が300万円ずつ相続します。
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